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【猫まど日誌】#2 桃、ほんまるの棚主になる


最初に、軽く自己紹介を。(←今更)

名前は桃(もも)。偽名である。

…いや、偽名って言葉悪いな。
読書アカウントを始めた時に考えた名であるが、今ではこの名前でいる時の方が心に平穏を感じている、ただの本好きである。
ほんまるで30節4章『猫は本棚でまどろむ』の棚主をしている。
屋号を略して『猫まど』。よってnoteのタイトルは『猫まど日誌』とした。

『ほんまる』を知ったのは、今村翔吾先生のSNSによる重大発表だ。
何を隠そう。自分は今村翔吾先生の激推し担である。
先生以外の本ももちろん好きだし、他にも大好きな作家さん達も沢山いる。
ただその中でも今村先生は特別で、本はもちろん、そのお人柄にも惚れている。夢は殿の側室になるぐらいに惚れている。(←知らんがな)
故に著作を読むだけではなく、SNSでの情報収集はもちろん、各種メディアもチェックしているので、『ほんまる』の事もすぐに知る事ができた。

―――あぁ、とうとう始まったな。

お前は何様だと殴りたくなるような上から目線だが…。
最初に知った時の気持ちは、それだった。
先生は以前から、出版業界の活性化、書店の復興を考えて行動していた。
きのしたブックセンターを皮切りに、佐賀之書店のオーナーにもなり、作家業を行う一方で、書店経営にも本気で取り組んでいる。
思えば、コメンテーターとして出演していたNスタで「シェア型書店」が取り上げられた時、「非常に興味を持っている。独自で調べてもいる」というような発言をしていた。
きっとこの頃には既に、『ほんまる』プロジェクトは始動していたのであろう。

だから、改革の為に何か大きなことを始めるはずだという気持ちがどこかにあり、『ほんまる』を知った時、今までの全てが繋がったような気がしたのだ。

https://twitter.com/honmaru_jinbo/status/1768442005280199145

場所は本の聖地、神保町。パートナーは佐藤可士和さん。
スケールの大きさに圧倒され、とんでもない事が始まる予感がした。

でも…。
この時はまだ、自分が棚主になろうとは思っていなかった。
神保町は本好きにとって憧れの地であるが、だからこそより遠い場所のようにも感じたし、実際に北海道からは遠く離れている。
発表後の反響はもの凄く、出版社やプロの作家さんも棚主になると、続々と手を挙げている。
その中で、本屋さんで働いたこともなければ、出版とは何も関りのない仕事をしている自分。本好きはいえ、周りの読書家さん達からみれば初級者レベル。SNSの読書アカウントだってインフルエンサーどころか、細々とマイペースにやっているだけの凡人。

こんな何者でもない自分が、棚主になる…?

アムロが初心者にしていきなりガンダムに乗り、赤い彗星と呼ばれるシャアに立ち向かう程の無謀さだ。
だが、アムロには素養があれば、説明書を読んで理解できる知識があった。その点自分には、経験もなければ知識もない、文字通りただの素人である。
そんな素人がシャアやランバ・ラルと同じ戦場に立つと…?

無謀にも程があるだろおっ!!!
(…この例えでわかってくれる方はいるのだろうか?)

それに、他のシェア型書店に比べて親切な料金設定とはいえ、月額料金のランニングは厳しい。プランにもよるが、少なくとも約月5,000円の出費だ。
それだけあれば、本を何冊買えるのか…。(お金の基準は本)


じゃあ…やらないのか?


そう思い至ったところで、既に棚主を羨んでいる自分に気が付いた。
自分が好きな本を、好きなように並べる。
大好きな本を、誰かに伝えることが出来る。
SNSでただ感想を呟くだけではない。
自分が選んだ大好きな本を、手に取ってもらえるかもしれない。
なんて楽しそうで、魅力的な世界なんだ―――


以前から、書店員さんに憧れていた。
POPを書いたり、装飾で飾り付けたり、思い思いのやり方で本を届けている書店員さん。それはどれも愛と情熱がたっぷりで、自分はいつも魅了されてきた。
あの書店員さんが推しているからと、買った本も少なくない。
SNSで見かけたPOPに惹かれて、買いに走った本も数知れず。
可能であれば、”推し書店員さん”のお店に行って本を買いたいのだが、残念ながら道外の書店さんばかりで叶う機会は早々にない。

どんなに素敵な本であれ、届ける人がいなければ本は読まれない。
大好きな本を広めたい、もっと知って欲しいと思っても、自分は書店員ではないから買うしかできない。なんてもどかしいことか。

自分は幼い頃から本が大好きだった。本に救われてきた人生と言っても過言ではない。きっと…いや確実に。本と出逢えなければ、自分の人生は全く異なる、色褪せた世界だった。
この出版不況だからこそ、本をより強く応援していきたい。本の灯を絶やしたくない。
それなのに…一人の読者である自分には何も出来ない。

本当に本を売りたいなら、本屋さんで働けばいいと言われるかもしれない。
自分でもそう思うし、何度もその事は考えた。何故今自分はここで働いているのか。転職なりなんなりすればいいじゃないか。
だが現実問題、すぐに転職することは難しい。
一番の課題は、正直に言って金銭面。書店員となったら、今の生活を維持していくことは出来ない。自分だけの生活ならどうとでもなるが、子どもに影響してしまう事はどうしても避けたい。

じゃあ、今の自分に出来ることは何か。


―――棚主になればいいじゃない。


道が、見えた気がした。

本を応援したい熱。
大好きな本を広めたい想い。
書店員さんへの憧れ。

棚主になれば、全てが叶う。


懐具合の厳しさは変わらないが、ランニングコストも、考え方を変えれば大した問題ではなかった。
推しへの課金と考えればいいのだ。(←は?)

自分はそもそも今村先生の激推し担であり、作家活動だけではなく、書店経営やホンミライなど、出版業界への働きかけも応援している。(先生を好きになった大きなきっかけの一つが、「きのしたブックセンター」の経営だったりもする)
先生の本への熱い想いは、浴びるように感じてきた。
けれど、その活動にも自分は何も貢献出来ていない。
本と一緒で、ファンは応援することしか出来ないのだ。
ファンだから出来ることもあるが、ファンだから出来ないこともある。
ファンという立場は、なんてもどかしいものなのか…。(←ただのオタクの葛藤)

それでも棚主になれば、少しは力になれるかもしれない。
それこそ微々たるものだが、『ほんまる』の棚枠が一つは埋まる。『ほんまる』の経営上、月額費用は確たる収入源だ。たった364分の1であろうと、貢献することができる。
となれば、月額費用は『ほんまる』への投資と考えてもいい。
つまり、推しへの課金だ。(←個人的見解です)

あわよくば棚で本が売れれば、手数料もほんまる収入の一部となる。出版業界へ改革を起こす為には、『ほんまる』の活性化は欠かせない。
ならば自分が棚主として頑張る事が、先生が反撃の狼煙をあげて闘う支えに繋がるのではないか。
例え、足軽一兵程度の力だとしても。
殿の下で、この身で先陣を駆け抜けることが出来る。
それこそ本望ではないか。

ならば、喜び勇んで戦場へ参ろう。

寧ろ、推しへ課金出来る幸せをありがとう!!!(←ちょろいオタク)


斯して、好きと憧れと、ほんの少し特殊な推しへの想いが重ねって、棚主への道を歩む決断をしたのである。


さてさて。
とはいえ、無謀な挑戦には違いない。
先生は「気軽にやって欲しい」と仰っていたが、やると決めたからには本気でやらねばと思ってしまう根が真面目な自分。(←まだ言うか)
一体、どうなることやら。

まず最初に始めたことは、自分の本歴史を振り返ることだったが…それはまたいずれ。

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