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「顔パンツ」という表現

ここ数日で、一気にネット上にて話題に
のぼったらしき言葉。
マスク生活が長引き、もはや下着と同じ
「なくてはならない」ものとして
マスクを捉えるようになった心情を
短い言葉に託した表現。

「顔」とは全く関係なさそうな
「パンツ」を組み合わせることで、
あまりにもキャッチーに仕上がった
感のあるこの表現、
ネット上で話題沸騰するのも
分かる気がする。

洋服を脱いでいくときに、ほとんどの
人が最後に脱ぐのはパンツだろう。
最も大切なところでもあり、
最も恥ずかしいところでもある、
陰部を守り、隠しているパンツ。

そんなパンツを、顔に着用するという
意味合いから、
「顔を隠したい」
「顔を見せるのは恥ずかしい」

そんなホンネ、インサイトを感じる
ことができる。

マスクのことを、あえてこのように
表現しているわけだが、このような
技法を「メタファー(隠喩)」とか、
「アナロジー(類推)」と呼ぶのは
ご承知の通り。
いずれも「比喩」という言葉で括る
ことができる。

こうした「比喩」を考えるのは、
頭の体操、あるいはトレーニングと
して非常に有効
である。
特に、新しいアイデアを出したいとき
などは、「比喩」思考をフル活用する
ことで、突拍子もない新しいアイデアが
生まれたりするもの。

「顔パンツ」を例にとって考えると、
少なくとも二つの方向性で頭の体操が
可能だと思われる。

一つは、「顔」に何かを着せる、あるいは
「パンツ」を本来の履き方以外のところで
活用する、というようにアイデアを追求する
パターン。

「パンツ」は本来顔に着用することは
ないわけだが、これと同様に、
本来顔以外で着用するものを、顔に着用
してみたらどうなるか考えてみる。

「顔ニット」「顔セーター」という言葉を
即席で作ってみたが、冬の寒さが厳しい
ところでは、ニーズがあるかもしれない。

あるいは、「パンツ」は本来「履く」もの
であるが、あえて「着る」「食べる」
「嗅ぐ」「割く」「絞る」といった
一見関係のない動詞をあてがってみる
ことで、思いもよらない利用法が見つかる
かもしれない。

もう一つは、「マスク」の本質を考え、
その本質的な部分を実現するならば
他に何で可能となるか考えてみる
という
パターン。
「大事なところを隠す」「守る」のが
本質と捉えたことで、「パンツ」という
アナロジーが出て来た。
対象となるモノの本質を考え、ニック
ネームを付けてやる感覚だろうか。

このエントリーを書きながら、
『Dr.スランプ』に登場したユニークな
キャラクター、ニコチャン大王を思い
出していた。
と同時に、『変態仮面』というマンガも
また思い出された。

「顔パンツ」なる言葉は、マスクよりも
むしろニコチャン大王や変態仮面にこそ
捧げたい、そんな心持ちである。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。