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理系読書/犬塚壮志

理系読書/犬塚壮志
読書効率を最大化する超合理化サイクル

▼かつおの読書
ボクは文系なので「読書は読み尽くす」という読み方でしたが、理系読書ではその時に必要な“情報抽出”を目的としています。
全てを読む時間を短縮する『速読』スキルを上げるよりも、必要な情報をまずは探し、目的となる情報を見つけたら本を閉じるという読み方で、約15分の読書です。
「なるほど!」とすごく納得しました。
なんとなく買った本は元を取るために読み尽くすことが目的となりがちですが、この読み方は、読む目的を明確化した読み方なので、目的達成したら終わりという非常にシンプルでありながら、合理的な読書法でした。

ボクの場合は基本は今までの読み方と変わらず“深読”がベースですが、プレゼン用の資料作成時や、定例的に読み直す読書に有効だと思いますので、早速取り入れたいと思います、

はじめに

本書が提供するのは、文系が知らない「理系の読み方」です。理系の人間は、問題を発見し、仮説を立てて検証実験するという一連の学習サイクルを習得しています
このサイクルを読書に当てはめた「超合理化サイクル」で読書効率を最大化して、効果的に本を読んでいく

読書は自分の問題解決のためにするもの。一冊丸ごと読むことが目的ではない。「全部読むよりも、本の内容をいかに実践するかが大事」

□理解読書で得られる5つの力
1.問題発見力:自分には何が出来ないのか
2.抽象化力:ノウハウを数学の公式のように抽象化して覚える能力
3.仮説思考力:見つけた問題に対してどんな解決策があるのか、仮説を立てる能力
4.行動デザイン力:問題発見、仮説、検証実験、評価といった読書のプロセス全体を設計する力
5.評価重視力:実験した内容を適切に評価する力

序章

なぜ理系の学生の多くは難解な本を読めるようになるのか?
おそらく「本を読むことが問題解決につながる喜び」を日々、実感できているから

一冊の本を隅々までじっくり読み、一冊の内容だけで解決策を無理やり導き出そうとすると、非効率となる
多彩なジャンルの本を読む

問題解決をするための読書
読んでいる途中でも、解決策に辿り着ける情報を抽出出来たなら、それで本の役目は終了です
□具体的な読み方
・目次や前書きから必要な箇所を抽出
・読んで問題解決に繋がる方法を発見
・抽出した情報を生かしてすぐに問題解決に取り組む

全部読み切らなければというマインドセットを意識的に捨てる
読んですぐに実行に移したほうが大きなリターンを早い段階で得られる
全部読まないことで読書にかける時間を短縮できる
→つまり、速読法を身につけなくても、早く読むことはできる

重要なのは問題解決というリターンを得ることです
1.準備する=読む→本の中から問題解決に必要な素材を集めて、どんな実験を行うか計画を立てる
2.実験する=やってみる→集めた素材を使い、立てた計画に基づいて、現実世界で問題解決を試みる
3.評価する=確かめる→試してみたことがうまくいったのか、いかなかったのか、検証する

このステップを回していく「超合理化サイクル」により、読書の効果を最大化させる

読書効果=得られる効果÷投じたコスト
1.分子を大きくする(得られる効果)
2.分母を小さくする(投じたコスト)

一冊の本から得られる情報の質を高める。これは量をこなすことで高まります。なかでも質の高い情報といえるのが「再現性と凡庸性の高い情報」です

◾️第1章 読書の効果が劇的に高まる3つのこと

読書の効果を最大限に高める3つの要素
1.問題意識の明確化
2.問題解決した後の理想像の設定
◯どんな状態になりたいか?→読書の効果は、問題解決した後の理想像の設定で9割決まる
・本の情報を高い精度で抽出できる
・読んだ内容の理解が超深まる
◯どんな評価を得たいか?→ビジネスシーンにおいての問題解決は周囲の人からのどう評価されるかが重要
・どんな評価を得たいか、どんな状態が評価されているか、をまず明確にして、そのイメージから逆算して、本から抽出する情報の絞込み、実行する内容を決める合理的な読書術
→「逆算思考」

3.本から抽出した情報の活用

□情報は絞るが勝ち
本の9割は捨てる覚悟でいい
最初から最後まで読む必要はない
記憶は「短期記憶」と「長期記憶」に分類される→忘れてしまうのは、長期記憶として保存されていない
「精緻化リハーサル」
短期記憶を他の情報と関連付けながら、構造を理解しながら、反復すること

◾️第2章 読解力を高めて、読書をモノにする理系読書

□読むの4つのパート
ステップ1】文脈を理解する
ぶんみを理解するコツは“メタデータ”と呼ばれる本の内容のこと(タイトル、サブタイトル、帯コピー、発刊年月日、著者プロフィール、目次)
→メタデータをチェックし、ある程度の背景や内容のイメージを得てから読む
著者の経歴から所属組織、専門分野、視覚などから、語る資格があるのか判断する
「壁にぶつかって、それをなんとか克服した」経験がある著者の本には、その具体的な方法が書かれている確率が高い
目次は本の「システム」であり、体系と言い換えられる

ステップ2】本の旨味を抽出する
本の情報を粗めのふるいにかけて、読むべき箇所に目星を付ける作業をスクリーニングといいます
・予測しながら読む
・これまで自分になかった内容に絞る
スクリーニングで優先する2点
・要約
最初に要約を読むことが、これから読む章の文脈への理解を大幅に高めてくれます
要約がない場合は「つまり」「要するに」という接続詞に注目
・図表
そのデータが希少なものなのか

ステップ3】著者の解釈を鵜呑みにしない
理系は常に情報に対して事実か、科学的根拠があるわ、ロジックに誤りがないかなどに目を向ける習慣があります

ステップ4】活用したい情報から仮説を立てる
“自分の知識や経験”と“本の内容”を組み合わせる
アイデアは“あなたの知識”ד新発見の本の情報”で生まれくる 

◾️第3章 知識とスキルがたちまち3倍にアップする読書の検証

“やってみる”は本から抽出した情報を、実戦・経験してみることで、より深く理解し、自分に浸透させること
さらに自分に合うようにアレンジする

◯落ち込むより先に失敗を分析する
やってみないことには何もわからない
失敗すれば何かが明らかになる
小さな失敗から成功への道筋を探りたい
という意識を強くする

失敗したら軌道修正ができる
小さな失敗をできるだけ早く経験することが、大きな成果を出す最短の道につながる

◯読書とやってみるの比率
読む:やってみる=1:5
読むことにかかった時間の5倍くらいの時間は、やってみるに使う

繰り返し読むのではなくて、1回だけ読んで必要な箇所を抽出し、繰り返し“やってみる”

◾️第4章 わかっただけではなく、きちんとできているか?

第3章の“やってみる”をした結果どうなったのか?問題解決に至ったのかどうかを評価します
自己評価を終えるまでは類書を読まない、なぜなら問題解決できていないということは、問題意識はそのままということだから
『読んだ本が自分には難しかったから、同ジャンルでもう少しレベルを下げた本を読もう』は、立派な実験結果の考察であり、確実に前進している証拠です

◯行動と成果をセットで考える
読書により自分の行動がどう変わったのか?それによりどんは成果が出たのか?
理系読書の評価のステップでは、自己評価を中心にしつつも、時には他社評価も織り交ぜて行うことがポイント

▼自己評価=リフレクション(内省)
客観的に振り返りながら評価する
・モニタリング(考察)
自分の言動を記録し、観察する
・ポートフォリオ
日々の小さな結果の蓄積を、一連のプロセスで評価すること
▼他社評価
・アンケート
・インタビュー
・効果測定

◯読書メンテナンス
①ジャンルまとめ読み
読了した本を一定期間で、何らかのジャンルを決めて本を読む
②著者まとめ読み
同じ著者の本をまとめて読む

→過去の自分と今の自分で、問題意識が異なっていることを発見できる
良書は読むたびに新しい気づきや視点を与えてくれる

読む、やってみる、確かめる、の超合理化サイクルのうち、“確かめる”を行うまでは本は買わないと自分に課してみる
新しい本は1サイクルを終えたご褒美にする

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