第89回 東京優駿(日本ダービー)の予想

東京11R
第89回東京優駿(日本ダービー)
芝2400m 15:40発走

[週中のあれやこれや]
・来年のダービー馬と早くから話題になったコマンドラインが抽選漏れ
・木曜の枠番抽選で皐月賞上位の人気上位馬が不利とされる外枠に集約された
・例年通り今週からCコース使用となることで
先週のような外ばかりという結果になるかどうかは疑問
・5/27(金)の纏まった雨で馬場が乾くかはJRA発表の馬場情報を参考にしたい
※金曜10:00の発表
クッション値8.2,馬場水分17.8
※土曜 7:00の発表
クッション値9.0,馬場水分15.9
※日曜 7:00の発表
クッション値9.3,馬場水分15.8
→ 土曜の芝レースを観てからにはなるが金曜の稍重からそこまで大幅な回復傾向になっていないがそこまで気にする馬場ではないことは間違いなさそう


[データ面 過去16年]

1.前走データ

①前走マイル組
桜花賞 1-0-0-1 
※ウォッカ1着
NHKマイル 1-1-1-36 
※ディープスカイ1着
過去〜1600mまでのレース経験しかない馬でダービー好走馬を探したは見当たらない
☆少なくとも1800m戦の経験は必要
→ 今年の該当馬 マテンロウオリオン

NHKマイル組は過去10年で3着以上は1度もなく、よほど余力を残してNHKマイルCをクリアしないと前哨戦としては最も厳しいローテで大きな割引が必要と言える
ほぼ勝ち馬に等しい評価を与えられるマテンロウオリオンだがNHKマイルCで余力が残せたかとなると疑問


②前走が皐月賞組
皐月賞 11-11-9-104
過去16年で31/48の表彰台で約65%の複勝率を誇るだけに単純計算では2頭が皐月賞から1頭が別路線からという決着となりやすい
クラシック王道組はやはり最も多く馬券内に抑えておきたいところ

☆皐月賞からの巻き返し例
上がり3F 単独最速馬
→ 今年の該当馬 ドウデュース

2021年 ヨーホーレイク 7着
2020年 コントレイル 1着
2019年 サートゥルナーリア 4着
2017年 サトノアレス 出走せず
2016年 マカヒキ 1着
2015年 ドゥラメンテ 1着
2014年 ワンアンドオンリー 1着
2013年 メイケイペガスター 11着
2012年 ゴールドシップ 5着
2011年 オルフェーヴル 1着
→ 5/9が勝利しているがそのうち3/5が皐月賞馬だけに巻き返し例としては皐月賞4着から制したワンアンドオンリーや2着から巻き返したマカヒキに続けるか


皐月賞6着以下の巻き返し
→ 今年の該当馬 
キラーアビリティ13着(4人気)

2021 ヴィクティファルス 9着(4人気)→14着
2020 ヴェルトライゼンデ 8着(4人気)→3着
2018 ワグネリアン 7着(1人気)→1着
2017 スワーヴリチャード 6着(2人気)→2着
2015 サトノクラウン 6着(1人気)→3着
2011 ベルシャザール 11着(3人気)→3着
→皐月賞で6着以下に敗れた馬でダービーで好走したタイプは5例ある
皐月賞で人気を集めていた馬で掲示板外となった馬に関しては皐月賞でなんらかの理由で大敗してしまったものの過去に積み上げた実績やストロングポイントが活きた場合に好走しそうな馬がいればチョイスしたい

③前走青葉賞組
青葉賞 0-3-3-32 複勝率 16%
勝ち馬が出ない呪縛は延々と続いているもののダービー好走馬自体は2〜3年の割合で輩出
→今年の該当馬 プラダリア、ロードレゼル

2017 アドミラブル 1着→3着(1人気)
2014 マイネルフロスト 6着→3着(12人気)
2013 アポロソニック 2着→3着(8人気)
2012 フェノーメノ 1着→2着(5人気)
2011 ウインバリアシオン 1着→2着(10人気)
2006 アドマイヤメイン 1着→2着(4人気)

それ以前となるとゼンノロブロイ、シンボリクリスエスといった古馬になってから大成した馬が多く、デビューが遅れて何とかダービーに出せる体制がギリギリ整ったという馬が多いことも厳しいローテーション以外で青葉賞からダービー馬が出ない原因となっているとも考えられる


④前走京都新聞杯組
 2-1-1-30 複勝率12%
馬券になった絶対数は少ないものの関西馬にとっては栗東→京都・中京という輸送の最も短い距離で挑めることと皐月賞までに2000mまでの経験しかない王道ローテ馬たちと比較して2000mのその向こうを知っているというメリットから近年はこちらも好走馬を輩出
→今年の該当馬 アスクワイルドモア

2019 ロジャーバローズ 2着→1着(12人気)
2015 サトノラーゼン 1着→2着(5人気)
2013 キズナ 1着→1着(1人気)
2012 トーセンホマレボシ 1着→3着(7人気)

京都開催時は前後半ほぼ均一のペースのレースからダービーに出走してきた馬が好走してきた過去の流れがある
昨年は後半加速型を制したワンダフルタウンがダービーで10着に敗れたが、今年は前5F58.2-後5F59.2で2.09.5のレコード決着の前傾ラップで何もかもが向いたとは言えこの流れと勝ち時計を経験した馬にとっては数字の説得力だけであればダービーでの好走があってもなんら不思議はない


⑤前走プリンシパルS組
 0-0-2-18 複勝率10%
忘れた頃に10年一周期くらいに人気薄で大仕事をする困ったトライアルレース
形式上はダービーTRとはいえ2000mの距離とローテからほとんどのダービーにおいては空気となるが昨年のバジオウですらちょっと匂いがしたくらいにはこのレースから勝ち上がって向かう馬は総じて人気がないので狙える要素が少しでもある馬が出てくれば警戒は必要
→今年の該当馬 セイウンハーデス

2018 コズミックフォース 1着→3着
2009 アントニオバローズ 2着→3着
→ セイウンハーデスはこの2頭とタイプは似ているイメージ


⑥前走毎日杯組
1-0-0-5 複勝率17%
馬券に絡んだのは昨年覇者のシャフリヤール1頭のみだが、ダービー前の外厩調整が当たり前になってきた現代では毎日杯後に一旦緩めてダービーへというステップは今後も出てきそう
→今年の該当馬 ピースオブエイト

2021 シャフリヤール 1着(4人気)

昨年はかなりハイレベルな前哨戦として毎日杯を評価して◎グレイトマジシャンとしたが、今年の毎日杯からは無敗馬が参戦だけに2年続けての好走があるかどうか


2.人気別成績(過去30年調べ)

1番人気 16-5-4-5 複勝率 83%!!
2番人気 3-5-1-21 複勝率 30%↓
3番人気 5-7-4-14 複勝率 53%!
4番人気 1-3-1-25 複勝率  17%
5番人気 1-5-1-23 複勝率  23%
6番人気 1-0-3-26 複勝率 13%
7番人気 2-0-4-24 複勝率 20%
8番人気 0-0-4-26 複勝率 13%
9番人気 0-0-1-29
10番人気 0-1-2-27 複勝率 10%
11番人気 0-0-1-29
12番人気 1-1-1-27 複勝率 10%
13番人気 0-0-0-30
14番人気 0-2-0-28
15番人気 0-0-1-29
16番人気 0-1-1-28
17番人気 0-0-0-30
18番人気 0-0-0-30

→ ある程度は上位人気各馬の競馬となることが多いが二桁人気馬が絡むことで3連系馬券は高配当もそこそこ多い
また2,4,6番人気の馬は全体的に低調な結果でダービー2番人気馬の複勝率が30%程度というのはあまりにも低い
過去30年を振り返って1番人気馬が掲示板を外したレースは以下の5回だけである為に83%という驚異的な数値を誇る(これはこれで異常な数値と言える)

2007 フサイチホウオー 1.6倍 → 7着
2009 アンライバルド 2.1倍 → 12着
2012 ワールドエース 2.5倍 → 4着
2018 ダノンプレミアム 2.1倍 → 6着
2019 サートゥルナーリア 1.6倍 → 4着

大観衆のスタンド前発走で制御不能になった馬もいれば皐月賞で全てを使い果たした早熟馬、明らかに距離とコースが合わなかった馬といった印象で皐月賞で力を発揮し過ぎた馬にお釣りが無かった場合は心配である


3.枠番成績(1992以降)

1枠 8- 4- 2-45
勝率13.6% 複勝率23.7%
2枠 4- 4- 3-49
勝率6.7% 複勝率18.3%
3枠 4- 3- 4-49
勝率6.7% 複勝率18.3%
4枠 0- 6- 4-49
勝率 0.0% 複勝率16.9%
5枠 3- 2- 1-54
勝率 5.0% 複勝率10.0%
6枠 2- 6- 3-49
勝率 3.3% 複勝率18.3%
7枠 5- 3-10-71
勝率 5.6% 複勝率20.2%
8枠 4- 2- 3-79
勝率 4.5% 複勝率10.2%

4枠は勝ち馬が出ないことで知られ5枠と8枠の複勝率の低さは気になるところ


4.騎手成績

A.日本ダービー騎乗成績
武 豊 5-3-2-22
福 永 3-2-0-17
横山典 2-3-0-19
デムーロ 2-0-1-6
岩田康 1-1-2-8
ルメール 1-1-1-3
川 田 1-0-1-13
池 添 1-0-1-10
横山武 0-1-0-1
レーン 0-1-0-1
和 田 0-0-1-9
幸英明 0-0-0-8
田 辺 0-0-0-7
松 山 0-0-0-6
藤岡佑 0-0-0-6
岩田望、菅原、横山和は初騎乗

B.東京芝2400m(過去10年)
1位:ルメール 37-24-13-47
勝率30.6%/複勝率61.2%
2位:川田将雅   7-11-5-29
勝率13.5%/複勝率44.2%
3位:福永祐一   9-5-10-57
勝率11.1%/複勝率29.6%
4位:武 豊       4-3-3-43
勝率7.5%/複勝率18.9%

こちらは4強に騎乗する騎手への付加データ的な形で順位をつけたがコース相性に関しては誰もが知るところでダントツはルメール
ここ2年の複勝率70%以上は人気馬に多く乗るところがあったとしても異常な数値

騎手全体で複勝率はデムーロと僅差で2位で人気馬に多く乗るという面ではさほどルメールと変わらないものの率ではこれだけの差が出てしまう川田騎手は1番人気馬では5-4-1-2と期待値は上がる
GⅠに限定すれば前走4着以下だった馬に騎乗した際は0-0-2-9と連対なしであることからダノンベルーガはギリギリセーフといったところか

福永騎手は個人3連覇がかかりワグネリアンのダービー制覇以降は悟りを開いたかの活躍ぶり
コース相性は上位2人と比較するとそこまでといったところだが、ダービーに関しては過去4年で3勝と「令和のダービー男」を襲名
ダービーの勝ち方を忘れかけた騎手が多い中で最もダービーの勝ち方を知る騎手は今やこのお方か

武豊騎手に関しては東京2400mの成績は並から並以下という形になるもののダービー歴代最多の5勝を誇る

2002年 タニノギムレット
2005年 ディープインパクト
2013年 キズナ
2000年以降の3勝はいずれも1番人気
振り返ればスペシャルウィークも1番人気
アドマイヤベガは2番人気でも1番人気だったナリタトップロードと同率の3.9倍
過去騎乗したダンスインザダークとエアシャカールは1番人気で2着とあと僅かで1番人気に乗った時の連対率は驚異的
ドウデュースも1番人気もしくは同率の2番人気であれば心強いデータ?となる

2〜4番人気は0-0-0-4でリーチザクラウンやブラックシェルは6番人気だったことを思うと1番人気か中穴人気でこそといったところか


※ 4強以外の騎手
東京芝2400mの複勝率の高い騎手はデムーロ、田辺、レーンを追加



[その他、記録]
関東馬の1,2フィニッシュ
→1997年のサニーブライアン,シルクライトニングまで遡るだけに可能性としては薄いが、皐月賞は木村哲厩舎の関東馬1,2だっただけに久々の関東馬によるワンツーも可能性としては十分
4強と目される牡馬クラシック戦線で東西で3-1に分かれたことからも注目しておきたい


前走からの騎手の乗り替わり
→過去30年以上遡っても前走からの乗り替わりによるダービー制覇は無し
VTR等で確認できる現代になっても乗り替わりが及ぼす影響は未だ大きいのかもしれない
昨年は17頭中10頭が乗り替わりと過去最多タイの記録であったが上位3着までは継続騎乗だった
☆今年は18頭中乗り替わりで挑む馬は3頭のみと昨年と打って変わって各陣営が早くから騎手を押さえてきた努力が垣間見える


通算勝利数
1勝馬 → 0-0-0-16
2勝馬 → 4-1-4-74
3勝馬 → 4-7-6-50
4勝以上  2-2-0-8


通算出走数
3戦 1-0-0-6
4戦 3-4-2-24
5戦 4-4-4-31
6戦 1-1-3-34
7戦以上 1-1-1-53

→ どの馬もノーチャンスというわけではなく、近年はいかに無駄な出走をなくして本番にピークを持ってくるかという大牧場生産馬の思惑もあるので3〜4戦の馬の活躍はより顕著になるかもしれない



[サイン馬券]

オカルト中のオカルトでも有馬記念ではちょっと気にしてしまう時事ネタや開催回数・開催日・プレゼンターの誕生日などたまたまではあるもののそういう決まり方になってしまう馬券のこと

1.開催日→5/29 ・・・5→2→9 
うん、家が建つレベルですね(推奨0です)

読み方を変えるとごーにーきゅー
ごーふく・・・!?→ こうふく→幸福
幸→福永の2→15はちょっと危険かも


2.JRAのテレビCM
HERO IS COMINGで過去のレースのゴール前の動画が流れるアレですね
ナリタブライアン→ジャングルポケット→ディープインパクト→キズナの順に登場しますが、これらの馬の共通点は全て1番人気の馬ということです
安易に考えれば今年のダービーは1番人気を信用しろよってことになりますが果たして?


3.プレゼンター
発表されてないのでないかもしれないし、サプライズゲストがあるのかもしれないけれど現時点でわかりません

今年はCMも歌舞伎のやつがあったり、長澤まさみさんと年間プレゼンターの見上愛さんのがあったりとパターンがありすぎて誕生日系は無いのかな?と思いますが、念のため

長澤まさみ → 1987/6/3
見上愛 → 2000/10/26
尾上松也 → 1985/1/30
尾上右近 → 1992/5/28

一貫性がなさすぎますね


4.JRAのキャッチコピー
今年は CMでもなんとなく耳にしてきた言葉「HERO IS COMING」です
そんなにヒーローっぽい名前の馬は居ませんが父スクリーンヒーローのピースオブエイトには少し興味を惹かれる気はします、それだけです


[前哨戦について]
・皐月賞 2000m 良(AM稍重)
1.59.7 M 前60.2-後59.5
(12.6-11.0-11.6-12.2-12.8-12.3-12.3-12.0-11.4-11.5)

良発表ではあるものの直線ラストと向正面中ほど〜4コーナーは外を走らないと話にならないトラックバイアス
同日古馬2勝クラスの2000m戦が2.01.0で当日の中山は1200m戦以外はいかに外の馬場の良いところを走れるかグランプリ
インのボコボコ馬場を走った馬はロスなく立ち回ったとて不良馬場に近いスタミナとパワーが要求されるレベルだったのでここを通った馬の見直しは絶対的に必要

800〜1400mは緩んだものの前4F47.4-後4F47.2と道中の緩みがあと少し速ければ恐らく勝利していたのはジオグリフではなくドウデュースであったことから、もっと流れると思っていたという某騎手のコメントには???となるところもあるが、体感上の流れ的には決して遅いペースで進んでるとは思わなかったはず

とはいえ道中のあの緩みがラストの瞬発力勝負を引き起こした部分もあるので、単純に流れに流れていた場合にドウデュースらが脚が溜まっていたかどうかは疑問もある

皐月賞はnoteの投稿ができなかったが仲間内には◎ダノンベルーガ◯ジオグリフ△ドウデュースらという形で連絡はしたが、予想時点で東スポ杯以来のイクイノックスを馬券に入れなかったことが個人的な馬券の敗因

ダノンベルーガに関しては福永のブロックが上手すぎて震えたといっても過言ではない
イクイノックスとジオグリフのどちらかがダノンベルーガを内に閉じ込めるというプランはおそらくあったものと推測する
2枚目の写真の興奮した感じでジオグリフの先を行く前に興奮気味のルメールJの所作がそれを物語っていた

ダノンベルーガの皐月賞での位置取りについて
これだけ押し込められると・・

一見は最短距離を回っているし逃げたアスクビクターモアにしてもダノンベルーガとは0.1秒差だと思うのであれば、皐月賞の全馬パトロールに加えて当日の中山芝レースのパトロールはしっかりと見返した方が良いでしょう

特に向正面の中ほど過ぎから4角出口までの馬場は非常に悪く50mでもここを通れば失速するような状態で一体ダノンベルーガは何mここを走ったのかを考えればもともと右トモに古傷を抱えて不向きと言われた皐月賞で武器の末脚のキレを封じられての0.3秒差はあまりにも強い内容だった

あとは見返すたびに久々の分が出たと言われるもののジオグリフにダノンベルーガを閉じ込めさせておいて先に行ったイクイノックスが失速してジオグリフに突き放された内容についてはやや気になるところ

これは枠の問題に加えてキタサンブラックがなぜか中山で走らないというデータに目をやれば東京コースの方が参加の活躍も多く気にする必要はないと思うものの、イクイノックス自身が1800〜2000の馬であるということは捨てきれない疑問として残る

また、外から伸びてきた馬ではジャスティンパレスの3角過ぎでの動きで余計に外を回されたドウデュース、直線では内と外にオニャンコポンを押し込んだりマテンロウレオの前をカットするなど相変わらずやりたい放題ではあったので、オニャンコポンやマテンロウレオもラストで若干のブレーキはかかっている

強い競馬をしたという意味では勝ち馬のジオグリフはもちろんだが以下の順とする

1.ダノンベルーガ
2.ジオグリフ
3.ドウデュース
4.イクイノックス
5.アスクビクターモア
6.ジャスティンロック

最後になぜジャスティンロックをランクに入れたかに触れておく
パトロールを見たらわかる通りで馬場の悪いとこを避けようとする素振りが何度もあり我慢してボコボコのとこをギリギリ避けられず3角手前で後方2番手
一瞬外目に持ち出すのかと思ったが観念するかのようにロスを減らすための内選択
直線自体はそこまで馬場が悪くないので一瞬おっと思う脚を発揮したが坂で伸びが止まったが唯一内から縫うように鋭く伸びたあたり操縦性も悪くなさそうだった


・青葉賞 2400m 良(小雨)
2.24.2 H 前58.9-後60.3
(12.7-11.3-11.5-11.5-11.9-12.3-12.7-12.4-12.4-11.7-11.9-11.9) ※前6F71.2-後6F73.0

ゴール前の映像だけ観た人には3着のエターナルビクトリの脚が際立った映像のため、プラダリアもロードレゼルも失速しながらゴールしたという印象しかないだろうが離れた最後方待機の馬がハイペースで折り合ってのラスト3着なら鋭い伸びも当たり前の話

逃げた馬は早々にバテて3番手追走した馬と共に13頭立ての12,13着になったことからも速いペースから息を入れつつラスト3Fに向けて再度加速を要求されるスタミナ勝負

800mずつ三分割なら47.0→49.3→47.9とレースレベルの評価は人によって分かれるかもしれないが個人的には2番手から際どいところまで持ち込んだロードレゼルが最も強い競馬をしたレースだったという見方をしている

全体的に時計の速い決着が多かった当日の馬場を考えれば2.24.2は特筆すべき点のない全体時計ではあるが、勝ち馬向きの流れを粘り込んだロードレゼルがこの時のペースを再現すれば瞬発力以外のスタミナやパワーも求められるレースとなる可能性は見ておいた方が良い


・毎日杯 1800m 稍重(小雨)
1.47.5 M 前59.6-後47.9
(12.9-11.4-11.6-11.7-12.0-12.3-12.0-11.1-12.5)

昨年が1800mの日本タイレコードの1.43.9という超速時計だったことを考えると、馬場が緩かったとはいえ3.6秒もかかった今年のレースからこれという目を奪われるものはない

しかし当日は他のどのレースも時計がかかっていたことを考慮すると1.47.5という時計そのものは悪くなく、これまで好位差しの競馬をしてきた馬で逃げてコントロールして危なげなく勝利させたという点に重きを置いて見れば前が止まらず内側が絶対有利だったトラックバイアスを利用することもできる非常にクレバーな人馬だったとも言える

残念だったことはダービーに出てきたら間違いなく買っていたドゥラドーレスがこのレースでラストはすごい脚を見せたもののダービー戦線から脱落したことか


・京都新聞杯 2200m 良
2.09.5(レコード) H 前58.2-後59.2
(12.5-10.9-10.6-12.1-12.1-12.1-11.8-11.8-11.8-11.7-12.1) 

改めて見ても裏街道の3歳馬が出すタイムとしては馬場要因があったとしても凄い時計
後方から3番手のインでじっくり乗っていたアスクワイルドモアが脱落する先行馬や早めにマクったヴェローナシチーのおかげで外への誘導が抜群に決まったりと何から何まで向いたと言えばそれまでのレース

誰かのyoutubeチャンネルをつけっぱなしにしていた際に内目の枠からじっとしていて進路も空いて外に出せて展開が向いて勝っただけとコメントしていたが、そもそも今回のダービーでアスクワイルドモアが引き当てた枠を考えたらなんか凄くアレなんですよね、この馬に向いたら同じこと起きんの?って話でもある


・NHKマイルC 1600m 良
1.32.3 H 前45.6-後46.7
(12.2-10.5-11.4-11.5-11.8-11.1-11.5-12.3)

このレースについてもマテンロウオリオンにだけ触れれば良いが、前が崩れて後方から外を伸びてタイム差なしの2着で上がりはダントツで最速(レース上がりから-1.4秒)

ジャングロが出遅れてなければ勝ち馬はおそらくこちらだったのではないかとすら思うので、レースレベルそのものは微妙でもその中で1番見所のあるレースをしてGⅠで2着したのにここまで低評価で買えるという見方もできる

あの脚を引き出したのはいわゆるポツンが幸いしたわけでダービーでは更に距離の不安にも対応する必要があることからおそらく同じ形

追込馬にロマンを求めるなら過去の好走馬との共通点はまるで無いもののこの脚に賭けるのは一つの手かもしれない



[各馬について]
1.アスクワイルドモア [藤原:栗東] 
岩田望 11番人気
まずこの枠はダービーでは絶対的な好枠
そして穴馬が入った時に最も注意が必要
この枠なら京都新聞杯同様に溜めて溜めて4角で外にスライドするように持ち出すというレースを展開するはず
師弟コンビで初のダービーでそううまく行くとは思えないが東京2400mで複勝率40%の藤原厩舎、マークする手もあるか


2.セイウンハーデス [橋口:栗東] 
幸英明 16番人気
父シルバーステートの産駒として先週のウォーターナビレラに続いて初年度からオークス・ダービーへ出走馬を送り込んだことは評価
ウォーターナビレラ同様に母系は若干距離に不安を抱えるので2000m以上の距離と一気に強化される相手関係から普通は手が出ないが枠は良い


3.アスクビクターモア [田村:美浦] 
田辺  7番人気
東京コースで新馬戦ではジオグリフに、アイビーSではドウデュースに完敗したことからあまり良いイメージは湧きにくく今回はおそらく番手競馬
皐月賞は上手く乗って5着とあれ以上を望むのは若干酷かもしれないし距離も微妙に長い
ディープ産駒のダービーの相性の良さからは十分に狙える位置にいる馬だが前回ほど楽に行けそうなメンバー構成とは思いにくい点をどうクリアするか


4.マテンロウレオ [昆:栗東] 
横山和 17番人気
皐月賞は前をカットされたものの上がり2位で0.8秒差は少し厳しい
また、ダート短距離での活躍馬が多く兄にニシオキボオトという名を見た瞬間に東京2400m芝をこなせるのかとなると大きな疑問は残る


5.ピースオブエイト [奥村:栗東] 
藤岡佑 12番人気
未知の魅力ならこれだが多頭数競馬が初めてとなる点はやや不安
デビュー後の脚部不安から8ヶ月の戦線離脱を余儀なくされたものの無敗でこの舞台に立てるのであればこの人気で買わない手はないし、むしろこの馬のどこからでも競馬ができるスタイルなら多頭数になった方が活きる気がしなくもない
シルクの2番手、同じく脚部不安があったダノンベルーガが人気になる点を考慮しても同じ◯◯なら人気薄を狙えの格言に当てはまりやすい馬でもある


6.プラダリア   [池添:栗東]
池添 6番人気
青葉賞組から勝ち馬が出ないのは今に始まった話ではないものの今年もなかなかの素質馬が再度の東上
青葉賞のところでも触れた通りより魅力を感じるのはロードレゼルの方だが、この馬は2度の距離経験と瞬発力勝負にさせないような展開になればスタミナを活かして抜け出して粘る競馬もできるので大きな注意は必要になりそう


7.オニャンコポン [小島:美浦]
菅原 5番人気
枠としては30年も勝ち馬の出ない枠ということで厳しいことに変わりないが着争いなら期待できる
東京では百日草特別を勝利しているが時計もラップも平凡であの展開なら上がりももう少し速い時計が欲しい
エイシンフラッシュ産駒で2200m以上の距離をこなした馬が皆無なだけにこの人気では正直狙いにくいが菅原明が本当に不気味な乗り方をするので初騎乗とは言えども強心臓発揮なら狙えなくもない


8.ビーアストニッシド [飯田:栗東]
和田  18番人気
逃げて競馬した方が現状は良さそうだが強く推せる材料はなく、今回は同型でよりスタミナを活かせるタイプもいるのでかなり厳しい展開が待ち受けていそう


9.ジャスティンパレス [杉山:栗東]
デムーロ 9番人気
弥生賞で別の馬で武豊をお冠にした騎手が皐月賞でも他馬に迷惑をかける乗り方をした
あの走りを見て率直に思ったのは左回りの方が良いだろうし日本ダービーの活躍馬に多く該当する父ディープ×母父アメリカ血統という血の魅力
休み明けだったことを思えば皐月賞だけで見限るのは勿体ないしデビューから一貫して期待がうかがえる騎手起用
また、半兄のアイアンバローズ(父オルフェーヴル)がステイヤーとして活躍していることからも左回りの2400mへの延長は大幅な上積みを見込んで良い気はする


10.マテンロウオリオン [昆:栗東]
横山典 10番人気
最大の不安は距離経験のなさで1600mまでしか走ったことがない馬で過去ダービーで好走した馬は少なくとも過去16年では居ない
せめて1800mまでの経験をしていてくれればプラス材料として書けることもあったが、それでもNHKマイルCのあの脚は過去のデータなど全て無視して良い説得力はあった
外差し傾向の強いレースになれば買わない理由はないがローテ的にも安田記念ではダメだったのかな?という思いはある


11.ジャスティンロック [吉岡:栗東]
松山 15番人気
本音を言えばもう少し内の枠なら狙いたかった(より狙えたかも)という枠番発表だった
重賞制覇のコンビに戻るのはダービー以外のレースに限れば強調材料もダービーでの乗り替わりは歓迎できない
父リオンディーズからはステイヤーも出てきつつあるがこの馬の母系が明らかな短距離ダート志向な点もマイナスにはなりそう


12.ダノンベルーガ [堀:美浦]
川田 1番人気
いわゆる名だたる逆神と呼ばれる方々から本命として続々と指名されてレースの前から終わってるとネットがざわついたこの馬
3歳クラシックのダノックスだとか、マイル以上になった時の川田だとか今年は1番人気は勝てないとか粗品(生涯収支マイ億くん)の呪いだとかネガティヴキャンペーンはとどまることを知らない
・・・この馬の過去3戦のパフォーマンス見て買えないのであれば買わない方が良いんじゃないかな?というのが率直な思い

一週前追いの時計・動き・騎手のアクション見てたのかな?とか当週追いの手応えを見ても出来は堀師が言うには一段階上げれたとのことだが皐月賞から三段階近く上がった印象を受けたし四強の中では最も良い枠に入った印象もある

堀厩舎の東京2400mの相性の高さも含めて今年は関東馬がダービー取る年だなと改めて感じた

この馬以外を本命にする選択をするのは皐月賞で痛みが激しいところを通ったダメージが抜けない不安だけだったので、この2週の動きを見てその不安は完全に消し飛んだ

個人的にヴィクトリアマイルで過去最高のパフォーマンスをしたアーモンドアイの上をいくかもしれない調教だったので自信を持って本命にする覚悟はできた


13.ドウデュース [友道:栗東]
武豊 3番人気
仕上がり切った印象のあった皐月賞でまた運にも見放された感はあるが、あの友道厩舎が本当に皐月賞をピークに持ってくるか?となると疑問は残るし観衆にも全く動じない精神力の強さは大観衆の前でレース前の時間をすごす若駒にとって何よりも大きな武器になる

2歳時の東京のパフォーマンスは決して高くなかったし力がここでダントツか?となるとむしろ3強の中では明確に一枚劣ると思う
オーナー悲願の武豊と共に凱旋門賞へーが過去1番叶いそうな馬ではあるものの、騎手データ面で触れた通り1番人気になるか2番人気になるかで武豊Jの信頼度は天と地ほどの差が出てくるのでその辺りはオカルトではあるが最後まで注視したい
後ろすぎては届かないダービーなので中団でじっくり脚を溜めることが好走条件か


14.デシエルト [安田:栗東]
岩田康 14番人気
無理してまでいくとは思えないが皐月賞で躓いてこの馬本来の競馬ができなかったことを踏まえると逃げか番手で溜める形がベスト
だが、果たしてそう上手くいくかどうか短距離志向の強い厩舎だけに3歳クラシックも皐月賞以降となると厳しさは感じる


15.ジオグリフ  [木村:美浦]
福永 4番人気
皐月賞の勝ち方を見ると明確にナメられすぎの感は否めない
コントロールのしやすさもレースの勝負所での反応もこの世代ではダントツで高いものがあるし、パワーパワー言われてるけどなかやまきんに君でもないんでちゃんとスピード兼備であることは過去のレースを観ればわかる

自身がダートスプリンターだったドレフォン産駒が芝の中長距離こなせるわけがないという血統理論派を驚かせるような走りは見せてほしいという気持ちがあるし、血統論者ならドレフォンが母系を活かすことは初年度産駒の活躍だけでも気付いて当たり前の話
とはいえ、2400mで瞬発力だけが要求されるようであればダノンベルーガとイクイノックスに分が悪くなりそうなのは頷ける

過去の東京コースは共同通信杯で57kgを背負ってダノンスコーピオンに本番を見据えて0.2秒差であの競馬なら何も悲観する必要は無い
皐月賞で完全なピークでも無さそうな陣営のコメントも含めて牝馬路線に続く二冠の可能性はそう低くないと見るし、福永のコメントとして粗品くんが本命にしてくれてもかまわへんは非常に力強い自信の現れ


16.キラーアビリティ [斉藤:栗東]
横山武 8番人気
先週のオークスでデータ的に買い要素のなかったナミュールを3着に持ってきたあたりはようやく横山武がGⅠでの不振を脱しかけていると見るかどうか
かなり気温が上がりそうな府中と監修の熱気でイラついたり発汗が目立つ馬は出てきそうだが、真夏の小倉で勝っている馬だけに暑さに関しては心配せずに済みそうなところはプラス評価

かなり人気落ちとなったが個人的にはあまり買材料は無いと見ているものの叩いた上積みがどれだけあるか期待してみる手はあっても良いだろう


17.ロードレゼル [中内田:栗東]
レーン 13番人気
ドウデュースやマテンロウオリオンも短期で3度目の東上となるあたりは心配していないし青葉賞ではこの馬が強かったと思っているので、乗り替わりでの挑戦は残念ではあるものの過去のデータ全てを覆しての好走があっても良いレベルの騎手と厩舎力はある
前に行きそうな三頭の中では最も買いたかった馬なので枠はかなり厳しい条件になってしまう点が明確なマイナス点


18.イクイノックス[木村:美浦]
ルメール 2番人気
金曜オッズからどんどん売れて最終的に1番人気になりそうな勢いもあり、ベストパフォーマンスを発揮した東スポ杯2歳Sのラスト32.9という爆発力は素晴らしかったがあの時は1番枠で少頭数
皐月賞に続いての大外枠でルメールは先週18番枠から見事にスターズオンアースをエスコートしたのでむしろその残像が良い方に捉えられている感じもするがB→Cコース替わりとなると話は変わってくる

とは言え上積みに関してはこの馬とダノンベルーガが1,2を争うのは間違いなく、追い切りは時計こそ平凡だが毛ヅヤに関しては良化の一途を辿る
2週続けてルメールが乗ったから反応は良かった・・がその前の週に短期放牧から戻ってきて速い時計が1本だけで2週続けてルメールが乗って確認程度というのは間隔をかなり取らないといけない馬だったというオチも考えられるだけに過度な信頼は危険な可能性もある

この枠なので皐月賞のようにまたある程度出していって流れに乗るようであれば前がある程度飛ばしてしまった時に早めに抜け出して後続のキレに屈するような形がないとも言えない



[予想]
Cコース替わりの東京コースはそれまで外差し傾向が強くてもイン有利というのが例年の常識で、土曜の競馬でも道中インから直線も内ラチから3〜4頭くらいのところに持ち出した馬は道中外外を回ってきた馬に差されることはほとんど無かった

早めにインで折り合いをつけられる馬は人気がなくても警戒が必要になりそうで、外外をイクイノックスやダノンベルーガが早めに上がっていく展開になれば内から抜け出て外目に持ち出す馬にとってはそう大きな差はないかもしれない

本命は誰と被ろうがダノンベルーガと先週時点で確定させたので、あとはイクイノックスやドウデュースといったあたりは2着付けでは買うもののどう扱うか次第というところで皐月賞組だけで決まることがほとんどない日本ダービーでは積極的に穴馬も取り込んでいきたい

4強のコメントの中でも特に大きな自信が漏れ溢れていたのはイクイノックス、ダノンベルーガ、ジオグリフでこの3頭で決まってしまう可能性は決して低くはないとも感じた



◎ 12 ダノンベルーガ
◯ 15 ジオグリフ
▲   6 プラダリア
△  18 イクイノックス
☆  9 ジャスティンパレス
その他の紐候補
13 ドウデュース
 1 アスクワイルドモア
 5 ピースオブエイト
10 マテンロウオリオン
17 ロードレゼル

基本は印をつけたところで馬券は買うがNHKマイルのカワキタレブリーにしろ、ヴィクトリアマイルのローザノワールにしろ、オークスのスタニングローズやピンハイと圏内にとんでもない馬が来ているのも春のGⅠの傾向として忘れないでおきたい

皐月賞の10着以下はレース展開を含めても不要と判断したが、あまりにも人気が落ちている馬を再度狙う方は狙ってみてもというところか


フォーメーションA
1列目⑫
2列目⑥⑨⑮⑱
3列目⑥⑨⑮⑱
12点

フォーメーションB
1列目⑫
2列目⑥⑨⑮⑱
3列目①⑤⑩⑬⑰
20点

フォーメーションC
1列目⑥⑮
2列目⑫
3列目①⑤⑥⑨⑩⑬⑮⑰⑱
16点

フォーメーションD
1列目⑥⑮
2列目⑥⑨⑮⑱
3列目⑫
6点

この56点で金額分配して行こうと思います
イクイノックスはパドックと返し馬で1着塗るかどうか考えます

ドウデュースは来たら仕方ないくらいの諦めで買います

今年はどんなドラマが見られるのか楽しみ

100円だけ3着総流しも買おうかな?とは思ったが、自分の馬券のポリシーには反するので金額的に余裕があれば買う形にしたい


※言い訳
2週分の調教についての時計と動き、毛ヅヤなんかも含めて書ければ良かったんですが労力的にもアップする時間的にもここらが限界のようです
誤字や作りかけて抜けてるところがあるかもしれませんがフリック入力の無料予想なんでその辺りは許してください


それでは皆さんのヒーローがきますように

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