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踊りのためのタンゴ音楽

アルゼンチンタンゴダンスで用いいる音楽には、おおざっぱに言うと3種類のタイプのリズムがある。

①いわゆるタンゴ(Tango)
②タンゴの母体となったと言われるミロンガ(Milonga)
③3拍子のワルツ(Vals)


アルゼンチンタンゴという音楽は、いわばJ-Popとかのジャンルのことで、その音楽には4分の4拍子のタンゴ、4分の2拍子のミロンガ、4分の3拍子のワルツがあるのです。だから、3拍子のタンゴもあるわけだ。

①タンゴ
楽団によってさまざまなタンゴがある。
タンゴダンスの世界では、タンゴをリズミック、メロディアス、アンティックと分けることも。
リズミックの代表、Juan D'Arienzo楽団の「Loca」

もともとのデータは白黒画像なのだが、最近カラー化された動画がアップされた。リズミックな曲もさることながら、バンドマスターのダリエンソの癖が強くてそれが気になって仕方ない(笑)


メロディアスの代表、Carlos Di Sarli楽団の「Bahia Blanca」

タンゴ男子憧れのSebastianAchavalとRoxanaSuarezの踊るバイア・ブランカ。
タンゴのリズムの上に、流麗なメロディが特徴の曲。踊りを見ていたら、あっという間に終わってしまう。

アンティックの代表、Orquesta Tipica Victor楽団の「Carrillón de la Merced」

すこしゆっくり目のテンポ。ちょっと懐かしい曲調。第1回タンゴダンス世界選手権のサロン部門のチャンピオンになったOsvaldo&Cocaの踊りを超真剣に見つめる若者たちが印象的な動画。日本のミロンガでも有名なKちゃんが目をキラキラしながら正面に居る✨。

リズミック、メロディアス、アンティックの区分け以外に、
この楽団を挙げないわけにはいかないドラマティックなタンゴを代表する
Osvaldo Pugliese楽団の「Los Mareados」

いまはもう見られないJavier RodriguezとGeradine Rojasの最後の頃の踊りで。
ロス・マレアドス=酔どれたちと訳されるこの曲は、私の最も好きな曲の一つ。

そのほかにも、個性豊かな楽団、演奏があるので、ぜひYoutubeの海の中に飛び込んで欲しい。

②ミロンガ
タンゴの母体となったリズム。ベースがハバネラのリズムがテンポアップしたような曲。ここでは、Francisco Lomuto楽団の「Que Tiempo Aquel de Ayer」。

今は亡きJulio BalmacedaとCorina de la Rosaのノリの良い踊り。タンゴのステップを早回しでおどるのではなく、トラディショナルなミロンガのステップで踊り倒しているのがすごい。


③ワルツ(Vals)
スペイン語ではワルツのことを"バルス"と発音する。
移民を多く受け入れてきたアルゼンチンには、ヨーロッパから3拍子のワルツのリズムも入ってきた。この曲はFrancisco Canaro楽団の「Claro de Luna」

Valsの名手と言われたミロンゲーロ(ミロンガの踊り名人)Tete&Silviaの踊り。
流れるような踊りが特徴のTeteでした。もう会えないかと思うと残念だ。


ミロンガと呼ばれるタンゴダンスパーティでは、トラディショナルな傾向として、主にこの3種類(Tango,Milonga,Vals)のタンゴ曲がDJの選曲で流される。
間違っても、元来聞くためのタンゴであるピアソラやヨーヨーマが流されることはない。

踊りのためのタンゴ曲ということで、ベース音がしっかりと聞こえて、一定のテンポであると思っている方も昔はいたようですが、メロディで踊るといっても良い踊りなので、テーマが良くて単調にならないことが好まれる。

ミロンガでの音楽の構成はTandaとかCortinaとかあるので、それはまた別の機会に!


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