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値切り一辺倒のバイヤーは十分な仕事をしていない

業務スーパー、通称「業スー」
私の自宅からも行ける範囲に店舗が
あるが、今や全国に1,000店舗以上
あるらしい。

そして売上は4,000億円
ということは、店舗あたりにして
年間1億円、1日あたり30万円弱
売り上げている計算となる。

客単価が3,000円だと100人の来店、
あるいは1,500円だと200人の来店、
などと分解していくと、
「業スー」の商売のリアルな感じが
おおよそイメージできる。

ディスカウントスーパーオーケー
ついては、色々とメディアに取り上げ
られているところを目にする機会が
多く、私も近所にあってよく使うため
ここで記事に書くことも多かったが、
「業スー」についてはなぜか取り上げる
機会がなかった。

『致知』9月号では、「業スー」を
立ち上げてここまで大きくした
創業者沼田昭二氏が、何と表紙の
顔として登場。

特集記事の対談において、
「業スー」の創業話に加え、
現在手掛けているエネルギー事業に
ついて語っていらっしゃる。

その記事の中で、特に共感した箇所
ここに引用させてもらう。

私は業務スーパーを創業して間もない頃、欧米のバイヤーと接する中で、大事なのは売り方が上手になることではなく、売る商品をいかに熟知するかにあると教えられたんです。
日本のバイヤーはメーカーに対して値切り一辺倒。だけど外国のバイヤーは、この原材料でこの量を生産すればこれだけコストが下げられる、容器のサイズをこのサイズにすれば商品価格設定を低くできるといった具合に具体的に提案ができるまたそれができなくては商品の本当の価値を見極めることはできない

『致知』2023年9月号 24-25頁

経営が傾いたダイエーが典型的だった
通り、巨大な購買力をテコにひたすら
値切りまくる
大手スーパーのバイヤーは
非常に評判が悪かった。

上記で沼田氏が語る「欧米のバイヤー」
も、当然ながら値切りはする。
ただ、自社がプラスになるためだけの
値切りはせず、売手が同時にコストを
下げられるような知恵を授けてくれる

すなわちWin-Winなオファーを出して
くれる
わけだ。

売り手としても、タフな交渉相手では
あると同時に、有り難く貴重なお客様だ。
居丈高に接してくるようなバイヤー
より、優先してお付き合いしたくも
なるだろう。

今も、購買力をかさに着て、
安易に値切りに走るバイヤー

至るところにいるはずだが、
そういうバイヤーは本来の仕事を
十分に果たしていない

そう評価すべきだという視点を
頂いた。

今回引用した箇所以外にも、
沼田氏の「経営の極意」「独自の視点」
とでも言うべき内容が語られており、
非常に面白い。

正直なところ、表面的なところだけ
見て、そして噂話だけ聞いて、
「業スー」のことを誤解していた。
改めて近々に訪問し、定点観測対象
しなければと考えている次第。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。