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第88回日本ダービーの予想

東京11R
東京優駿(日本ダービー)
芝2400m 15:40発走

まず先週のオークスに関しては予想を作る時間が無かったことから上の写真貼り付けでわかる通りで3着のハギノピリナが抜けて的中ならず
ユーバーレーベンを本命としつつもデムーロへの不信感から軸として固定しきれなかった自分のミスだから仕方ないが、スルーセブンシーズ、タガノパッション、ハギノピリナ、アールドヴィーヴルからの4択をチョイスミスすることもなく50万を超える配当が取れていた勿体ないレースではあった
ククナがインの3番手という位置からの競馬を選択したのは正直誤算だったが、直線先頭の場面を作った時には一瞬だけおっ!という気持ちになれたので良かったとしたい

[週中のあれやこれや]
・登録馬18頭のうちホープフルS勝ちのダノンザキッドが負傷離脱で18→17頭での決戦に
・木曜の枠版抽選で過去15年で最も勝ち馬を輩出している1枠1番に内を利して皐月賞を圧勝したエフフォーリアが入るというエフフォーリアを推している人は歓喜?の抽選結果となった
・先週までの東京コースを見る限りは雨の後の競馬の影響もあってか芝コースの内側のグリーンベルトは見た目にも完全に消失したと言って良さそうに剥がれていた
→Cコース使用となるので先週のような外ばかりという結果になるかどうかは疑問だが、最内沿いの馬場写真を見る限り明らかに損傷はあるので、直線ではある程度早めの意識で外に出さないと伸び負けしてしまうかもしれない
オークスでは荒れたBコースの内側を嫌って4コーナーくらいから外に出しながら回るという各騎手のコーナーでの手綱捌きもかなり重要に映った

・5/25(火)時点で5/27(木)の昼から夜にかけてかなり纏まった降水量がありそうなことから、金・土の2日間でどこまで馬場が乾くかはJRA発表の馬場情報を参考にしたい
※金曜10:00の発表
クッション値8.7,馬場水分16.1
※土曜 9:00の発表
クッション値9.6,馬場水分14.8
→ 時計の出やすい良馬場決戦は確定

日曜午前中には結論をnoteに貼ることにはなるが、最終的な結論土曜日の芝コース並びに日曜当日のレース内容と全体時計を注視する必要があることは言うまでもないので当日8Rはダービーと同設定で行われる青嵐賞があるのでこのレースの結果を吟味した上で馬券を購入することを勧めたい

[データ面 過去15年]
1.前走データ
前走がマイル組
桜花賞 1-0-0-1 ウォッカ1着
NHKマイル 1-1-1-34 ディープスカイ1着
過去〜1600mまでのレース経験しかない馬でダービー好走馬を探したが見当たらず
→ この前例のない若しくは苦しい条件に該当するのはサトノレイナス、バスラットレオン
またNHKマイル組は過去10年に絞ると3着以上は1度もない

前走が皐月賞組
皐月賞 11-10-8-97
過去15年で29/45の表彰台で約65%の複勝率を誇るだけに王道組はやはり馬券内に抑えておきたい
☆皐月賞からの巻き返し例
上がり3F 単独最速馬
→ 今年の該当馬 ヨーホーレイク
2020年 コントレイル 1着
2019年 サートゥルナーリア 4着
2017年 サトノアレス 出走せず
2016年 マカヒキ 1着
2015年 ドゥラメンテ 1着
2014年 ワンアンドオンリー 1着
2013年 メイケイペガスター 11着
2012年 ゴールドシップ 5着
2011年 オルフェーヴル 1着
→ 5/8が勝利しているがそのうち3/5が皐月賞馬だけに巻き返し例としては皐月賞4着からダービーを制したワンアンドオンリーに続けるか

皐月賞6着以下の巻き返し
→ 今年の該当馬 ヴィクティファルス
2020 ヴェルトライゼンデ 8着(4人気)→3着
2018 ワグネリアン 7着(1人気)→1着
2017 スワーヴリチャード 6着(2人気)→2着
2015 サトノクラウン 6着(1人気)→3着
2011 ベルシャザール 11着(3人気)→3着
→過去10年での話にはなるが皐月賞で6着以下に敗れた馬でダービーで好走したタイプは5例あり、皐月賞で人気を集めていた馬で掲示板外となった馬以外の巻き返しは過去に例なしという結果で皐月賞9着(4人気)のヴィクティファルスがただ一頭の該当馬となった

前走青葉賞組
青葉賞 0-3-3-31 複勝率 16%
勝ち馬は出ない呪縛は第1回から延々と続いているものの、人気薄でダービー好走という馬の多くは青葉賞経由
2017 アドミラブル 1着→3着(1人気)
2014 マイネルフロスト 6着→3着(12人気)
2013 アポロソニック 2着→3着(8人気)
2012 フェノーメノ 1着→2着(5人気)
2011 ウインバリアシオン 1着→2着(10人気)
2006 アドマイヤメイン 1着→2着(4人気)
それ以前となるとゼンノロブロイやシンボリクリスエスといった古馬になってから活躍した馬が多く、デビューが遅れて何とかダービーに出せる体制がギリギリ整ったという馬が多いことも厳しいローテーション以外で青葉賞からダービー馬が出ない原因となっているとも考えられる
→ ワンダフルタウンはボーダー的に大丈夫で休み明けの年明け初戦が青葉賞となった稀有な例なので、過去のどの馬ともタイプが異なることから評価は非常に難しい

前走京都新聞杯 2-1-1-29
2019 ロジャーバローズ 2着→1着(12人気)
2015 サトノラーゼン 1着→2着(5人気)
2013 キズナ 1着→1着(1人気)
2012 トーセンホマレボシ 1着→3着(7人気)
皐月賞以外の路線からの勝ち馬となると桜花賞、NHKマイルよりも信頼度が高いのが京都新聞杯で京都開催時は前後半がほぼ均一のペースの馬が好走してきたのが過去の流れとしてあるので、後半加速型の今年の出走馬は凡走パターンにあたるはずだが開催が中京であったことを考えれば過去の例として当て嵌まらないと見て怖さがある馬が出走した場合には抑えは必要かも
→ レッドジェネシスのレースぶりは個人的にはかなり評価しているので迷うくらいなら買うというイメージが良いかもしれない

前走プリンシパルS 0-0-2-16
2018 コズミックフォース 1着→3着
2009 アントニオバローズ 2着→3着
→ バジオウはこの2頭とタイプは似ているイメージもあるが、過去15年でこの2例とあってはなかなか厳しい条件のように感じる

2.人気別成績(過去29年調べ)
1番人気 16-4-4-5 複勝率 83%!!
2番人気 3-5-1-20 複勝率 31%↓
3番人気 5-7-4-13 複勝率 55%!
4番人気 0-3-1-25
5番人気 1-5-1-22 複勝率 24%
6番人気 1-0-3-25
7番人気 2-0-4-23 複勝率 20%
8番人気 0-0-4-25
9番人気 0-0-1-28
10番人気 0-1-2-26
11番人気 0-0-1-28
12番人気 1-1-1-26
14番人気 0-2-0-27
15番人気 0-0-1-28
16番人気 0-1-1-27
13,17,18番人気は3着以上無し
→ ある程度は上位人気各馬の競馬となることが多いが過去3年は二桁人気馬が絡むことで3連系馬券は高配当が多い
また2,4,6番人気の馬は全体的に低調な結果でこれを過去10年成績にすると1番人気馬の複勝率70%と若干落ちる(4-1-2-3)ものの、基本的に1番人気馬が掲示板を外した回数は以下の5回だけである

2007 フサイチホウオー 1.6倍 → 7着
2009 アンライバルド 2.1倍 → 12着
2012 ワールドエース 2.5倍 → 4着
2018 ダノンプレミアム 2.1倍 → 6着
2019 サートゥルナーリア 1.6倍 → 4着
※1992〜2006と2008,2010〜2011,2013〜2017,2020は全て1〜3着
皐月賞馬2頭も含まれるだけにエフフォーリア絶対とは言えないか?

[その他、記録]
関東馬の1,2フィニッシュ
→1997年のサニーブライアン,シルクライトニングまで遡るだけに可能性としては薄いが東高西低と見られている牡馬クラシック戦線で関西馬が意地を見せられるか

前走からの騎手の乗り替わり
→過去30年以上遡っても前走からの乗り替わりによるダービー制覇は無く、VTR等で確認できる現代になっても乗り替わりが及ぼす影響は未だ大きいのかもしれない
→ 今年は17頭中10頭が乗り替わりと過去最多タイの記録だが7頭にしか戴冠のチャンス無しか?

2011年以降のレースで友道厩舎×金子真人HD×川田への乗替成績=6-1-1-0
先週のオークスでソダシ,アカイトリノムスメで悔しい思いをしたオーナーがダービーで無念を晴らすか注目
→ 該当するのはヨーホーレイク


[前哨戦について]
・皐月賞 2000m 稍重
2.00.6 M 前60.3-後60.3
(12.1-11.7-12.5-11.9-12.1-11.4-11.9-12.1-12.3-12.6)
稍重発表ではあるものの同日古馬2勝クラスの2000m戦が2.02.3かかっていたことからもかなり重たい馬場であったし馬場適性とレースセンス・スタミナが要求されるレースだった
前後半のラップが同タイムで平均ペースという表記にはなるが、各ハロンごとのラップとしてはペースの緩急がかなりついて先行・好位で運んだ馬は2コーナーから3コーナーを迎えるまでに後続にかなり脚を消耗させたことで4コーナーから直線でハロン12秒を切るような瞬発力勝負にさせなかったことが差し馬たちを平凡に見せる要因となった
距離ロスなく運んだエフフォーリアに対して外から追い上げた差し・追込勢は是非パトロールビデオを観てもらいたいが、到底勝負圏に加われるような進路取りができなかったことを考えれば多少の距離ロスが挽回しやすい広くて長い東京コースであればもう少し持ち味を活かせそうな馬は居るようにも感じた

皐月賞の予想ページでエフフォーリアは現時点での完成度で抜けていると書いたが、むしろ予想以上の1強状態でスタミナ・レースセンス・馬場適性全てに非常に高いパフォーマンスを有していることを証明した
ダノンザキッド、レッドベルオーブがかかり気味に位置取りを押し上げ右に左に動いて進路取りが不安になる場面もあったが、折り合いを乱すことなく慌てず乗って4コーナー出口で隙間ができた瞬間に内から一気に抜け出して少しずつ外に持ち出しながら3馬身差の圧勝、上がりも最速馬と0.1秒差の2位タイでこの競馬をされたら他の馬はなす術が無かった
エフフォーリアの前でレースを進めて4角先頭の場面を作ったタイトルホルダーは抜群の立ち回りを見せての2着
インに潜り込んで重い馬場の適性の高さを活かして最短距離を追い上げたステラヴェローチェの3着と外のチョイスがいかに難しかったかを物語る

☆二冠馬・三冠馬の過去のジンクス
①1986年以降で皐月賞を3馬身差以上のVゴールを決めたのはナリタブライアンとオルフェーヴルの2頭のみでこの2頭は共にダービー、菊花賞も制して三冠馬となったがナリタブライアンがダービーでつけた着差が5馬身・オルフェーヴルは終生のライバルとなるウインバリアシオンにつけた着差こそ1馬身3/4だったが3着馬にはそこから7馬身の大差で圧倒的な強さを見せている
②無敗の二冠馬が誕生した翌年は二冠馬が誕生するジンクスがある
1991年 トウカイテイオー
→ 翌1992年 ミホノブルボン
2005年 ディープインパクト
→ 翌2006年 メイショウサムソン
③無敗で無くても皐月賞・ダービーの二冠馬もしくは三冠馬が誕生した翌年
1997年 サニーブライアン
→ 翌1998年 セイウンスカイ
 皐月賞と菊花賞の二冠制覇(ダービー4着)
2003年 ネオユニヴァース
→ 翌2004年 キングカメハメハ
 変則二冠馬誕生(NHKマイル→ダービー)
2006年 メイショウサムソン
→ 翌2007年 ウォッカ
 64年ぶりの牝馬戴冠
 (アサクサキングス二冠なり損ね)
2011年 オルフェーヴル
→ 翌2012年 ゴールドシップ
 皐月賞と菊花賞制覇(ダービー5着)
2015年 ドゥラメンテ
→ 翌2016年 マカヒキ
 三強が一冠ずつ分け合い
※③のデータでは皐月賞とダービーを連勝した馬は一頭も居ないことから、エフフォーリアが無敗での二冠でなければサトノレイナスや他の馬にもチャンスは大きかった?と見る手もあった

今年の日本ダービーは過去のデータやジンクスからエフフォーリアが引き続き1強として絶対有利の見通しが高いと言えるかもしれない

・桜花賞 1600m 良
1.31.1 M 前45.2-後45.9
(12.1-10.8-11.2-11.1-11.6-11.2-11.2-11.9)
800m通過が45.2でMペースと表記すること自体はかなりの違和感があるもののコーナー以外は淡々と速いペースを刻み、意識的に早く動いた馬はバテていることからHペースと考えるべき
ただし、阪神コースが稀に見る超高速馬場であったことを踏まえると毎日杯にも言えることだが全体時計に関しては=強さと鵜呑みにしない方が良いかもしれない
ここから歩を進めるのはサトノレイナスただ一頭でレース上がりから1.4秒も速い上がり32.9の末脚が活きる展開になるかどうかというところだが、距離が延びた方が持ち味が生きる気配はあるので牡牝混合で思わぬスタミナ勝負になった時に距離を含めてその手のレースを経験していない部分がどう出るかだけだろう

・青葉賞 2400m 良(小雨)
2.25.2 S 前60.5-後59.4
(12.5-10.6-12.1-12.8-12.5-12.6-12.7-12.5-12.1-11.6-11.3-11.9)
もともと朝からパンパンの良馬場というよりは柔らかめの馬場だったことと前半1000mが60.5いうペースを思えば勝ち時計の2.25.2も若干平凡に映るものの、800mずつ三分割した時には48.0→50.3→46.9とペースコントロールが鍵を握った一種の我慢比べのようなレースだった
レースレベルの評価は人によって分かれるかもしれないが個人的には価値のあるレースだったという見方をしている
上位3頭はタイム差なしの大激戦であったものの急激に落ちるペースに合わせてスタミナをキープする手腕が問われ、後半加速するラップに外めの追走から見事に対応したワンダフルタウンは5ヶ月の休み明けでやってのけたことを思えば上積みも含めて更にやれて不思議なしといったところか

・プリンシパルS 2000m 良
1.59.3 S 前60.3-後59.0
(12.8-11.5-11.4-12.0-12.6-12.8-12.2-11.1-11.2-11.7)
ゲートを出たなりに大きな動きもなく道中も淡々とペースが徐々に落ちる展開
後半3Fは速い瞬発力勝負となったが前で余裕のレース運びをしたバジオウが他を問題にすることなく駆け抜けた
ダービー本番でもそれなりの位置から競馬をすることが予想されるバジオウだが、良く考えればダメージを残さないレース内容だったと言える反面で青葉賞に比べると威張れる内容か?というのは多少疑問が残る

・毎日杯 1800m 良
1.43.9 M 前57.6-後46.3
(12.4-11.2-10.9-11.4-11.7-11.9-11.5-11.2-11.7)
記録だけを見れば1800mの日本タイレコードに目を奪われるしいくら馬場が高速化していると言えども簡単に出る時計ではないが、桜花賞が1.31.1という速い時計であったことも考慮すると時計云々よりはレース内容で評価を考える必要がある
パトロールビデオを見る限りではシャフリヤールとグレートマジシャンの差は特に感じなかったが、立ち回りの上手さで上回ったシャフリヤールが600m伸びた場合の再戦であれば母系も含めた距離適性的に1600〜2000mでこその馬というイメージが強く、よりスタミナを要求される東京2400mであればグレートマジシャンの方を上位と見るのが妥当な気はするが両馬ともに1800m戦までの経験しか無い点がラストで影響を及ぼす可能性も

・京都新聞杯 2200m 良
2.11.2 M 前59.9-後59.0
(12.7-11.1-11.3-12.7-12.1-12.3-11.4-11.5-11.5-12.0-12.6)
結果的に2着のルペルカーリアは毎日杯に続いてゴール前の坂の上りでバタ止まりしてしまいどちらのレースも落とす形となったが、しっかりと息を整える時間のあった当該レースにおいては、勝たないとおかしいくらいに完璧に乗れたし直線を向いた時点での差と手応えから誰の目にもセーフティリードと思われたところを捕らえきったレッドジェネシスのレースぶりには少し驚かされた
後方から4番手のインでじっくり乗っていたところ、3コーナー手前で先に外を動いたゲヴィナーの進路をなぞるように軽く促してあっという間に外の5番手に上がり、残り200mから余力残しで一気に先頭との差を詰めたあたりは操縦性の良さと積んでいるエンジンの良さが窺い知れる内容だったと考える
上がり自体は3着のマカオンドールと0.1秒差でそれほど目立ったものではないが、目一杯追ってきたマカオンドールとは裏腹に先を見据えた上がり方ができた点も大きい
このメンバーの中では力差がそもそもあった感じもしたので、前を行く馬がエフフォーリアだったらどうか?となるとまた話も変わってくるが、左回りの京都新聞杯でこれだけ内容のある勝利を挙げた価値は高い
良くなるのはまだまだ先だと思われるところに一気に春のクラシック戦線に名乗りを挙げてきた充実度はかなり高そう

・NHKマイルC 1600m 良
1.31.6 H 前45.3-後46.3
(12.2-10.2-11.3-11.6-11.6-11.4-11.4-11.9)
最初の3Fを33.7で後半3Fが34.7という内容からは殆どのページがMペースの表示だが、レース結果からもHペース競馬の認識で問題ないだろう
ここから歩を進めるのはスタートで落馬競走中止のバスラットレオンとマイルへの距離短縮でそれなりに走りが良くなったタイムトゥヘヴンの2頭
どちらもダービーでどうにかできるだけの能力・瞬発力・スタミナがあるとは到底思えないことからレースの振り返りは特に気にしなくてOKという認識だが、今までクラシック路線を歩んできた各馬にとっては明確なレースプランがあって飛ばしに飛ばしまくるバスラットレオンの存在が邪魔になる陣営・全く意に介さない陣営・出てくれたことで紛れを生めば喜ぶ陣営の3つがあるのでバスラットレオンが中山でのNZTのようなレースをする可能性が高ければ「逃げるは恥だが役に立つ」ことになるかもしれない

プリンシパルSとNHKマイルを除けば皐月賞組がデータ的に断然ではあるものの、青葉賞・京都新聞杯・毎日杯とそれぞれに魅力のあるエフフォーリアとは未対戦の馬たちがレースを面白くしてくれるかどうか
エフフォーリアで1頭は固定できると思っている人でも2番手以降はどの馬からでも買えるように感じる分、馬券としては割と難解かもしれない

[各馬について]
1.エフフォーリア [鹿戸:美浦] 
横山武 1番人気
皐月賞時点での完成度の高さとレースセンスを活かして0.5秒差の圧勝
馬場の適性とコース取りが圧勝の大部分を占めたのは確かだし、時計の速いダービーで同じように落ち着いて横山武が操縦できるかどうか
例年と異なり熱気に満ちたスタンドでは無いのは人馬共にプラスになりそうだし、もともと東京向きと言われている馬
かなり粗探しをした人も多いと思うし、多少かかり気味に追走する若さを見せることもあるので絶対勝つとまでは言いきれないが、過去のデータからは抜群の軸向きの馬と言える
距離適性も走りも皐月賞よりむしろ東京2400mは向きそうなことを思えば馬の後ろでじっくり乗れる枠も引き当てて言うことなしと見るが、先週のように人気馬を徹底的に潰しにかかる競馬が展開された時に閉じ込められて出せないといった直線走路の映像も頭には入れておきたい

2.ヴィクティファルス [池添:栗東] 
池添 14番人気
過去の皐月賞凡走馬の流れから紐の一頭には入れてみてもという存在だし、皐月賞は最初から外を回す前提のような乗り方をして4角ごちゃついたところで追うのをやめていたのでそこまでダメージは無さそうに見えた
ハーツクライ×ガリレオの肌ということでスタミナ要求の距離適性はありそうなものの、過去JRAで登録されたこの組み合わせの血統でまともに走ったのはこの馬のみ
母ヴィルジニアはシルバーステートを半弟に持つだけに、変異的に強力なタイプの馬が出る血の可能性もあるが良馬場でのレースぶりを見る限りはそこまでの器かな?という気も
後ろすぎてもしんどい形になるので枠を活かしてエフフォーリアを見ながら競馬できれば面白そう

3.タイムトゥヘヴン [戸田:美浦] 
石橋 17番人気
距離短縮→距離延長の流れは正直好感は持てないし、レースぶりからもマイルでこそのイメージが強くなったこの二走の内容からここで大穴を開けられるイメージは湧かない

4.レッドジェネシス [友道:栗東] 
横山典 11番人気
栗東まで調教に乗りに来るくらいだから騎手の気合いの入り具合は察して余りある
個人的に評価している京都新聞杯のレースぶりと相手が弱いにしても抜群のスタミナと持続力のある脚で最後方から押し上げて大楽勝したゆきやなぎ賞(阪神2400m)の内容を見るとキングカメハメハのように急激に良くなった馬という認識を置いても良いかもしれない
基本的に乗り替わりはマイナスだしダノンザキッドに乗るために元から乗り替わり発表だったこの馬の方が川田もむしろ乗りたかった印象とある
エフフォーリアとの親子1,2フィニッシュまであっても驚けないくらいのポテンシャルはあるかもしれないが、新馬戦でラーゴムに大敗していたり取りこぼしている内容も多いのでアテにはしづらいタイプ

5.ディープモンスター [池江:栗東] 
武豊 6番人気
皐月賞は馬場の影響も含めて展開不向きの中でゴール前ではよく伸びてきた方だと思える内容だが、この馬は瞬発力とキレを活かせる長い直線でこそと改めて確認できた
皐月賞当時は居なかったバスラットレオンのようなタイプの逃げ馬が入ることで、エンジンのかかりが遅いウィークポイントをカヴァーして大幅な巻き返しが可能と見るかどうか
過去のデータ的に皐月賞からの巻き返しが可能なタイプには該当しないので、6番人気は若干過剰人気してしまっているきらいはあるが、勝負どころで手前を替えるのに手間取ったりしなければ逆転候補に挙げてみても面白いかもしれない
少なくとも見せてきたパフォーマンスはキタノコマンドールよりも数段上という評価を信じたい

6.バジオウ   [田中:美浦]
大野 16番人気
プリンシパルSからの参戦では大穴を空けたコズミックフォース以外が活躍したイメージが湧かないし、肝心カナメのプリンシパルSの内容がここでやるためには乏しい
前がかなり楽をする展開にでもならない限りは他に目が行ってしまう

7.グラティアス [加藤:美浦]
松山 10番人気
皐月賞は外からの競馬で得意な形に持ち込めず他馬と接触する不利もありノーチャンスだったことを思えば悪くない6着という見立てをしても良いかもしれない
まだまだ幼さを残す中で本格化までに時間を要しそうではあるが、現段階でも上位陣と明確な差があるようには思えない
ここであまり走らずに菊花賞以降に手頃な人気で買いたいというのが皐月賞までのイメージだったが、調教動画を見る限りかなり良さそうには見えたので頭を悩ます一頭

8.ヨーホーレイク [友道:栗東]
川田 7番人気
過去のデータからは推しやすくも推しにくくもあるが、勝ったラーゴムよりも印象深いきさらぎ賞と展開不向きで追ってきたホープフルSと皐月賞の走りから外差し傾向が完全に確立されている今の東京コースではかなりハマりやすそうな馬に思える
不満を言えば川田がテン乗りになることだが、ダノンザキッドで挑むよりはよっぽど可能性のある馬に乗れたと思うし友道×金子との3人タッグの相性の高さも見逃せない
差し・追込勢からは毎日杯組よりよほどこちらの方が人気的にも妙味ありと判断して良でさらにどこまで伸びてこられるか期待したい

9.ラーゴム [斎藤:栗東]
浜中 13番人気
皐月賞は馬場も展開も全てが悪い方に出た感があるが実力を考えればあれだけ負ける馬ではなかったはず
結果的に怪我による乗り替わりは余儀なくされてしまうわけだが、あのまま北村が乗り続けるよりは当たりの柔らかい騎手になる方がこの馬にとっては+になりそう
とは言え、これだけ負けてしまう馬をダービーで買う候補に残すのは正直厳しい

10.シャフリヤール [藤原:栗東]
福永 5番人気
共同通信杯では完璧に乗ったエフフォーリアから0.4秒差に敗れたことから逆転は簡単ではないと見るのが妥当なところだが、デビュー2戦目だったことを思えば上々の内容
3戦目の毎日杯ではグレートマジシャンより先に抜け出して凌ぎ切ったので、その操縦性の高さでエフフォーリアとの差は詰まっても良さそう
1800mまでの経験しか無い点は不安だし外差し傾向の強い東京コースだけに追い出しが早過ぎた場合にどれだけの脚が使えるのか心配なところもあるが、兄のアルアインとは少し違ったタイプで陣営も1800mはギリギリ(短い)といったコメントもしているので、鵜呑みにするなら距離が伸びるのは良いのかもしれないし、ローテーション的には皐月賞組以上に調整しやすい点はむしろ魅力かもしれない

11.ステラヴェローチェ [須貝:栗東]
吉田隼 9番人気
実績を考えれば過小評価が続くが道悪でインを差し込むイメージが強く距離の融通性があるかどうか不安視されていると考えればこんなものなのかもしれない
バゴ産駒が右回りの道悪の非根幹距離(2200,2500)で強いイメージが強いことも人気が上がらないポイントと考えるが、良馬場でもキレ味も相当なものだしいつもインからの差し込みで好走している末脚が外からの差し込みでも発揮できるなら十分怖い存在
ソダシと同じく須貝×吉田隼のタッグだけに先週の悔しさをここで晴らすドラマがあってもといったところか

12.ワンダフルタウン [高橋:栗東]
和田 3番人気
想像以上に人気しているという点では買いにくくなったが、青葉賞では馬群から離れた6番手を単騎で追走して3コーナーから4コーナーにかけてじわっと進出してゴール前の接戦を制した内容は見た目には地味に映るものの、休み明けで最後までもたせたのは素晴らしい内容で折り合いに不安が無いがゆえの芸当とも言える
ここまでスピード競馬への対応が新潟の未勝利で稍重1.46.5のレコードを出した内容だけにはなるが、前目で折り合いがついて圧勝したこのレースの内容もとても良かったことからスピード競馬はむしろ合うイメージもある
色んなタイプのレースを経験して休み明け2戦目で更に良くなることを思えば、ギリギリ青葉賞で間に合ったという今までの馬たちと違い、初の勝ち馬となっても驚けないくらいのポテンシャルは持ち合わせていそう

13.グレートマジシャン [宮田:美浦]
戸崎 4番人気
少なくともセントポーリア賞では今年のダービー馬はこれかな?と思うだけの競馬をしたし、皐月賞を早めにパスすることを決めたのも良かったと思う
毎日杯では通ったところの差もあってシャフリヤールの後塵を拝する形にはなったがタイム差なしのタイレコードで走っているので、負けはしたが内容としては悲観するものではないだろう
乗り替わりでのダービーチャレンジとなる点と1800mまでの経験しかないところはいかにも人気先行のイメージがついて回るものの、セントポーリア賞のVTRを見ると当社はダービーのボーダーに達していないのを残念に思っていたが、回避馬が多く出たことで出走できることになったことも運があると言える
1月末にダービーはこの馬で勝負したいと思った直感を信じたい気もするがデータ的には強く推せない点は多い
開業2年目で有力馬をダービーに送り出す厩舎の勢いを信じてみたいところはある

14.タイトルホルダー [栗田:美浦]
田辺 8番人気
バスラットレオンをバジオウが追いかける流れになればこの馬が3番手からの競馬となりそうで、実質展開の鍵を握るのは皐月賞に続いてこの馬になりそう
母のメーヴェは札幌で2600mのOPレースも勝利している馬で姉にメロディレーンが居る血統を考えれば距離はこなして当然と見る方が良いかもしれないし、弥生賞や皐月賞よりもレースをコントロールするのは東京2400mの方が簡単な気はする
この馬も実績を考えれば過小評価が続く一頭ではあるが、昨日の競馬を見る限りはCコース替わりでも外差し傾向の強い東京コースに合いそうにない点は不安
鞍上はコパノリッキーやロゴタイプのように東京で人気の無い逃げからG1を勝利してきている騎手ゆえに魅力はあるが、2年前のロジャーバローズのようなレースのイメージも湧きにくく印は回りそうにない

15.アドマイヤハダル  [大久保:栗東]
デムーロ 12番人気
若葉Sまでのレースぶりからすると皐月賞での好位の後ろからなだれ込んだだけという競馬は少しイメージと違った感も
父ロードカナロアで更に400mの距離延長はハッキリ言って不安ではあるが、アーモンドアイやサートゥルナーリアの例があるので距離不安だけで切りにくい存在でもある
皐月賞のようなスタミナを求められる展開になるとやや分が悪く感じるので、スピード競馬で瞬発力を活かせるような展開になることが好走の条件になりそう
ストライドが大きな馬なので中山より東京の方が走りやすそうに感じる点は魅力も逆転候補にまで挙げられるほどでは無さそう

16.サトノレイナス [国枝:美浦]
ルメール 2番人気
人気優先タイプと見ていた桜花賞ではレース上がり34.3を1.4秒上回る32.9で押し切りを計るソダシを直線走路だけであと一歩のところまで追い詰めたインパクトが強く、決して人気先行だけでなく確固たる実力を有していることを証明した
まずはスローの瞬発力勝負とはならなさそうな消耗戦に耐え得るだけのスタミナが備わっているかどうかだが、スピード競馬の適性も高く折り合いに苦労している場面は過去4走では見受けられないし全兄のサトノフラッグが菊花賞でも3着に入っているので距離適性自体はおそらく問題はないはず
外枠でロスがあるかどうかよりも個人的に唯一の不安と感じているのは過去4戦全てがマイル戦という点で、調整でその辺りは抜かりなしと思う一方で実際のレースで中距離以上を経験していない為にマイル仕様の体が出来上がっているかもしれない
前から距離を延ばした方が良いという記事を多く目にしてきた馬だけに初の距離延長がダービーでそれすらもクリアできるのであれば新たなスーパーホース誕生と言ったところだろう
古馬戦線で牡馬を遥かに凌駕している牝馬の勢いは若駒にも当て嵌まるか注目したいがデータ的に苦戦が続く2番人気と前走マイル組でどこまでやれるのか疑問はある
それでも、と思わせるのは鞍上のルメールが早くからこの馬との挑戦を表明したことと外差し傾向がかなり強い今の東京コースが向かないわけがないと言ったところか

17.バスラットレオン [矢作:栗東]
藤岡佑 13番人気
明らかに距離は向かないと思う一方で「やることは決まっているし何が来ても行く」と外からのハナ切りを高らかに宣言した矢作さん
ハナを取りきるというミッションはそこまで難しくなさそうで突き離しての逃げに関しては魅力であるものの、タイトルホルダーやエフフォーリアがそこまで簡単に一人旅を続けさせてくれるのか?となると疑問
短期間で3度目の関東輸送という点が個人的には最も嫌いたい材料

[予想]
Cコース替わりの東京コースはそれまで外差し傾向が強くてもイン有利というのが例年の常識ではあったが、土曜の競馬で外差しがかなり決まっていたことを考えるとエフフォーリアは逆に試練の1枠1番になってしまったイメージは強い
オークスのソダシのように徹底マークされることも考えられるし、出し抜けを食らわせてくるような馬をケアしなければならない上に外からの差し馬も封じ込めなければならないことを思えば絶対的な本命と考えるのは危険と判断した
それでも過去のデータ的に無敗の二冠馬誕生の確率の高さは信じてみたいので36点のフォーメーションを筆頭に追加24点の馬券を買う形にする

◎ 13 グレートマジシャン
◯  1 エフフォーリア
▲   8 ヨーホーレイク
△   5 ディープモンスター
☆ 16 サトノレイナス
その他の紐候補
4 レッドジェネシス
10 シャフリヤール
12 ワンダフルタウン

皐月賞の7着以下はレース展開を含めても不要と判断したが、人気的にはヴィクティファルスが好走条件には当て嵌まるのでやや警戒はしておきたい
アドマイヤハダルはあまりにも人気が落ちているし、若葉Sのように良馬場で好位からあのストライドを持続させられれば非常に面白そうにも感じる

◎グレートマジシャンは毎日杯のパドックで別格の馬が現れたと話題になったことも有名だし、まだまだ素質だけで走っていてこの内容で東京2戦の内容を鑑みてもエフフォーリアとの未対戦の中では一番可能性を感じたことから本命とした
◯エフフォーリアは予想としては攻められなかった結果とも言えるが、1番枠が有利に作用した場合はどれだけマークがきつくてもやはり簡単に負けさせないだけの完成度の高さは魅力的に映る
▲ ヨーホーレイクは東京の差しの展開であれば入れない方がおかしいくらいに良い末脚を持っていることから馬場が良くなって更に前進可能と判断しての単穴評価
△ ディープモンスターは皐月賞であれだけ外を回ってグラティアスが寄れて直線入り口で追うタイミングを逸したことも考えればハマってもおかしくない
レッドジェネシス、ワンダフルタウン、ステラヴェローチェあたりは迷った末でレッドとワンダフルタウンを上位としたが、良くも悪くも騎手次第のところとここ2戦の上昇度を加味した形
☆サトノレイナスに関しては当初は簡単に切れる馬だと思っていたが、土曜のレースを見ていてこれだけ外差し馬場の傾向が強ければ買わないわけにはいかないという判断に至ったので、この馬を頭に買う馬券に関しては想定外の出費として買わなくても良い気はするし他に伏兵陣は多士済々でどこからでも狙えてしまう感じはする

Aパターンの馬券
1,13→1,5,8,13,→1,4,5,8,10,12,13,16 36点
Bパターンの馬券
8,16→1,13→1,4,5,8,10,12,13,16 24点

今年はどんなドラマが見られるのか楽しみである

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