素人と読む旧約聖書④ノアを運ぶね
素人と読む旧約聖書シリーズは、筆者が、作家であり絵画など美術作品に詳しい中野京子大先生の本を読んで、歴史や美術に関心を持ち、その中でも特に興味を抱いた「聖書」の分野を、皆さんにも理解してほしいという思いから始まりました。ちなみに、筆者は万物において素人なので、どうか温かい目で記事をご覧願います。
参考にさせていただいた中野先生の著作はこちらになります。是非、購入をいただけたら私も嬉しいです。
Amazonリンク:中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇
著:中野京子・文藝春秋社
1.500歳・700歳
まずは、前回までのおさらい。アダムとイヴの息子のカインとアベルは、神に振り回され、カインがアベルを殺害するに至った。残ったカインは、移り住んだ場所に町を設立し、妻や仲間たちと共に暮らしを続ける。ここで『創世記』第4章が終了する。
さて、カインがアダムとイヴの元を去った後、新たにセツという息子が生まれた。第5章では、セツの子孫の情報が書かれている。名前や年齢が書かれているのだが、驚くのはその年齢だ。500歳や700歳という年月を生きている。
そういえば、これまで触れてこなかったがこの物語に出てくる人物はみんなクソ長生きである。900歳とかまで余裕で生きる。そう思うと、エデンの園にて不老不死の実を食べなくても、実質不老不死みたいなもんだから、別に構わなかったのかもしれない。
2.ノアの箱舟
信仰心というのは親から子供に遺伝しない。
統一教会の二世の問題では、親の影響で統一教会に無理やり入会させられる宗教2世が、そんなもの全く信じていないのでとてもつらい状態にあるという苦悩を聞く。
『創世記』でも、セツの子供に、子供に世代が移り代わるにつれて、神に対する信仰心というのは薄れていってしまった。また、徐々に人間は堕落していった。短気である神はその様子をみて、ひどく憤慨した。
神は人類を全滅させようと企てる。
なんとも勝手であるが、神は今までもそうであった。しかし、人類のなかに唯一の善人がいたのであった。彼の名はノア。セツの遠い子孫にあたる人物だ。神はそんなノアと妻、子ども(セム、ハム、ヤペテ)そして仲間の合計8人を助けてやろうと感じたのであった。
神は、ノアらに対し大きな方舟を造らせ、その舟に彼らとすべての動物のオス・メス一匹ずつを乗せるように命じた。それから舟が避難するのを神は見届けた。
そして、神は雨をずっと降らせ、洪水を起こすことによって、地上の全てを死なすことに成功した。水が引いた後に、神はノア達に対し、2度と人類を滅ぼさないことを誓い、その証として空に虹をかけた。
ちなみに、ノアが方舟を造った時が500歳くらいで、このあと950歳までめっちゃ生きた(笑)
3.評価
人間の堕落と神罰のどっちが悪なのだろうか?
この評価は難しい。人間は極めて愚かな動物が故に、堕落を繰り返す。そのたびに、神は神罰を下す。この構造で物語が進むので致し方ないのか。
次回は、有名な塔が登場します。お楽しみに。
4.魚人島
ノアの方舟というのは、旧約聖書に詳しくなくとも聞いたことがあるのではないだろうか。2023年のMrs.GREEN APPLE のライブの名前が「ノアの方舟」だったように、一般にも広く知れ渡った舟ということになるだろう。漫画ワンピースでは、魚人島編にて方舟ノアが登場する。
魚人島は、新世界最初にルフィたちが訪れる島で、海の中にあり魚人が住んでいる個性的な島である。魚人島は、いつか滅ぼされる運命にあると予言されており、海底から地上に脱出するために、この方舟ノアを利用する予定だそうだ。そうなると、旧約聖書のノアの方舟とはなんだか反対の存在な気もしないでもない。
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