【ライヴ参戦記】 2019/10/6武蔵小金井RosyNote編 その1

アンドロジニー

僕の友人が今年の夏に結成した、SOFT BALLETのトリビュートバンドのバンド名である。

SOFT BALLETとは1990年代に活躍した3人組インダストリアルユニットで、
その先鋭的な感性と音楽性は、当時から他のバンドやグループとは一線を画す存在であったという。
(詳細はWikipedeiaなどを参照ください)

そのアンソロジニーのデビューライヴが、2019年10月6日 武蔵小金井RosyNoteで行われた。

僭越ながら自分も他バンドのトリビュートバンドをしている関係上、いろんなバンドのトリビュートバンドを対バンなどで見てきた。
とりわけ、自分がBUCK-TICKを好きなこともあり、周りには、BUCK-TICKやその似た類のトリビュートバンドはいくつも知っているが、
SOFT BALLETをやっているバンドは居なかったし、噂にも聞かなかった。

ここでの、居なかったというのは、あくまで自分が活動しているごく狭い界隈での話であって、当然広い世の中にはあまた居るとも思うことは付け足しておきたい。
しかし、似た者同士、似た趣味同志が集まる各トリビュートバンド界隈の中で、SOFT BALLETファンはいても、SOFT BALLETのトリビュートバンドをやっている人がいるよ?という話を聞かなかったのもまた事実である。

だが、それが出てきたということで、当然自分の周りにも色めきだつ人たちは現れた。自分もその一人である。とはいえ、SOFT BALLETは正直あまり知らなかったのだが(笑)

しかし、ついに現れた”密かに望まれる存在”を自分の友人がやるという、しかも、会場がある武蔵小金井は自分の職場、自宅から近いということもあり、行かない理由なんてどこにもなかった。

よく某漫画にて、どうしてもそれを見に行かなければならない、という表現において「嫁を質に入れてでも見に行く」という表現が使われるが、
自分も"気概だけ"は同じであった。もちろん、自分の嫁様を質に入れるつもりはない(笑)

危ない…、話がそれた。

18時過ぎ、会場に到着。
武蔵小金井RosyNoteは、ライヴハウスというよりかは、
ステージのついたライヴバーというような趣であり、会場ではソファーとテーブルが並べられ、オールスタンディングで盛り上げるよりかは、お酒を飲みながらくつろいで音楽楽しむといったで雰囲気があり、独特なものとなっている。
しかし、照明設備などはLEDの数も多く、会場設備の充実したところも散見された。

定刻の18時30分を過ぎたころ、会場の照明が落ちる。
客席奥の楽屋口から、アンドロジニーの三人が姿を現す。

1曲目はNO PLEASURE。のっけからノリの良い曲を披露し、観客を煽りにかかり、幾人かはもう席を立ちあがり、手を振ってノリノリでいた。自分のその一人であった。

極悪的に低音を響かせて鬼気迫るボーカルに、
ガスマスクと黒い衣装に身をつつみ、ステージをにらみつけるような目線で黙々と弾くギター、
派手なメイクと衣装を施し、所狭しと動きながら、サウンドの根幹を操り、バンドを支える踊り子(キーボード、シーケンス&電子パーカッション)

3人が織りなす個性のコントラストが、ステージを彩る照明の光とは別の鮮やかさを徐々に浮き彫りにしていきながら、2曲目のEGO DANCE、3曲目のFINALへと続いていく。

時にはMCで、初ライヴらしい初々しさも見せながら、
次回のライヴも決まっているみたいで、その告知もされていた。

4曲目のバラード、ENGAGING UNIVERSEではヴォーカルの凄みが一段と前に押し出され、客を自分たちの世界に引き込んでいたのが印象的であった。

5曲目NEEDLEで再びテンションを上げ、ラストの6曲目はSOFT BALLET初期の代表曲ともいえる、BODY TO BODYを披露。盛り上がった、否、彼らが盛り上げた客席とのコール&レスポンスもあり、アンドロジニーの存在と音を、まさに演者から客の、身体からカラダヘ。
身体を通じて分かりあう素敵なライヴであったなという余韻を残し、ステージは終了した。あっという間の時間だった。

初ステージで粗削りな印象もあったが、この続きを見てみたいと思わせる、素敵なステージだった。
何よりも3人の個性のトライアングルが素晴らしく、現時点で全員がキャラ立ちしていることが、とても見ている側をワクワクさせてくれる。

これはきっと、彼らの強みになるだろうとも感じた。

音については、オケの音が少し大きいかなとも思ったが、
これはメンバーさんよりも会場PAの問題であるし、
そもそも、本家SOFT BALLETの音のバランスも自分が良く知ってないので、そういうものかもしれないし…とか思ってたので、あんまり強くは言えない(笑

個人的にはヴォーカルさんの声が素敵なだけに、その声をぜひ活かして欲しいと思っている。
なので、オケとヴォーカルの音量バランスが整うと、もっと魅力的になるのでは…と勝手ながらに思っている。

次のアンドロジニーのライヴは、11月23日 新宿wild sideということだ。

自分も、もう足を運ぶつもりでいる。
この3人の織りなすステージの続きが、今から楽しみで仕方がない。

今度はもっと本家SOFT BALLETの音を勉強して楽しもう。

ボデトゥボディー


注:補足)メンバーそれぞれは知っているのですが、ステージネームの確認が取れていないので、あえて表記していない書き方をしていることを補足させていただきます。

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