ライヴ参戦記 2019/10/6武蔵小金井RosyNote編 その4

終章:キラキラした”想い”の正体…編

レッドツェッペリンライヴの興奮が冷めやらぬ中にしばし幕間でボーっとしてしまった。

氷が解けて水となったお冷で喉を潤しトイレに行くと、もうステージは始まってしまったらしい。
幾度となく聞きなれたドラムイントロがそれを教えてくれた。

B・BLUEだ。

慌てて駆け込んだステージの上には、COMPLEXトリビュートバンドでもステージ立たれていたボーカルさんとギターさんが、水を得た魚のように動き回り、
これまで出たバンドが温かくしたステージを更に熱くしていた。

そのステージの下手側に、ボンちゃんが立っていた。

ボンちゃんのステージを見るのは、この日が初めてであったが、
立っているだけでも、不思議な風格が漂っているように感じた。

落ち着いた佇まいの中にも、松井恒松をイメージさせるには充分過ぎる硬い音の作りは、彼のこだわりとキャリアを十分に伝えるものがあった。

B・BLUEのあとにはmarionetteとBOΦWYの王道曲が続く。
熱いヴォーカルとコール&レスポンスに手に汗にぎり、最前で楽しむ自分がいた。
その中にあって気になることもあった。
このバンドのドラムのあり方である。

ドラマーは二人のプレイヤーが入れ替わり立ち代わりでプレイしていた。
一人は、これまたCOMPLEXトリビュートのドラマーさん。
もう一人は、まだ初心者の域を抜けていないのかな…というのを思わせるプレイのドラマーさんだった。
彼らは、2~3曲ごとに交互に入れ替わっていた。
それはなぜだか分からない。一人ではやりきれなかったのか、
はたまた、ダブルヘッダー故の体力の問題なのか…。

それはさておいて…

正直、プレイにおいては、先の3バンドのほうが秀でているものはあると思う。
しかし、堂々たるラインナップのイベントにおいて、このバンドがトリを務めるということは、”目には見えない何か”があるとも自分には感じられた。
あくまで勝手に感じた。大人な事情かもしれないが、感じた(笑)

先の2曲を筆頭に、BOΦWYの中では王道なホンキー・トンキー・クレイジー、DREAMI'Nなどをハイテンションで熱演してくれた。

本当に熱演と思えるほどに、彼らの演奏は一生懸命で熱いものを感じさせてくれた。
だから、自分も最前で拳をあげ、時には声を出していることが楽しかった。
先に感じた”何か”は、自分にははっきりとは分からない。
が、しかし、勝手な予測として演奏している彼らには秘めたるものがあるのだろう。
その根拠に思えるものが、ボンちゃんの存在だった。

急遽のヘルプ、それも初めて会う人たちとのライヴ。
しかも、自身は海外から帰ってきたばかり…。
普通であれば、なかなか出演自体を考えにくいことではある。
(ていうか、いつ練習してたんだ?)
しかも、ドラムも二人で代わる代わる。
そこまでして、このライヴをどうにか成立させよう、成功させようとしている想いの根幹があるはずだと。

僕のような凡夫には見抜けるはずもないが、一つだけ気付いたことがある。

ドラマーが交代した時に、ステージを降りたドラマーの方が、
ステージを降りた後に一番キラキラした顔でステージを盛り上げようと手を挙げ、振っていたのである。本当にまっすぐ応援していた。
その顔が本当に気持ちが充実した感が溢れているように思えたのだ。
あれは、本当に澄んだ心の人の顔だと思えた。

純粋に"音楽"している、"音"を"楽"しんでいる。
まさに、そんな顔だった。
想いの根幹には、演者になるもの誰しもが持っている、
「演者もお客も一体に音楽をしたい、楽しみたい」
本当にそこなんだろうな、と思えた。

ベースが急遽出られなくなり、ヘルプを頼み、
ドラムも固定とはいかず不安定な中にあっても、ライヴをしたい、音を出したい、
お客さんと一体となって、大好きなアーティストの音を楽しみたい…。
あきらめずに突き進む想いが音に乗って、そして、秘められているのだなと
自分の中で一つの答えが出た(合っているかどうかは知りません)

前の三バンドも本当にどれも素晴らしかった。
そして、今、目の前にあるBOΦWYトリビュートバンドもまた、
自分たちの想いを乗せて充実した今を生きる喜びに満ちた顔をメンバーそれぞれが表していた。
そのパフォーマンスは、本当にまぶしかった。
また、自分は演者側にいるときに、こんなにキラキラしてるかなぁ…と本当に思わされる。
こんな風にキラキラしたいなぁと自らを見返った。

気が付けば、一緒に最前で盛り上げていた友人たちまでもステージに上がり(笑)
大盛り上がりでイベントの幕を閉じた。

たくさんの収穫を得られたイベントだった。

武蔵小金井RosyNote。

また一つ、僕の小粒な人生に、素敵な想い出がつづられた。


その思いをnoteに残すことにする…。


(終)

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