夢溢れる海賊の赤5p切りリーチ
僕はワンピースという海賊モノの漫画及びアニメをあんまり見て育ってないのだがウソップというキャラだけは印象に残っている。
というのも、小学生時代に一個上の先輩に1対1でほとんどイジメに近いような関係を2年ほど続けたことがある。
彼は(当時はそんな言葉知らなかったが)所謂サディストで、暴力的で何かあるたびに体のあちこちをつねられるような日常。
あちらは僕を友達だと認識していたが、お気に入りのポケモン(確かルカリオとかミュウツー)をクソザコポケモンと交換させられたり、レックウザを捕まえる機会を強制的に潰されたりと明らかに僕の嫌がることをして喜んでいた。
そんな彼の1番の趣味は「デュエマ 」と「ワンピース」でそのため、それらについての基礎知識はつけておかないとまた体をつねられてしまうという有様だった。
今となってはワンピースのキャラなんてほとんど覚えていないが“ウソップ”というキャラだけは鮮明に覚えている。
彼は、いわゆるどうしようもないキャラで、男女含めて海賊団で1番立場が弱く、特別な能力も持たず、武器はなんと「パチンコ」。しかし、人一倍大きな野望を持ち、いざというときには主人公、そして海賊団を救うような思い切った行動力がある。
今思えば当時の自分の状況に彼を重ね合わせていたのかもしれない。自分はきっとどこかに秀でていて、いつかこのクソサディストも見下すことができる、と。
さて、今日のMリーグではそんなウソップ顔負けの好奇心旺盛な海賊の一打が注目の的となった。
満貫確定リーチから1ハン下げてまで赤を切ってのリーチだ。
これで筒子周りは持ってないヨと主張することにより4pが出やすくなるというのだ。
当然これはそんな単純な話ではない。
23赤5からの5かもしれないし、まさかの四暗刻聴牌からの赤5かもしれない。
まあ彼ならここから4p切りリーチもしかねなさそうだがw
それで、じゃあ赤5p切りリーチはダメだよね、はいうまぶり〜と言いたい訳ではない。
例えば赤5p切りリーチの後に1pを持ってきたら?
上の四暗刻聴牌以外当たるケースはほぼない。つまり実質的に14p待ちのリーチと考えることも見方によってはできちゃうわけである。
しかし、僕はそれよりもやっぱりこういうリーチは“Mリーグ”という舞台において、あっても良いんじゃないかなと思う。
よく、「麻雀プロの打牌を叩いていいのか」という議論をTwitterでよく見る。僕はこれにおいて一つ自分の答えを持っている。
それは、「『瞬間的なミス』は叩かれるべきだけど、『戦略的なミス』にはもっと寛容であっても良いんじゃないか」ということである。
『瞬間的なミス』とは主に平面の、牌理や条件のミスであって、何十年も麻雀をやっていてそれでゴハンを食べていて、さらに集中した何万人もが見ている中で単純なミスをする、というのはとても甘いと感じる。
一方で、Mリーグでは一般的な赤麻雀とはかけ離れた戦術を見ることが多々ある。
それは「配牌オリ」であったり、「ブラフ」であったりする。今回のリーチもこれらに属する。
これらに対して局収支を用いて損だよね、って言うことは悪いことではない。しかし、執拗に「うまぶり〜」「下手〜」と煽り続けるのもいかがなものかなと思う。
話は少し逸れるが、世の中には麻雀なんて“実力介入ゼロのただの運のゲーム”と思っている人がたくさんいる。もちろん月に一回もネット麻雀すら打たないMリーグの視聴者の6割の中にも少なからずそんな人はいるだろう。
そんな人たちに向けて、「チーム戦」という今までになかったコンテンツを生かして「知的ゲーム」としての麻雀の一面を見せていくことは必要不可欠なのではないかと思う。そのためにはある程度チームカラーがあって然るべきだし、同様に少し極端な自己アピールもあっていいと思うわけである。
特に、Mリーグというトップがデカイのに順位が下のチームから2チームずつ脱落していくという特殊ルールにおいては果たしてトップを目指し続けるのが良いのか、ラス回避に特化して打つのかどちらが良いかなんてあまり分からない。
そういうわけで、こんな事があるたびに「うまぶり」と言い続けるのもそりゃあ「天鳳民は〜」って言われても何も言い返せないよなぁって思う今日この頃。
と、ここまで書いている間に我らが風林火山がいつのまにかトップになっていた。おめでとうタッキー、というわけで今日はこの辺にしておきたいと思う。
普段はこんな話とか愚痴とか色々言いながら麻雀を打つYouTubeチャンネルをやっているのでそちらもぜひ登録していただけるとありがたい。