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中国語で話すための勉強法

中検の記事を書いたら思ったより多くの人が見てくれた(ような気がした)ので、まだまだ素人に毛が生えたくらいの駆け出しですが僕なりの勉強の仕方を書いていきます。

現時点での僕の会話力

どこの誰かも知らない人が中国語の話し方を書いても少しも説得力がないと思うので、少しだけ話すことにまつわる自分の話を書きます。

実績から言うと、2019年に北京大学に留学している時、留学生のスピーチコンテスト上級の部で3位に選ばれました。2022年には中検準一級の面接にも合格しました。

感覚的な話だと、中国人と二人で出かけてもとても楽しく数時間話続けることができます。また、数時間友達と電話したり、ミーティングに参加したりもできます。

中国語を10年とか20年とかやっている人からすれば本当に素人みたいなレベルだと思いますが、学習歴5年弱の大学生が到達するレベルとしては十分だと思うので、どなたかの学習の参考になれば幸いです。

中国語で「話す力」とはすなわち…

漠然と「話せるようになりたい」と思っても、なかなかその状態にはなれません。初心者には抽象的で努力しづらい目標である一方、ある程度話せる中上級者にはどんどんハードルが高くなる目標でもあります。

そのため端的にここで言う「話す力」とは、以下の能力が備わっていることを指します。

  1. 相手の話に対して瞬時に返事が思いつき

  2. それを中国語で口にできる

相手が何を言っているのかを聞き取って、自分が自分の意見を言えれば、それはもう「話せている」状態です。

問題となるのは、相手が話すトピックについてきちんと知っているか、そしてその返事を事前に用意できているか、です。まずは基本的なトピックを投げかけられた時に瞬時に対応できるようになることが重要です。これに慣れると、話したことないトピックを振られてもある程度対応できるようになります。

相手の話に瞬時に返事を考える練習

SNSでのチャットが基礎

まず、話す練習=声を出す、と言う考えを抜け出して欲しいです。僕が最も重要だと思うのは、例えば微信のようなSNSで相手からメッセージが来たときに瞬時に返事が書けるようになることです。

メッセージに返信する行為を分解すると以下のようになります。

  1. 相手のメッセージを理解する

  2. 自分の返事を考える

  3. 考えた内容を中国語にする

  4. 中国語をタイプして送信する

これは、全く音のない会話と言ってもいいでしょう。1、3、4は会話に関係なく純粋な中国語力です。なので会話特有のものは2の「自分の返事を考える」で、これができれば話す基礎が身に付きます。

話す上での事前準備

いきなりネイティブ相手に話を振っていくのは大変ですし、こっちも聞き取る準備ができませんので、まずは自分が話せるトピックについて簡単に整理する必要があります。

例えば誰しも共通してあげられるのが、なぜ中国語を勉強したのかと、地元の紹介です。大体聞かれることや反応は決まっているので、日本語で会話を想像してみてください。大学生はこれに加え、自分の専門、大学の紹介も考えると便利です。

僕の場合だといつもこんな会話になります。

僕「漢字の発音に興味を持ったので中国語の勉強を始めました。」
ネ「どうして漢字の発音に興味を持ったの?」
僕「韓国語と日本語の漢字の発音が似ていて、中国語はどうだろうと考えたからです。」
ネ「君は韓国語もできるの?」
僕「いや、ちょっとしかできません。中国語の方がまだ上手です。」
ネ「僕は英語すらままならないよ、、ハハハ」

こんなふうに妄想会話で自分の言ったことをある程度記憶して、次は具体的にどうやってこの準備が生かされるか見ていきましょう。

具体的な練習方法

一人の人とずっと話していても、中国語はそれほど上達しません。最初に一人と事前に準備したトピックについて話し、文法などの訂正を受けましょう。完全に訂正されなくても、通じていればokです。

そうしたら、今度は別のネイティブを複数人見つけます。理想を言えば3人です。彼らに対し、「全く同じ話」を「同時に」進めていきましょう。

そうすると、一度話したことのある内容なので比較的速く返事が思いつきます。また、一度訂正を受けた文章をそのまま使うこともできますし、ネイティブが使った表現を自分が別のネイティブに対してすぐその場で使うこともできます。

中国人はSNSの返信が非常に速いことが多く、一回会話が始まるとサクサク話が進みます。3人もいれば常に誰かがメッセージを送ってきている場合が多く、こっちもそれに応じて即座に返信を考えるのでとてもいい訓練になります。

実際の会話は1秒以内に中国語が口から出ていないといけませんから、これでもまだ余裕がある方です。口から中国語が出てこないうちはこのスピードもきつく感じるでしょうから、まずはそれに慣れましょう!慣れれば、今度はタイプする代わりに口から中国語を出せれば「話せる」ようになりますね!

思いついた中国語を口に出す練習

通じればいいと割り切る

自分がまだまだ初級レベルだという自覚があるうちは、無闇に完璧を目指さず相手に自分の言葉が通じるかどうかだけに注目しましょう。

日本語を練習している明らかに初級の外国人が「日本語が難しいの単語多いです」と言った場合、意味はわかります。ほんの少し直して「日本語は難しい単語が多いです」と直すことはあっても、「日本語って覚えにくい語彙がたくさんありますよね」とは直しませんよね。

初級のうちで完璧さにこだわると、下手くそのくせにやけにこなれた表現ばかり身につけることになります。カタコトな発音でネイティブみたいな語彙を使われても不自然ですし上手には聞こえないでしょうから、自分のレベルにあった表現を目指すくらいにとどめましょう。

通話にチャレンジする

人によってはとても難しいことは承知の上ですが、通話は最強の練習になるのでぜひやってみて欲しいです。

下手でも何も通じなくても大丈夫です。チャットで何回も繰り返したトピックについて、ゆっくり話してみましょう。1回15分だとか、特定の話が終わったら切ってもいいので、とにかく話すことに抵抗をなくすことが重要です。

日本語を勉強している中国人の中には、やけに電話をしたがる人が大勢います。しょっちゅう電話しませんかと聞かれるくらいなので、自分が勇気を出せば必ずできます!

通話をするときはチャットも同時に動かしてください。聞き取れないこともあるので、相手の話したことは書き出してもらうようにしましょう。逆に、自分の言っていることが通じない場合はチャットに書き込んで、正しい発音を教えてもらいます。チャットの延長で実際に話すことで、話すハードルもだいぶ低くなります!

語音の活用もあり!

通話はちょっとな、と思う方は、中国語圏でよく使う語音を活用するのもありだと思います。語音とは音声を録音して送信するチャットの機能です。微信では相手が送ってきた音声を文字起こししてくれるサービスもあるので、聞き取れなくても安心です。

ただ、僕が重要視している「返事を瞬時に考える」という練習にはあまりなりません。ゆっくりじっくり聴くことは実際にできないため、一番は通話しながらわからない箇所はすぐわからないと口に出すほうがいいでしょう。

おすすめのSNS

最後に、僕が活用しているSNSを紹介します!

「そんなにたくさん話し相手見つけられないよ〜」と思っている方。中国人は14億人もいるんですから、ちょっとがんばれば数人くらいあっという間に見つかるので、安心してください。

一番ハードルが低く、確実に相手が見つかるのがお馴染みのhellotalkです。

hellotalkでは、まず1つ頑張って投稿を書きましょう。そうしたらそれに対して訂正コメントが入り、DMもたくさん来るので、早速会話を始めましょう。相手がどんな人かきちんと見たい場合は自分からDMを送るのがおすすめです。

特に女性の場合、変態男性からの変態メッセージが非常に多く送られてくるという話があります。そのため女性は何らかの形で男性に扮して使うか、女性の方に直接自分からメッセージを送ることをおすすめします!本当に不愉快な輩が多いそうです!

次におすすめなのが、weiboです。日本に留学している人や日本語を学んでいる人を探し(慣れてきたらほぼ誰でもいい)、適当にコメントやDMを送ったら案外ちゃんと返事をくれます。全く面識がなくても何故か会話を続けてくれるところは、中国人と日本人の大きな違いかもしれません。

(時々日本語がスーパーうまい日本語学科生がいるので、そう言う人を見つけたらどうやって勉強しているのか質問攻めにしましょう!)

数ヶ月間会話していると、自然と会ってみたくもなります。実際僕はweiboを通じて何人かの中国人と実際に会い、ご飯を食べたりレポートの添削を手伝ったりしました!

余談

留学中の話

実は、今話したこれらの方法は、僕が北京に留学していたときに実践し始めたものです。案外交換留学生って現地の学生と接点がなく、5ヶ月の留学のうち最初の2ヶ月は友達がほぼできませんでした。

そこで、紹介したもの以外にも色々とSNSを活用して非常に多くのネット上の友達を作り、毎日3人以上のネイティブと同時に同じ話を続けていました。

すると面白いことに、実際に話す時もかなりすらすらと中国語が出てくるようになったのです。しゃべりたいからと言っていきなり会話をするのではなく、まずはチャットで中国人の即レスに対応するスキルを身につける練習が先だったとこの経験から思いました。

この方法の限界

この方法の限界は、微信で気軽に話せるネタより高度な話がしたい人には向いていない点です。

学術的な議論やニュースで扱うような話は相手の知識レベルによって返信の内容もだいぶ変わるので、同じ話を振っても同じ返事ができませんし、何より会話が弾みません。

そのため、この方法で日常的な会話がある程度スムーズにできるようになったら、本当に仲のいい友人を一人見つけて、その人相手に難しい話をたくさんする方がいいかと思います。僕はまだそこまでの友人は見つけられていません。。

それでは、長くなりましたが、深夜の自分語りは以上で終わります。誰かの役に立てれば幸いです!お読みいただきありがとうございました。

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