chris

霜の匂いと白い息が庭の木を弱らせる
伸びた細い枝の先まで雪をまとう

金の糸みたいに紡がれるあなたの言葉が好き
友を慈しんで微笑むあなたの桃色の唇が好き
指先の震えと透き通る肌のなめらかさが好き

あなたは何も悪くないわたしだけの秘密話
冬の夜空みたいな歌声でわたしの名前を縁取ってくれたらと密かに願う

暖かい場所で眠ってくれたら幸せ
蝋燭に隠した気持ちが蜜のように溶けていく
炎の向こうにあなたが柔らかくゆらめく

知性と勇気にあふれたあなたの物語が好き
春の雨のように愛を注ぐあなたの眼差しが好き  

あなたが瞼に浮かぶ時間だけ息が続く
あなたを王様に迎えたわたしの小さな国
あなたが死んだあと花束を贈るような恋

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