第325話 【BLACK EDGE 其の325 電撃】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第325話
【BLACK EDGE 其の325 電撃】
電撃で動けなくなったブラッドをフレッタは遠くから見下ろす。
フレッタはブラッドが動けないのに近づくことはなく、距離を保っている。
電撃で身体の自由が効かないブラッドは、地面に這いつくばりながらフレッタを睨みつける。
「トドメを……ささねぇのか……」
今のブラッドはまともに身体が動かない。電撃や他の攻撃も避けることができないだろう。
だが、そんなブラッドにフレッタはトドメを刺そうとしない。
フレッタはブラッドとの距離を一定を保ちながらブラッドの周りを円を描くように歩き始める。
「戦いを焦る必要はない。……今は試合だ。お前達龍の適応者を捕らえる気はないからな……」
「ブルー……バード……か」
「知っていたか……」
フレッタはブラッドの背後に回り込むと歩みを止めた。
「…………一つ、質問に答えてもらおう」
ブラッドは振り返ることができず、フレッタの声が後ろから聞こえる。
「フリーズを知っているか?」
……フリーズ。それは確かルルシアの兄を殺した殺し屋の名前。
なぜ、今そいつの話題が出るのか……。
「いや、知らねーな」
ブラッドが答えると、フレッタは残念そうに言う。
「そうか、それは残念だ……」
会話が終わったタイミングでブラッドの身体は少しずつ動けるようになってくる。やっと痺れも取れてきて、後ろにいるフレッタの方を振り向くと、フレッタはブラッドに手のひらを向けていた。
「もうお前には用はない」
倒れたままのブラッドにフレッタは電撃を放つ。ブラッドは地面を転がって、その電撃を避けた。
姿勢が低かったからか。電気はブラッドを追ってくることはなく、地面にぶつかり、ブラッドは避けることができた。
立ち上がろうとするブラッドにフレッタは追いかけるように手のひらを向ける。
だが、ブラッドは立ち上がり、フレッタに向かって走り出した。
フレッタの電撃は連続で使用できない。使うためには一定のインターバルが必要。そう考えたからだ。
だが、立ち上がったブラッドをフレッタの電撃が襲った。
「グァァァァァァ!?」
電撃を食らったブラッドは地面に手をつく。そんなブラッドにフレッタは
「俺の電撃にインターバルがあると思ったか。残念だが、それは間違いだ!!」
ブラッドは電撃を喰らい、崩れ落ちる。そして地面に倒れた。
そんなブラッドをフレッタは遠くから見守る。
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