ウオ市場

先日、採卵に行ってきた。

めでたく我が夫婦も不妊治療をはじめて約4年ほどの月日が経とうとしている。
もう私の周りはベイビーラッシュで、みんな普通にご懐妊し、出産し、子育てに奮闘している。
いいのいいの、私は大器晩成型だから。
私の子どもは産まれたらすんごいことになるからね。
たぶんアメリカの大統領とかになる。

で、なんやかんやあって着実にステップアップし、国からの後押し(不妊治療が保険適用になった。めでたすぎる)もあって、体外受精?顕微鏡受精?よくわかんないけどまずは採卵しましょうねってことで3日前くらいに病院行ってきた。

知らない人のために少し説明しておくと、採卵ってめちゃくちゃ大変なんですよ。

なんか薬を10日間くらい飲んで、生理を迎えて、生理3日目にエコーでみてもらって、そこから1週間くらい毎日自分で注射打って、エコーみてもらって、また1週間看護師さんに毎日注射を打ってもらって、なぜか自分で注射打って、座薬入れて、採卵後。

エコー、注射、エコー、注射、締めに座薬。
思い立ったら吉日が通用しない世界観。

まず、生理中のエコーね。
いやぁ3日目とはいえ、あまり人には見せたくないですよね普通に。
お母さんにだって見せたくない。
え?ほんとにパンツ履かずに座っていいんですか?3日目ですよ?
って看護師さんに何度か確認しちゃったもん。

次に自分で注射を打つという試練。
何が怖かったかって、病院側から、注射に関する説明聞いたよ!って書類にサインしないとできないこと。
これって、何か問題が起きたときの証拠書類ってことになるよね?ってビビリながらもサイン。

あ、ちなみに体外受精するって決めた段階で誓約書的なものにサインはします。
これもなかなか迫力ある一枚紙です。

で、看護師さんの注射。
これは普通に通院が大変だった。

そして満を持しての座薬。
座薬って確か子供のとき以来で、意外と大きくて驚いた。
てゆーか、基本的にあの道は一方通行なんですよ見たことないけど。
なぜか座薬は逆走が認められてる不思議な世界。

そんな困難を乗り越えての採卵。
ここですでに全米が泣いた。

採卵当日は、夫に付き添ってもらった。
初めての経験だし、麻酔を打つと聞いていたし、たいていこういう場合めちゃくちゃ痛いし、とにかく私の勇姿を見てほしかった。

採卵当日の朝はめちゃくちゃ早い。
7時50分に病院に着いていないと、そもそも施術を受けられない。

しかし夫は普段の生活リズムを崩すことなく深夜まで遊んでおり(夫は神絵師です)、早起きがしんどい上に精子まで出さなきゃならない状況だったためか、私との約束を忘れ、病院まで送ったあとそのまま帰ろうとしたという小さな事件が勃発。

「いや付き添ってくれるって話だったよね?!亅
「ごめんごめん朝早くて意識なかった!亅

みたいな会話の後、病院入り、体温と血圧を測り、着替、説明の後、いざ採卵!

現場は朝から活気で溢れていた。
看護師さんが「麻酔入りまーす!」と言うと、主治医が「はいオッケー!」みたいな返事をする。
その掛け合いがすごい。
さすがプロ。
二人の会話に付け入る隙はない。
専門用語すぎて他はよく覚えてないけどだいたいノリはこんなかんじ。

ここは魚市場?だとしたら私はセリにかけられるマグロのポジション?

みたいなことを、麻酔でボーッとする頭で考えてたら

「はい今から少し喉が乾きますからねー!はいじゃあ先生お願いしまーす!亅

ってもう始まった。

痛かったかどうか聞きたいと思うので一応書いておくが、割と痛かった。
予想通り痛かった。
全米は泣かないかもだけど、私は泣いた。(そして夫も泣いてほしい)

夫曰く、採卵後の私は割と満身創痍だったらしい。ここで耳寄り情報。
妻からの評価をあげたい夫はここでスマートにポカリを差し出すと吉。

で、こんな大変な思いをして得られた卵は14個。
ここからいくつ受精卵になるのかは神のみぞ知る世界らしい。

私が言いたいのは、産婦人科って意外と体育会系だから陰キャはビビらないでねってこと。


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