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ファーストペンギンとファースト始祖鳥

リーダーシップの話でよく引き合いに
出される「ファーストペンギン」。
ペンギンの群れが、氷の上から海に
飛び込んでいく必要があるとき、
みんながためらう中で最初に
「エイッ」とばかりに飛び込む
個体を指している。

天敵がいるかもしれない、でも
魚を獲って食べないと生きられない、
多くの仲間が逡巡する中、
一匹が飛び込むと、その後は
雪崩を打ったように次々と続く。

この「ファーストペンギン」に
着想を得て、「ファースト始祖鳥」
なるユニークなコンセプトを
唱え始めたのが、フリーの社会活動家
であり、デジタルファシリテーター、
非暴力アナーキストなどを自称する
田原真人さん。

始祖鳥というのは、ご存知の通り
鳥の祖先であり、元祖とでもいえる
生物の俗称。
実際に飛べたかどうかは諸説あるが、
ここでは学術的な話をしたいわけでは
ないので、あくまで鳥へと進化する
過程で最初に飛べるようになった生物
のことを指している、位に考えて
話を先に進める。

田原さんの説く「ファースト始祖鳥」と
いうのは、

実は飛べる能力を持っている始祖鳥たちの群れの中で、「この翼で飛べるんじゃね?」という可能性を発見し、実際に翼を使って飛んでみた個体

というような状況を指して名付けた
ものである。
とても興味深いアナロジーだ。

私たちは、社会という基盤の下で、
自身の物語を紡ぎながら、日々を
生きている。
その社会基盤が、リアル100%だった
ところから、徐々にバーチャルの割合を
高めてきているわけだが、
その流れがコロナ禍により一層
促進された感がある。
これは、一つの新しいカルチャーであり、
ライフスタイルである。

そのような、新しいカルチャー、
ライフスタイルが生まれゆく中で、
自分自身の新しい可能性を見つけ、
自分自身の物語(ナラティブ)を
進化させていこうよ!
そんなメッセージを、田原さんが
主催してくださった
「オンラインじぶん大学構想」
を語るイベントで受け取った。


終身雇用がもはや実質的には崩壊
していると言われる日本の現状に
おいて、「寄らば大樹の陰」的な
態度、思想に甘んじていては、
直近の数年は何とかなったとしても、
5年、10年単位では間違いなくジリ貧
への道をたどる可能性大である。

安定なき社会、
安心できる要素が少ない現実、
これが実に恐いのは確かだ。
しかし、恐怖を克服して、
自分の可能性を信じ、
エイッと飛んでみること。
「ファースト始祖鳥」に自らが
なること。
田原さんの「アジテーション」で、
すっかりその気にさせられた。

もう一つ、田原さんが語っていたことで、
「多層的所属」
というキーワードがあった。
「自立とは、多くのものに所属すること」
という逆説的な真実があり、
独りで何でもやるというよりは、
頼れるところを増やすことでリスク分散
ができて、結果「自立」が図れる。

自分の中に眠る可能性を、
ただ一つの会社や組織のみでフル活用
することは難しいはずで、複数の
組織、コミュニティにおいて様々な
可能性を試していけばよい。
副業、複業が一般化しつつある今の
時代を、鮮やかに切り取った表現だと
感じ入った。

私自身、既に「多層的所属」への道を
突き進んでいる気がするが、ここで
大切なことは、やはり「貢献」であり、
「価値提供」であろう。
関わる組織、コミュニティにおいて、
どれだけの価値を提供して、実際に
貢献をなすことができるか。

自分の可能性を見つめ直し、
「ファースト始祖鳥」として
複数分野で飛んでみること。
そこで、「多層的所属」をしながら、
その所属するコミュニティで最大限の
価値提供を行い、貢献をなすこと。
少々堅苦しい、あるいは分かりにくい
表現が多くて恐縮だが、今日の話を
まとめるとこんなところであろう。
さぁ、実践あるのみだ。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。