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博報堂生活総研による定点観測

「博報堂生活総合研究所」という
シンクタンクがある。

「生活者」という言葉が人口に膾炙
するようになった背景には、
このシンクタンクからの情報発信に
よる貢献が少なからずあっただろう。

なにしろ、41年も前に創立され、
「生活定点」という調査を30年に
渡って粛々と継続してきた実績を
持つのだ。

この「生活定点」調査は、2年に1回
実施され、都度その内容がオープンに
されている。

ニュースリリースも出されており、
様々なメディアで取り上げられるため、
ご存知の方も多いかもしれない。

このサイトで、
「データそのまま、マンガにしてみた」
という企画が展開されている。
これがなかなか秀逸。

調査結果から得られた、
昔の若者と今の若者の「生態」に
基づいて、それぞれの青春模様を
コミック化。

30年前の1992年、バブルが弾けた直後で
あったが、まだその認識が広く浸透して
いなかった頃の若者。

2022年、コロナ禍が少しずつ収束へと
向かいつつある現在、スマホが普及し、
オンライン/バーチャルで知り合うのが
当たり前となった時代の若者。

それぞれの世代の特徴を、
データを基に忠実に再現する形で
ストーリー展開がなされていた。
改めて、この30年で色々なものが
変わったことがよく分かり、
とても興味深く、つい引き込まれる。

「定点観測」が大切だという話は、
以前にも何度か書かせてもらっている。

この「定点観測」を、日本の生活者全体を
対象に行うという、壮大な規模の試み

30年も続けてきたわけだ。

集めてきた膨大な調査データから、
これまた膨大な数の生活者のインサイト
(消費行動へと駆り立てるホンネ)

ひもといてきたのだろう。

そして、それらの有用な情報を、
グループ各社と共有し、育みながら、
事業展開に役立てているのだろうと
推測するところである。

やはり、定点で見続けることで、
変化の量、質、中身などがよく理解
できる
のは間違いない。

最新の調査結果発表においては、
今年「過去最高」を更新した項目と、
今年「過去最低」を更新した項目とが
共に列挙の上で紹介されているのだが、
聴取開始時点との差、即ち30年間で
どれだけ差が付いたかというのが
分かる趣向となっており、興味深い。

特に気になったのは、
「携帯電話やスマホは私の生活になくては
ならないものだと思う」

という質問に肯定的な回答をした人の割合。
30年前は34.1%だったのが、今では72.8%
2倍以上に増えている。

そう、僅か30年前は、携帯電話など
ないのがまだまだ当たり前だったのだ。
そんな携帯電話だって、30年後にまだ
存在しているかと考えれば、実のところ
かなり怪しいとみている。
少なくとも、今の形状からは劇的な変化を
遂げているに違いない。

過去と今をじっくり見比べることで、
どんな将来がやって来るかの手がかりが
微かながらも見えて来る。

そんな「妄想」「空想」のお供に、
この調査結果を使ってみると良い
かもしれない。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。