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図解 新人の「質問型営業」青木毅氏

図解 新人の「質問型営業」青木毅氏

■磯野の感想

まず、私が現役の営業の時に読みたかった!というのが率直な感想です、素晴らしい著書でした

本書はタイトルにある通り説明と図解とで分かりやすく、文字数も大切なポイントに絞り少ないので非常に読みやすいです

右ページにはトークスクリプトが描かれているので、すぐにロープレをすることもできます
ベースは法人営業ですが、個人客への切り替えも用意でできですので、応用がききます

営業の仕事というと「説明からの売込み」のようなイメージですが、本書では「質問」によって相手の心を開き、課題を一緒に考え、解決するための結果として「契約」があるといいます

この型をスタッフに応用しながら指導したいと思います

■第一章 営業の仕事とお客様の心理

思っていることを知り、考えを明確にする
お客様に「買う」という行動を起こしてもらうためには、お客様の「感じること」「思うこと」を強めて、「考え」を明確にすることです

お客様の思いを強め、考えを明確にするためには「質問」を使うのです

「なぜ?」「たとえば?」「ということは?」の簡単な質問でいいのです

お客様が自ら話すことで、意識し、自覚する
なぜ質問が効果的なのか?
お客様は自分の気持ちを話し、「自分はこう思っていたのか」と自身の気持ちを自覚し、再確認する

お客様の欲求を知ることからはじまる
大事なことは、お客様の欲求やニーズがわからないまま、やみくもに説明に入らないことです
商品の説明をする前に、お客様のことを知るのが先です

質問型営業の流れ
お客様に自ら買ってもらう状況を作るために、アポイント→アプローチ→プレゼン→クロージング→アフターフォローの各段階で進める
お客様は「感じる、思う」→「考える」→「行動する」と進み、自ら購入する

■第二章 質問型営業のアプローチ

アプローチによって営業は決まる
アプローチは2段階に分かれる
第一段階:目的を伝えて警戒心を解き、信頼関係を作り、本音で話してもらう状況にする
第二段階:本音で話してもらい、真の欲求、ニーズを引き出す

目的を伝える
挨拶をしにきたこと、こちらの商品などが役に立つこと、採用は自由であること、を落ち着いて伝える

お客様自身のことを質問する
挨拶が終わったら「ところで」と一度話を逸らす感じで、話題を変えて、お客様自身のことを質問する
名前の由来、読み方、出身地、出身地の名産、出身地の名所、出身地の名物など

お客様のご家族のことを質問する
純粋にお客様のことを知りたいという興味で聞く
ご家族は何人ですか?、お子様はおいくつですか?

大事にしていることを質問する
お客様の生きた方や考え方、そして、その延長上にある未来を質問する
ご家族に何をしてあげたいですか?、将来はどのようにしたいとお思いですか?

なぜ個人的なことを質問するのか?
お客様のお役に立ちたいという純粋な動機を、あなたの中で湧き上がらせるためです
その純粋な動機を持ってお客様に接することが鍵になる

「たとえば?」「なぜ?」で話を明確にする
あまりしつこくしたらうっとうしがられるのでは?嫌がられるのでは?と思いがちですが、心配無用です
あくまでもお客様に興味を持って質問をしていれば問題はない

お客様の反応が薄い場合には
質問してもお客様が答えてくれない
⑴あなたの表現下手
→大袈裟なくらい声と表情に出す
⑵あなたの意識が次の質問に移ってる
→ゆっくりと深く共感することで自然と次の質問が浮かんでくる

お客様の反応をよくする「褒める」「共通項」
お客様の返答に共感すると共に褒めること
「素晴らしいですね」「さすがですね」
他にも「共通項」を見つけることで急に親しみを持ってもらえる

トークスクリプトをつくる
誰でも同じように出来るようにお客様の返答を引き出すような質問形式の台本をつくる

■第三章 質問型営業のアプローチ

続く第二段階は「現在」に焦点をあてる
「そういう中で、現在はどのような状況なのでしょうか?」

2度、現在に焦点をあてる
最初は大きな枠での現在の質問をし、次にカテゴリーまで絞った質問をする
「そういう中で、現在は住まいについて、どのようにお考えですか?」

欲求を聞く
現在が聞けたら、次は「欲求」です
「では、そういう中で、今後はどのようにしていきたいとお思いですか?」と欲求について質問する

解決への取り組みを聞く
お客様の欲求を聞けば、つい提案したくなりますが、その前にさらに質問をします
それが解決への取り組みを聞く質問です
「それに対して何か取り組まれましたか?」
この質問により、欲求のレベルが見極められる

欲求を再確認する
改めてお客様に自分の気持ちを再確認していただく質問です
本人が本当に何とかしたいと思っているのか?
そう思っているなら本当にその方法を探しているのか?
実現への欲求」「解決策への欲求
→この2つの欲求さえ確認できたら、後は提案のみ

提案前のプレゼンにつなげる一言
お客様はあなたの質問によって考え、解決したいという欲求が高まっている
営業はどの部分でお役に立てるかがはっきりと分かっている
「私どもがそのことを解決できると思いますよ、具体的に話をお聞きになりませんか?」
→「では、お願いします」と言っていただく

■第四章 反論と逃げ口上への対処法

反論と逃げ口上のパターンは3つだけ
反論はお客様からの反対意見で、逃げ口上はその場を逃げる為の言い訳です

反論と逃げ口上は基本的に3つのパターンしかない
「時間」「お金」「利益」です
時間:時間がない、忙しい、また今度
お金:お金がない、投資する余裕がない、他に使った
利益:今は必要ない、良いものか分からない、他社と取引がある

あなたの話も聞かずにこうした言い訳をする理由は、あなたの営業としてのお役立ちの気持ちと、お客様の営業マンに対するイメージのギャップです

反論と逃げ口上を言われたら?
まず誤解があることをしっかり理解する
あなたはお客様の言葉を受け入れ、共感することからスタートします
「色々としなければならないことがありますよね」
「色々と必要なお金がありますよね」

お客様の反論と逃げ口上は、ある意味で『私の状況を察してよ』という気持ちです

共感のあとは質問とねぎらいで状況を聞く
反論と逃げ口上には理由があります
そこで質問です
「たとえば、それはどのような状況ですか?」
状況を理解したあなたは共感を示します
「なるほど、そういうことなんですね」
そのあとでねぎらいます
「そういう中でもがんばってこられたのですね」
さらに質問、共感、ねぎらい、を繰り返します

3回目ではじめて提案する
ここまでくるとお客様の営業に対するイメージが変わってきていますので、この時に
実はそういう方にこそ、私どもはお役に立つものだと思っているのです、と言いますのは…」
お客様はあなたに好感を持ち、聞く耳を持ってくれるようになります

◯なぜ反論や逃げ口上を切り返せないのか?
多くの営業はあたふたしてしまいます
しかし、反論と逃げ口上への対処法をしることで、これがなくなります

反論と逃げ口上に対する言葉をシステム化・パターン化すれば問題がなくなります
どのような反論や逃げ口上にも、自信を持って堂々と対応できたかが大切です

■第五章 質問型営業のプレゼンテーション

◯プレゼン冒頭で動機を聞く
プレゼンに入る段階で、さらに前のめりの状態にするダメ押しの質問があります
なぜ、話を聞こうと思ったのですか?
これに対してお客様はこういいます
「あなたが聞いてみませんか?と言ったから」

ここでの切り返しは、柔らかく、優しく、謙虚に、もう一つ質問をします
「たしかに私がそのように言いましたが、本当に必要で無ければ聞こうと思われなかったはずです。その理由は何かあるのですか?」

この質問は営業をコンサルタントへと変える魔法の質問です

お客様の口から現状、欲求を話してもらい、自覚を促す

ここでアプローチで質問した内容について、再度質問をします。あなたの方で要約しながら質問をします
お客様が自分で再度話すことで、現状、欲求を思い出し、認識をさらに強めてもらうことで、お客様の課題を深掘りしていきます

感動するプレゼンのコツ
プレゼンにおける感動とは、お客様が感じて、動くことです
お客様にとって重要なのは、欲求を叶える方法今抱えている課題を解決する方法なのです

さらに感動をアップするには、「リズム」と「テンポ」に気をつけること
リズムとは話の中に緩急を付ける
テンポとは話のスピードです

■第六章 質問型営業のクロージング

テストクロージングで判断する
クロージングの前に必要なのがテストクロージング(略してテスクロ)です
お客様が契約に入るか気持ちがあるかどうか、その気持ちをテストするのです

クロージングはお客様の「感じる、思う」→「考える」→「行動する」という段階を進めていく

感じる、思う段階:「プレゼンを聞いてどのように感じたか?」
さらに
「どこがよかったか?」「具体的にどんな点か?」を質問していく

内容が分かったら、「それはあなたにとって役立ちそうですか?」と質問する

曖昧な返事が返ってきたら、
何か、引っかかるところがありましたか?」と堂々と遠慮なく質問する
お客様からの返答を聞きながら、お客様自身で解決策を見出してもらう質問をしていく
最終的に「ということは?」とお客様自身にまとめてもらうのです

「考える」段階に入ればクロージング
「感じる、思う」段階の感想が良ければ、次は「考える」段階に入ります
お客様の考えも前向きになっているので、少し柔らかく「ということは、このお話を進めていこうというお考えですか?」と謙虚(いつもの半分くらいの小さな声で)にクロージングする

クロージングでの注意点
「では具体的に進めていきますね」とクロージングに入る
お客様の専門アドバイザーとして「よかった、きっとこれでお客様に私どもの商品、サービスを役立ててもらえます」とお客様のことを喜ぶことです

だからこそ、その商品やサービスの契約内容・支払い・納品・活用法・フォローアップまで十分説明する必要があります

特に高額商品ほどクロージングには十分な時間をかけること
お客様に安心して、ご納得をいただくまで説明をする
お客様より「では採用しましょう」と言っていただくことがベストです

クロージング時の反論・逃げ口上への対処法
最終段階でお客様から出てくるのが「考える」「相談する」という逃げ口上です
「考える」は自分で判断がつかないとき、引き伸ばすために言う言葉です
そこであなたはその言葉に共感したうえで優しく質問をします
「ありがとうございます、ということは前向きに考えていこうということですね。そのように言って頂けるのはすごくうれしいです。ところで、あとどのようなところをお考えですか?

するとお金の問題や、本当に活用できるかなどの本当の問題が返ってくる
そこで「お客様は自身はどうしたいのか?」を聞くことです
そして一緒に考えて差し上げ、最後はお客様自身に判断を任せることです

「相談する」は自分以外に判断をゆだねたい場合です
「ありがとうございます。ということは前向きにかんがえていこうということですね。そのように言っていただけるととても嬉しいです。
ところで、あと、どなたに相談をされるのでしょうか?」
会社であれば上司、担当者、家庭であれば妻、夫です

相談する相手を答えてもらったうえで、しっかり共感します
お客様自身はどのようにしたいのでしょうか?
本人の意思を確認したうえで、相談相手との関係を聞き、その方が今回の話に賛成してくれそうなのかを確認します
そして、その方から了解を得るためにはどうしたら良いかをお客様と話し合うのです

なかなか最終判断してもらえないときの一言
とにかくあまり意見を言ってくれず、お客様がどうしたいのか分からない場合があります
その場合はストレートに「どちらでも結構ですので、本音のところはどう思っておられるのですか?」とこちらから切り出します
この「本音」という言葉には、人が反応しやすく、心に思ってることを打ち明けさせる力があります

この言葉によりお客差より「実は・・・」と本音を話し始め、一気に解決した事例が数多くあります

それでも決められないお客様への対処法
テスクロ、クロージングの段階を経ても、逃げ口上への対処をしても決められないお客様には、どうすればいいか?
この場合は仕切り直しが必要です
「これまでお話をしましたが、まだ判断がつかないようなのですね。こういう場合は一度、冷静に考える時間を取ってください。~。次回改めてご感想をお聞かせください。採用するか、しないかは関係ありませんので。」

最後までお客様のアドバイザーとしてふるまい続けることです

■第七章 既存客のフォローアップ

ここからはQ&Aとなります
すごく参考になるので、書店でお求めください

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