バロックとかいう最高峰の芸術期
今回は、その5人の時代を経て、始まるバロック時代について分かりやすく説明させていただきます。
まずは、バロック期の美術を説明するにあたり、言葉ではなく、実際の絵で説明した方が早いと思いますので以下をご覧ください。
また、その際に、ぜひ思いつく限り、「違い」を挙げてみてください。
いかがでしょうか?
違いを挙げられましたか?
分かりやすく言えば、違いは大きく二つあります。
① 明るさが均一なものから、光と影のコントラストを使うようになった。
② 静的な絵画から動的なものになった。
この二点が挙げられます。
彼女と美術館に行って、この二つが特に顕著だった場合、
「う~ん。これはバロック期の美術だなあ。うまくコントラストを使い、劇的にストーリーを描いている。まるで映画を見ているかのようだ。えへん。」なんて言えるでしょう。
ぜひ、イキがってみてください。
さあ、そんなバロック期の代表的な画家はたくさんいますが、本日は、絶対に見ておいた方がいい感動するバロック期の作品を2つ厳選しました。
(1) 『ラス・メニーナス』(ディエゴベラスケス作)
ベラスケスは1632年、24歳の若さで宮廷役人として最高の地位である王宮配室長にまで登りつめた超エリートです。
バロック期の作品の特徴である、光と影のコントラストを上手く使い、
幼いマルガリータ王女を主役として、その周りの女官、侍女、目付役、2人の小人、1匹の犬が描かれています。さて、犬を抜かして、全部で11人描かれていることに気付きましたか?
そして、どこにでもありそうなこの絵のどこがすごいのか?
●キアロスクーロ(陰影法)と遠近法を用いた表現
後の印象派の技法を200年も前に先取りしていたと言われているほどの才能。
天井に高さを出すことに加えて、右奥側のどちらの奥に男性を絶たせることにより、休廷の広さを思う存分表現して取れます。
その軽妙なタッチで動きの一瞬をとらえた人物像は、正に今ここに実在するかのような存在感を与え、こうした技法は後のロマン主義のドラクロワや、印象派に大きな影響を与えた。
●鏡に映すマルガリータ王女の両親
鏡に映る国王夫妻はなんだか、心配そうに、だけども愛らしく見守っている感じが出ていませんか?
そして、鑑賞者の立場からすると我々は、国王夫妻と同じ場所から、マルガリータ王女を見ているような構図になっています。
あとから見てみれば、すごい!で終わりますが、当時このような計算つくされた作品を描いた人はいなかったため、ベラスケスは真の天才だと思います。
『ラス・メニーナス』はサイズ、重要性、価値のため、展示のためだけに貸し出されることはない日本で見れることが仮にもしあるとすれば、大事件ものです。
●多くの人に認められている
ユネスコ(世界遺産を決める権威ある団体ですね)が定める世界三大名画の一つ
マネ曰く「ベラスケスこそ画家のなかの画家」
ピカソはベラスケスの絵をじつに58枚も模写
パブロ・ピカソ「ラス・メニーナス(№1)」1957年
●この絵の主役が謎。
作品中央のマルガリータ王女こそが主役と考えるのが自然だと思います。
しかし、別の説もあります。
それは、鏡に映ったフェリペ4世夫妻が主役だという説です。
その理由として、作品の左側に立っている男がベラスケス本人であるという点です。
彼は今まさに絵の具を持ち、作品を描いているように見えます。
そして彼の目の前にある巨大なキャンパスには鏡に映ったフェリペ4世夫妻が描かれており、それが鏡に映し出されているとも見て取れます。
いかがでしたか?
このラス・メニーナスという作品。
解釈が分かれてとても面白くないですか?
(2) パエトンの墜落 (ピーテル・パウル・ルーベンス作)
この作品を厳選した理由・・・。
それはシンプルにカッコいいという理由です。(笑)
基本情報を説明すると、
パエトンとはギリシャ神話の登場人物で、太陽神の息子を指します。
ギリシャ神話では、以下のような物語がありました。
少年パエトンは、母クリュメネとつましく暮らしていました。
自分の父はエチオピアの王メロプスだと思っていたところが、いつしか、本当の父は太陽神ヘリオスだと知るようになる。
あるとき、友人のエパポスたちにそれを行ったところ笑われてしまいます。
傷ついたパエトンが母に問いただすと、自ら太陽神に尋ねてみるがよい言われます。
そこで、パエトンは、東の果てまで赴いて太陽神の神殿を訪ね、ヘリオスという太陽神に対面する。ヘリオスは大いに喜び、パエトンを我が息子と呼んで、その証拠に何でも望みを叶えてやろう、と誓います。
パエトンは、太陽神に炎の戦車に乗せてください、と申し出ます。
ヘリオスはパエトンの途方もない望みに驚き呆れてしまい、さすがにそれは無理だと突き放してしまいますが、しつこいパエトンの願いに折れてしまい、戦車を貸し出してしまいます。
しかし、パエトンにはその馬車を乗りこなす力はなく、たちまち馬たちは暴走を始めます。
燃え盛る馬車のために地上は大混乱となり被害が広がり、
ついにはゼウスが、最大の武器である雷でパエトンを空から撃ち落としてしまった、という話です。
そしてこの作品はそのシーンを描いたものになります。
メッセージとしては「身の程知らず⇒痛い目合うよ」ということなのですが、
まあ、個人的に本当にカッコいい絵だなと。
そしてなぜ数ある作品からこの絵を紹介したのか?
その理由は
まずは、小難しいことなんてどうでもよくて、直感的に好き!というものを大事にして、
絵画鑑賞をすることって大事だということを言いたかったからです。
私も言葉で説明するのが難しいのですが、初めて見たときに、本当に感動したのを覚えています。
ぜひとも、「好き」を大事にしてみてください!
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