プロ野球とポケモンは大体同じ

あまりにも突然プロ野球にハマった。友人たちが「なぜ野球???」と一斉に不思議がるほどにそれまでのわたしはスポーツに縁が無い人生を送っていたにも関わらず。プロ野球中継を自ら望んで観る日々が訪れるとは自分でも想像もしていなかった

わたしはシカゴ実業(=ふたりとも阪神ファン)が好きなので、その影響で?とよく聞かれるし、実際初対面の人に野球を好きになったきっかけを聞かれると「元々お笑いが好きなんですけど、応援してる芸人さんが阪神ファンで~」と返している。もちろん最初のきっかけは間違いなくシカゴ実業ではあるけど、単純にそれだけではここまで順調に沼落ちしていないというのも確か

人生で初めてまともに野球に触れたのは祇園の木﨑さんが主催する「ラブとら!」だった。その名の通り阪神ファンの芸人が集い阪神について語るだけのライブ。そこにシカゴ実業が出演していたので野球は一切わからないながらも観に行った。このライブ、正直めちゃくちゃ楽しい。野球を知らない方でも好きな芸人さんが出ているなら観に行く価値があると思う。その後もラブとらは不定期に開催され、わたしは毎回観に行っていたが、せっかくだから実際にテレビで野球の試合を観てみよう!とは全くならず、3回目くらいまでは野球の知識ゼロのままで楽しんでいた。その辺りはフットワークが重すぎるというか何と言うか。本気で興味を持たないと動かない性格なので仕方がない

しかし我ながら呆れるほどに気まぐれな人間なので、なぜかある日突然に野球中継を観てみる気になった。ああ、近本やん、木浪もわかる、ガルシアって髪の毛赤やったり金髪やったりする人よな?!という感じで知らない間に選手の名前が頭に刷り込まれていたらしい。野球なんて1ミリもわからんはずなのに自分でもびっくりした。数学や国語の漢文の授業みたいなもので少しでも理解できる部分があると途端に楽しくなってそこからは毎日野球を観るようになり、順調に知識を吸収していった。ちなみに当時のわたしがどれくらい野球の知識が無かったかというと、そもそも何人でやるスポーツかがわからない。どうやったら点入るかも謎、ホームランもあんまり意味わかってないし表と裏って何?ヒットとは?盗塁なんて以ての外、というレベル

わたしが野球を観るようになったのは2019年の9月。シーズン終盤も終盤である。もう阪神はBランク確定の雰囲気だったはずだが最後に奇跡の6連勝、なんか中日が広島に勝って阪神に負けてくれたお陰でCS進出が決定した時期ですね。恐らく阪神ファンとしては猛烈に面白いタイミングで野球に興味を持ってしまった

そして横浜とのCS初戦の10月5日、先発の西勇がド頭から炎上して負傷降板し、その後もボコボコにされて一時は7対1で阪神が負けていたあの試合。北條の3ランホームランで詰め寄り北條のタイムリー3ベースで逆転した。あのタイムリーはリアルタイムで観ていて震えた。もう絶対無理やろと思ってたのにひっくり返せるもんなんやと。初めて野球で感動したし、ヒーローってこういうことか!と実感した。わたしに野球の面白さを教えてくれたプロ野球選手が北條だ

その翌月、高知県安芸市で秋季キャンプが始まった。野球ド素人のわたしは「そもそもキャンプとは??」という段階だったものの、選手の練習を観れるらしいと理解して、参加メンバーが発表されてからは「行きたい!」一択だった。高知でしょ?すぐそこやん!くらいの。興味を持たないと動かないわりに興味を持ち出すとめちゃくちゃ動きますねわたしは

ひとりで高知に乗り込んで、初日は練習終わりかけの時間に到着した。はじめて生で見たプロ野球選手は梅野だった。野球選手って実在してるんや!!!が最初の感想。ちょっと本気で童心に返ってしまった。トスバッティングする梅野を熱心に見つめていたら前に居たお兄さんが場所を譲ってくれて、しばらく特等席で梅野を眺めることができた。ありがとうございました

翌日は紅白戦が開催された。なんと初めて生で観る野球の試合が阪神の紅白戦。これって結構貴重な経験なのでは。紅白戦だけあって梅野がレフト守ってたのが印象に残っている。そしてこの日は「紅白戦が終わったら希望者はグラウンドに降りて来て下さい、全員で記念写真を撮りましょう!その後監督コーチ選手全員とハイタッチ会をやります」というイベントのアナウンスがあった。これは完全に目と耳を疑った。ハイタッチ会???希望者全員と???プロ野球選手が???タダで????

2000人の観客、50人くらいの選手たち、ということでもちろんハイパー流れ作業ではあったが、これはとんでもない思い出作りをさせてもらった。先頭の矢野監督がめっちゃ笑顔で「ありがとうね!!」と手を出してくれて、いや2000人全員にその笑顔で声かけてるのファンサえぐすぎるやろバケモンやんかと思うなどした(褒めてます)

流れ作業故に選手に話し掛けていい雰囲気なのかはわからなかったが、こんな機会は二度とないかもしれないので、北條を目の前にしたときに思い切って「北條さんのお陰で野球好きになれました!」と伝えた。一瞬驚いた顔をしてからヒーローインタビューでよく見るあのダルそうな喋り方で「ありがとうございまーす!」と返されたのがなんかすごくリアルだったし、めちゃくちゃ北條だな~と思った。そして北條の真後ろに居た近本にはそれが丸聞こえだったようですごいにやつきながらハイタッチしてくれた

鮮烈な現場デビューを果たしたものの、まだこの時点では「甲子園球場で野球を観たい!」とは一切思っていなかった。だって甲子園ってなんか怖そうだし治安悪そうだし。そもそも野球ってテレビで観た方が絶対わかりやすいやん!甲子園で観ても何が何だか理解できなさそう、とマイナスな印象ばかり

翌年、コロナ渦で大幅に開幕は遅れたが何とか無事にプロ野球シーズンが始まって、もちろん毎日テレビ中継を観ていた。そして急に閃いてしまった。入場制限してる今ならひとりでも甲子園に行きやすいのでは??前後左右の席は確実に空いてるし、それなら快適に観れそう!テレビの方が観やすいのは間違いないけどやっぱり1回くらいは甲子園経験しとくべきよな、そうと決まれば話は早い。というわけで閃いた次の日くらいにはチケットを買っていた記憶がある

初めての甲子園、阪神は負けてしまったけど9対5のなかなかド派手な試合で非常に楽しかった。なんと糸原のホームランまで見れたので。内野のそこそこ良い席だったのもあると思うが実際行ってみたら治安も特に悪くなく、周りに居たのはかなりの野球オタクばかりで自然と聞こえてくる会話が解説みたいだった。お陰でより楽しめました。楽しすぎたから次の週も甲子園に行くことにした

2020年7月21日、わたしにとって2回目の甲子園。途中からショートの守備が木浪から北條に替わった。代打でもなく守備から交代???なぜ???とは思ったものの試合に出ている北條を生で観れるというだけで本当にうれしかった。ちなみにこの時点で開幕から1ヶ月ほど、北條は未だノーヒットという成績だった。攻守交替で北條が打席に立つ、打球はどんどん見えなくなって気付いたら外野のお客さん達が物凄く盛り上がっていて、ああホームランを打ったのかと理解した。今季初ヒットがホームラン、それを実際に現場で観ることができて普通に泣いた。かっこよすぎる。やっぱり北條はわたしのヒーローだと思った。その後もタイムリーを打って、最後にエラーしかけるというところまでひっくるめて北條。周りのお客さんも「もう北條~!しゃーないな~!!」という雰囲気で、めちゃくちゃ愛されてるなと和んでしまった。まあ打ってて勝ってたからこそではあるけど。わたしが初めて生で観たヒーローインタビューは北條と糸原という組み合わせだった。何気にこの日も糸原はホームランを打っている。生で糸原のホームラン2回も観てるわたしすごくないか???!

プロ野球が好きな人=スポーツが好きな人、だといままで思っていたが、実際に自分がハマってみると一概にそうとも言えないのかなと感じる。元々わたしは子供の頃ポケモンや遊戯王が大好きだった。ジャンルとしてプロ野球は限りなくそのラインに近い。野球のルールを学ぶためにスマホでプロスピも始めてみたが、あれは集めて育てて戦わせるという点で実質ポケモンだ。しかもプロスピなら登場するキャラクターが全員実在している。こんなん楽しいに決まってる!知らない選手が出てきたら調べるし、バッターの得意なコースやピッチャーの球種、それを踏まえた対戦の相性、そういうのを学んでわくわくする感覚は妙に懐かしい。きっと子供の頃にゲームに夢中になった記憶が蘇るから。あと元お笑いオタクとしては野球の試合を観ていてもどうしてもツッコミどころを探してしまいますね、探さなくても勝手に目に入ってくるというべきか。試合の勝ち負けはもちろん、ゲームとしてもお笑いとしても楽しいし、ワーキャー目線で見るのも楽しい。意外とプロ野球って全ジャンルのオタクに対応したエンタメなんじゃないかと思ってます。わたしは未だにスポーツに対しては興味がないけれどプロ野球は自分の性格(性質?)にかなり合ってた。それこそ野球なんて一生付き合っていける趣味だと思うので老後の楽しみが増えました

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