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素人と読む旧約聖書⑥アブラハムの子は8人の子(?)

 素人と読む旧約聖書シリーズは、筆者が、作家であり絵画など美術作品に詳しい中野京子大先生の本を読んで、歴史や美術に関心を持ち、その中でも特に興味を抱いた「聖書」の分野を、皆さんにも理解してほしいという思いから始まりました。ちなみに、筆者は万物において素人なので、どうか温かい目で記事をご覧願います。
 参考にさせていただいた中野先生の著作はこちらになります。是非、購入を検討いただけたら私も嬉しいです。
 Amazonリンク:中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇
         著:中野京子・文藝春秋社


1.アブラハムについて

 前回までのあらすじ。旧約聖書『創世記』第11章では、人々が大きな塔を建てようと計画するが、神の逆鱗に触れ、残念ながら失敗に終わる。そして、第12章からは新たな登場人物に、焦点が当たる。

 ノアの息子セムの遠い子孫にあたる人物に、アブラハムという男が誕生する。アブラハムは、ウル(現在のイラク辺り)で生まれたが、ユダヤ人ということから差別に苦しみ、ハラン(現在のトルコ辺り)に移り住む。
 そして、彼が75歳の時に、神から「親族や住居を捨てて、私の指し示す場所へ向かえ」と言われる。アブラハムは、妻のサラ(多分クソ美人)と甥のロトを連れ、カナン(指定された場所)へ移住を決意する。
 そこで、アブラハムは、先住民を押し退け生活するが(神が後ろに付いてるから多分おk)、飢饉に見舞われる。なので、あろうことかアブラハムは豊かな国エジプトへと移住を決意する!!!

 とここまで、結構アブラハムは滅茶苦茶な奴なんだなと。一体、アブラハムの運命は、、、

2.偽・出エジプト

 エジプトについたアブラハムは、綺麗な妻サラを連れていると、自分が危ない目に合うかもしれないと考え、妻のことを「妹だ」と嘘をつき、サラをエジプトのファラオ(一番偉い奴)に差し出す。そして、その代わりとして、たくさんの家畜や奴隷を受け取るのであった。アブラハムはそのおかげでとても裕福な家庭へと生まれ変わる。

 とそんなことしたら、当然、神が激おこする。神はファラオと王家に災いをもたらす。ファラオは、アブラハムのバックに神が付いていることを悟り、アブラハム一家をエジプトから追い出す。一家は、カナンへと逆戻りするのであった。

 エジプトから出ると言えば「出エジプト」が有名だろう。エジプトで奴隷として扱われたユダヤ人が、モーセに率いられてエジプトを脱出するという話である。旧約聖書の『出エジプト記』に記述がある。
 モーセ達は、紅海を渡ることに苦戦するが、なんと海が2つに割け、そこに道ができることによって海を渡ることに成功するという、なんとも壮大な物語である。
 それに比べると、災いをもたらすとしてエジプトを追い出されたアブラハムは情けない。だから偽・出エジプトと名付けることとする。

3.割礼

 偽・出エジプトで第12章が終了する。そして、少し飛んで第17章。
 アブラハムが99歳の時、神のお告げにより、「割礼」を受ける。その理由は、神との契約をするものは、身体に契約の印を入れることにより、神への信仰心を示すことができるからである。
 確かにこれは、まあそうかと思った。自分が組織や集団のメンバーであることを示すのに刻印や、もっと砕けた言い方をすればタトゥーを入れることは歴史上存在してきた。その始まりと捉えていいだろう。
 それにしても、99歳にして割礼は意味がないんじゃないか??と感じたそこのあなた。アブラハムは100歳の時にサラとの間に、息子の「イサク」を授かっている。意味あったかもねーー
 今回のサムネイル画像は、Wikipediaよりお借りしました。「割礼」についてもっと詳しく知りたいかたはこちらも参照してどーぞ

4.童謡

 アブラハムと言えば、『アブラハムの子』という童謡を思い浮かべる人は多いのではないだろうか。その歌詞によると、アブラハムは7人の子がいて、そのうち1人だけ背が高いらしい。
 この歌詞を解釈してみよう。まず、アブラハムには、エジプトで出会ったハガルとの子「イシュマエル」、妻のサラとの子「イサク」、そして、サラが亡くなったあとの後妻ケトラとの子「ジムラン」「ヨクシャン」「メダン」「ミディアン」「イシュバク」「シュアハ」の合計8人がいる。
 うーん、8人いるね。

 これについては、おそらく「イシュマエル」はハガルと共に捨てられるので、7人の子としたのだろう。また、後妻との間の子は、「イサク」と年齢が離れているので、1人だけデカかったってことだね。飲みの席で是非この雑学を披露してみてね。めちゃくちゃ嫌われると思うよ。

 次回は、「イサク」について深堀していく。お楽しみに。

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