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フィリピンと浴槽と日本人

お客さんが物件調査を依頼される際、色々な条件を伺うことがあります。
その中でも今回はお問い合わせ数が多い、

「浴槽付きの部屋」

について見ていきましょう。
※日本人にとっては「お風呂=浴槽」のイメージがありますが、海外では
「お風呂=シャワー」なので、今回はあえて「浴槽」という表現を使用します。


浴槽と日本人

日本人と浴槽は切っても切り離せない関係にあることはみなさんご承知でしょう。一説には日本の気候や宗教が浴槽につかる文化を根付かせたと言われています。「湯あみ」や「沐浴」、「足浴」、「一番風呂」、「湯治」、「銭湯」「カラスの行水」など入浴に関する言葉が多いのは昔から日本人が入浴を愛してきた証に他ならないでしょう。

少し古い記事になりますが、ご紹介させていただきます。
株式会社クロス・マーケティング(マーケティング会社)が2018年に男女1000名行った「入浴は好きですか?」という質問に対し、9割の方が「好き」と回答をしています。

これだけ入浴(浴槽につかる)が好きな国民は他にはいないと言えるのではないでしょうか。


難しいことはさておき「浴槽につかる」ことは単純に気持ちいいものです。
暑かろうが、寒かろうがお風呂に入ることで心も体も気持ちもリフレッシュできることは間違いありません。
僕も日本に住んでいた頃は毎晩お風呂に入っていましたし、アメリカ滞在中も何故か浴槽がついていて、とても重宝しました。
まさに「体に染みついている文化や習慣」という表現がぴったりです。


わざわざ「浴槽」を条件に入れる理由

フィリピンは過去にスペイン、アメリカ、日本に統治されていた過去があります。

その中でもスペインとアメリカの文化は今も色濃く残っており、浴槽に入る日本の習慣はフィリピンには残っていません。

そのため「浴槽付き」という条件を不動産会社へ伝えないと、シャワーのみの部屋をご案内することになります。


基本的条件1:古い物件

近年建設されたコンドミニアムには基本的にバスタブがつくことはありません。

理由は部屋の大きさです。

昔のコンドミニアムは一つひとつの部屋が大きかったため、浴槽を置くスペースも十分確保出来ていました。

しかし現在は土地の価格上昇や経済発展により、多くの人が都市部へ流入し住居の需要が高まった結果、小さい部屋を沢山作ることが主流となりました。その結果、浴槽を置くスペースが無くなってしまいました。


基本的条件2:2ベッドルーム

古い建物に加え、部屋の大きさを十分確保出来る2ベッドルーム以上の部屋

であれば浴槽が付いている物件が多いですね。

1ベッドルームの部屋も数多く見てきましたが、賃料4~7万ペソ代のお部屋では浴槽は付いていません。

更に上の賃料10万ペソ代の部屋且つ、古い物件であればわずかながら設置されている可能性もありますが。。。


オーナーが設置したがらない理由

フィリピンの建物は老朽化が早く、様々な問題が部屋の中で起こります。

新築であっても不具合がある可能性が非常に高いので、古くなればどうなるかお分かりいただけるでしょう。

その中でも厄介な問題があります。それが「水漏れ」

ここで問題です。
浴槽を利用後、排水した大量の水がパイプへ一気に流れ込みました。古くなったパイプが水圧に耐え切れなかったのため水漏れが起こり、他の住人の家が浸水をしました。浸水によって受けたダメージの補修費用は誰が払うでしょうか??

下記からお選びください。
①テナント   ②オーナー  ③コンドミニアム  ④ディベロッパー





正解は②オーナーになります。
※状況により①になることもありますので、ご注意ください。また③④が費用を負担することはまずありません。

日本の場合、ほとんどのオーナーは住宅保険に入っているでしょう。
自分の資産である物件に対しての当然のリスクマネージメントです。

しかし、フィリピンではほとんどのオーナーが住宅保険に入っていません。
つまり、全額自腹での費用負担するしかないのです。
そこでオーナーとしては次の考えに至ります。

自分の物件ではあるが使用しているのはテナント

テナントのせいではないにしても、何かあればオーナーが補修費用を負担

最初からリスクを取り除いておいた方が良い

このような理由によりバスタブ付きの物件は極端に少ないのです。
もし僕が部屋のオーナーだったとしても、自分が住むことがなければ浴槽は付けないでしょう。


裏技

しかし、それでも浴槽に入りたいと思うのが日本人。そこで今回、浴槽を設置する裏技をご紹介します。

それは「ポータブル浴槽」です。

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写真のような浴槽があれば、わざわざ浴槽付きの部屋を探す必要はありません!!いつでも好きな時にお風呂に入ることができます。


ただし注意することが2つあります。

1.ゲートパスを用意すること
2.オーナーに事前に許可を取ること

1に関しては以前の記事、ゲートパス ( GATE PASSを参照ください。

問題は2です。浴槽が原因で問題が起こった場合、テナントにも費用負担義務が出てくる可能性がありますので、そのあたりは十分にオーナーと話をし、文章化、書面の作成をしましょう。

いかがでしたでしょうか。

今回、フィリピンに住んでいる日本人であれば、一度は興味を持つ内容に触れました。
ただ自宅に浴槽が無くてもお風呂を楽しめる場所もあるので、お風呂は外でと割り切れる方は思いきってそちらを選択されるもの宜しいかと思います。

こちらに日本企業と韓国企業が経営しているお風呂屋さんを載せておきますので、気になる方はご覧ください。


日本企業経営:Japan Spa Yamachu
韓国企業経営:New Lasema Spa Jjimjilbang

それでは。


#フィリピン不動産 #コンドミニアム #浴槽 #ポータブルバスタブ #裏技


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