昇華

しょう-か
【昇華】
物事がより高尚な状態に高められること。また、高めること。

雨の日にきみが傘をさしてくれた。駅まで着くと、きみの肩はびしょ濡れだった。わたしは髪の毛が湿気でくせっ毛になって、嫌だなあとつぶやいた。
悲しいことがあった日、きみは助けにきてくれた。わたしはずっと泣いていたけれど、きみだけは味方でいてくれると誓った。わたしは怖くてずっと震えていた。
お母さんがこっそりと教えてくれた秘密の話。無償の愛はないのだけれど、恋を昇華させた純粋な愛は存在する。わたしはいつまで経っても不貞腐れた子どものような恋を持ち続けている。玄関のベルは壊れていて、少し変な音がする。わたしの部屋はいつでも少しだけ散らかっていて、エアコンは壊れているのでいつでも少しだけ寒い。部屋温度が低いことを言い訳にして、わたしはきみへの気持ちを昇華させられないでいて、いつまでも薄っぺらい言葉で、単調な色できみを描くけれどいつも何かが足りない。何が足りないかを気づいてしまった時、この恋が終わってしまうような気がして少しだけ怖い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?