見出し画像

2020/04/29 チューニング/懐かしい

ポストに葉書を投函する。
いつもの公園には葉桜、ハナミヅキ。
今日気がついたのは大きく咲いたバラの花。

先日友人から届いた便りには「本調子でない時にはよく知っている、チューニングに苦労しない作家がいいな、と。」とあった。なるほどなあと思う。
出掛けるときに必ず本を鞄に入れる。読みかけのものがあればいいけれど、出掛けに一冊選ぶとき、未読のものであればどれでもよさそうなものを「これは今日は違う」「気分じゃない」なんて言ってしまう。たくさん服はあるのに「着るものがない」と思うのと同じ。むしろ着るものを選ぶよりも、本を選ぶときのほうがあれこれ迷ってしまうように思う。これは彼女の言う「チューニング」をしている状態で、その日の気分に周波数を合わせようとしているのに、目当てのラジオ局にちっとも合わない、そんな感じだ。

このことは本だけではなく、音楽にも言えることだ。好きな音楽でも、こちらの調子によってはしっくりこないことがある。その一方で、長く聴いていなかった曲なのに、無性に聴きたくなることもある。

今朝、先の便りを読み返していて、なぜか聴きたくなったのは、くるり《ばらの花》だった。
くるりは学生の頃は随分聴いたしライブにも何度か行った。初めて行ったくるりのライブは、便りの彼女に誘ってもらって一緒に観た。大好きになったばかりの《ワールズエンド・スーパーノヴァ》を聴けて嬉しかったのを思い出す。

頭の中に流れる身体に染み込んだ音楽。そんなことを考えながら葉書を投函して、目を向けた先にあったのが、件のバラの花。こういうのも一つのセレンディピティなのだろう。

写真を撮ってみると、今見ているのになんだか随分昔に見たような懐かしい一枚になった。

画像1


投げ銭用のかごのつもりでサポートエリアを開けております。よろしければお願いいたします。いただいたサポートは本の購入に充てようと思います。(あ、でもプリンを食べてしまうかも。)