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「自分に合うバイト」のわかんない。

バイトをするにあたって、一番大事なのは結局人間関係だなと思う。

今から約13年前、僕は就職先を決めないまま専門学校を卒業し、漫画家になるんだという熱い気持ちをゲームにぶつけ、親の庇護のもと、実家のこたつでゴロゴロしていた。親が鬼に変貌し、実家の温かみが灼熱に変わる気配を感じて、人生はじめてのバイトをすることを決意した。

最初のバイト先は、お客として一度も行ったことのない近所のお好み焼き屋。思い入れも何もないのに、なぜそこを選んだかというと、数日前に当時仲良かった関西人のM君がラードをたっぷり使った美味しいお好み焼きを振る舞ってくれたからだ。脳がすっかり青のりにやられていた。

バイト初日、まず、お客さんが来店するたびに「いらっしゃいませ、ぽんぽこぽーん!」という謎の呪文を唱えなくてはならないという、ありがたい教えを受けた。一度、お客として下見しておくべきだった。崇高な教えに軽く目眩を覚えている最中、一緒にバイトをする主なメンツと出会う。

JUDY AND MARYのそばかすのイントロのギターを弾ける自慢を何度もしてくる年下ロン毛男店長。僕が店員の女子と二言三言喋っただけで、その子と付き合ってもいないのに彼氏面して睨みつけてくる三瓶似坊主。面白くないボケを勝手にふっかけて来て、ノリが悪いと「自分ノリ悪いな」と言い、ノッたらノッたで「なんやその無茶ノリ」と言う自称面白関西人メガネ。それはもう最高のメンツで、最高すぎて1週間で辞めた。自分には合わなかった。

バイトを辞める際、そばかすイントロに「そんなんじゃ社会でやっていけないよ。」と捨て台詞を吐かれた。1週間で辞めるのは店側からしたら流石に迷惑なので言いたくなるのはごもっとも。すみません。ただ、その後、他のバイト先ではちゃんと長めに働けたので、やっていけた。社会がどうこうという話ではなかった。一番長く働いたのはドラッグストア。店長もほんと良い人だったし、店員のおばちゃんも優しかった。

バイトをするにあたって一番大事なのは人間関係と、いらっしゃいませぽんぽこぽーんなどという謎の呪文を唱えなくてよい平和な職場だなと思う。誰かのいう「社会でやっていけない」という言葉は、その人にとっての狭い社会ということもあるので当てにしてはいけない。

(当時、職場の印象が最悪だったため、ぽんぽこぽーんにとても悪いイメージを持ってしまいましたが、出会うタイミングによってはとってもファニーで明るくなれる、素敵な挨拶だなと今は思います!ぽんぽこぽーん!)

人それぞれ自分に合うバイトってなんでしょうね。わかんないことがいっぱいある。

EDテーマ:YUKIじゃない人が歌ってるそばかす

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