不動産裏話【コネクションと✕✕】
今日はちょっとした裏話をしたいと思います。
フィリピンではコネクション(コネ)が非常に大切です。
何故ならそれだけで不可能が可能になるからです。
さらに、そこにアンダーテーブル(賄賂)が加われば最強です。
そしてそれは不動産に置いても変わりありません。
今日は【コネクション】が不動産賃貸でどのように利用されているかを
お伝えします。
フィリピンの会社には必ずアドミンという役職があります。
このアドミン、非常に力があるポジションで、
この人に嫌われるか好かれるかで自身の環境が容易に変わります。
そんな彼らの仕事の中に駐在員の部屋を探すことが含まれることがあります
力を持つアドミンと不動産会社
この2つが揃うと...
癒着が始まるんですね...。
不動産会社はコミッションの一部をアドミンへ。
アドミンは部屋探しを全てコミッションをくれる不動産会社へ。
企業の場合、「個人で探す事になっている会社」と「会社が探す事になっている会社」の2パターンがあります。
後者の場合、企業がこの関係を見破ることは至難の業です。
『赴任者が来るから部屋を探しておいて』の一言で終わりますからね。
それでもしっかりと対応してくれる不動産会社さんであれば問題ありません。
問題は部屋を貸しっぱなしにしてしまう不動産会社がいること。
こうなると一番割をくうのは駐在員になります。
しかし、初めてフィリピンに来た人はアドミンや不動産会社に
文句を言っても変わらない状況を見てこう思います。
「フィリピンの不動産賃貸はこんな感じか」
他を知らなければ現状を受け止めるしかありませんからね。
でも本当にそんな事あるの?と思われる方のために
私の実体験をお話します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以前、とあるお客さんが訪比される前に僕に連絡をくださいました。
初めてお取引をさせていただくということで、ベテランスタッフが
担当になりました。
内覧当日
お客さんと会社のアドミンが一緒にコンドミニアムロビーで待っていて驚きました。何故ならお客さんとの事前のやり取りでは一人で来ると言ってましたから。
挨拶も早々、アドミンが口を開きます。
「1時間後に他の不動産会社の内覧があるからそれまでに終わらせてください!!」
なんだか少し怒っているように見えましたが、その時は特に気になりませんでした。
僕はからくりを知らないのでアドミンの言葉を鵜呑みにして
”早く終らせないと”と呑気に考えてました。
するとベテランスタッフが耳打ちしてきます。
「アドミンと次の不動産会社、グルよ」
不思議そうな顔をしている僕にスタッフは続けます。
「次の不動産会社の紹介物件で決めて、アドミンがコミッションもらうのよ!!」
こんな状況、なかなか日本ではお目にかかれないですよね(笑)
だからアドミンは僕らの内覧に怒ってるのか。。。
状況を理解してからは、どうすれば無事に取引成立するかを
一所懸命に考えます。
現状の僕の強みは以下3点です。
1. お客さんは会社の代表
2. 日本人スタッフ(僕)が担当している
3. 名刺交換にて連絡先をいただいている
会社の代表は最高権力であり、アドミンもおいそれとは口を挟めません。
そして日本語でご案内する限り、何を話しているかはアドミンには
全くわかりません。
そこで内覧中は英語を全く使用せず進めました。
また時間の事は気にせず、お客さんが満足するまで部屋をご案内しました。
多くの部屋をご覧いただき、更に質問等にも回答しているので、
1時間では到底終わらず、途中からアドミンがイライラしてベテランスタッフへ文句を言っていました。
1時間を大幅に超え、内覧が終わるとロビーでは他の不動産会社が待っており、アドミンと笑顔で話をしていました。
お客さんと別れる際、伝家の宝刀を使います。
「本日は弊社紹介物件をご覧いただきありがとうございました。
気になる物件がありましたら、弊社スタッフではなく私まで直接
メールにてご連絡ください。
日本語でいただけましたら、私の方でスタッフへ伝えます」
これで契約内容や入居日などの枠組みを日本語で決めることができました。
もちろん実務では英語でのやり取りになりますが、メールには代表の方と私が入っています。
その為、アドミンも代表が決めた部屋で進める他なく無事に契約をまとめることができました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アンダーテーブルは日本語では【賄賂】と訳します。
日本人にとっては
【賄賂】=【不正、悪】
と捉える方がほとんどです。
僕もフィリピンに来たばかりの頃は同じように考えていました。
ただフィリピンに長く住んでいるうちに
【賄賂】=【時間を買う】
という考え方に変わってきました。
日本では正攻法で進めることが大事ですが、外国では正攻法では攻略ができないことが沢山あります。
そこで様々な攻略方法を考え出し何とかゴールまでたどり着く、
その一部に賄賂が含まれます。
もちろんこれが良しとは思わないですが、外国に住むとその国に合わせた
攻略法が生活においてもお仕事にとっても必要になってきます。
でもやっぱり正攻法で進められたら一番問題ないんですけどね。。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?