第328話 【BLACK EDGE 其の328 見た】

 BLACK EDGE

 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria

 第328話
 【BLACK EDGE 其の328 見た】

 控え室の窓からスカイとリトゥーンがブラッドとフレッタの戦闘を見ていた。

「見ましたか? リトゥーンさん」

「ああ、君にも見えたか……」

 それはブラッドがフレッタの電撃を喰らい、倒れてしまった後である。

 ブラッドの全身から黒いオーラが背中に集まると、そこから上空に向かって黒いオーラは飛んでいく。

 そして点高く飛んで行った後、そのオーラは黒い龍の姿になって戻ってきた。

 龍はブラッドにぶつかると、ブラッドの全身を黒いオーラが包み込んだ。

 充電を終えたフレッタは空中を移動しながら、ブラッドの様子を伺う。

 今のブラッドがどういう状況か分からない以上、迂闊に近づくことはできない。そして電力を無駄遣いするわけにもいかない。

 ゆっくりと反時計回りでブラッドの上空を飛んでいると、ブラッドが動き出した。

 ブラッドは拳を握りしめると、その拳をフレッタに向けて振った。すると、その拳から龍の顔のオーラが現れて、フレッタに使って飛んでくる。

 フレッタは空中を移動してそのオーラを躱したが、そのオーラは大きく円を描きながら再びフレッタに向かって飛んできた。

「追尾か、それともそういう軌道にしてたか……」

 フレッタは両手を広げて空を飛ぶ。そんなフレッタを龍のオーラは追ってきた。

「前者か……」

 フレッタを追尾する龍。だが、フレッタは追われ続けるわけではなく、それが追ってくると分かると龍の方に身体を向けた。

 そして空中で静止するための電気を一時的にやめると、龍に向けて両手を向けた。

「無駄撃ちはできねぇ。一発で消し飛ばす」

 フレッタは龍に向かって電撃を放つ。

 電撃は龍にぶつかると龍を電気が包み込み大爆発を起こした。

 これでフレッタは龍を防いだと思った。しかし、そうではなかった。

「……なっ!? 龍の後ろにもう一匹だと……」

 龍のオーラの後ろにはもう一匹の龍のオーラがいた。二匹を同時に飛ばしたのか、それとも途中で分裂したのか。

 だが、一匹目の龍によって隠されていたもう一匹の龍を、フレッタは電撃で倒すことができず。

 回避も間に合わずに、フレッタはその龍のオーラにぶつかってしまう。そしてフレッタは龍のオーラに噛みつかれて身動きが取れなくなり、そのまま龍のオーラに運ばれる。

「っ!?」

 そして龍のオーラは舞台の上空に来ると、急激に落下してフレッタを地面に叩きつけようとした。

「こんなところでやられられるか……」

 フレッタは無理矢理片手を引き摺り出す。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?