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エアジョーダン開発秘話「AIR(エア)」

「スポーツ」「お仕事もの」そして「マッド・デイモン」という好物盛り合わせ映画で、絶対に映画館に見に行こうと思っていたら、すぐに上映が終わってしまった「エア」。スラムダンクとバスケ日本代表の活躍でバスケ熱が高まってた2023年に日本で公開されるという、タイミングはばっちりだったのに存在感が薄かった作品。宣伝がいまいちだったのか、内容がいまいちだったのか。確かめるべくアマプラで視聴。

映画「AIR(エア)」https://warnerbros.co.jp/movie/air/
1984年、人気がなく業績不振のナイキのバスケットボール・シューズ。ソニーは、CEOのフィルからバスケットボール部門の立て直しを命じられる。競合ブランドたちが圧倒的シェアを占める中で苦戦するソニーが目をつけたのは、後に世界的スターとなる選手マイケル・ジョーダン――というお話。

わが青春のマッド・デイモン、いい感じに腹の出たおっさんサラリーマン役もお見事です。わたしはマッド・デイモンを見てるだけで2時間余裕なので、かなりひいき目も入ってると思いますが、感想にお付き合いください。

舞台は80年代アメリカ。電話するシーンがすごく多いんだけど、その電話がチリリンと鳴って、ぐるぐるのコードを目一杯伸ばしながら通話するのが懐かしくて、それだけでエモい。それにしてもアメリカのビジネスマンってこんなに感情丸出しでケンカしてるのか?特にジョーダンのエージェントが怒り狂ってソニーに電話してきた時、下ネタ前回の悪態をつきまくるシーンは大人の会話と思えなくて笑える。
いつも飄々としているようで情熱にあふれる主人公ソニーは本当にかっこいい。ソニーの家族とか私生活が一切出てこないところも、余計な情報がなくて良い。
全体を通して無駄なエピソードが一切ない、とても硬派な映画だと思う。ソニーのスピーチはエモーショナルだけど、泣かせよう、感動させようと狙ってきてる感じが一切なくて、上質なドキュメンタリーを見ている感覚になった。登場人物がオッサンしかいないのもリアルで素晴らしい。マイケル・ジョーダンの実際の映像がふんだんに使われている代わりに、ジョーダン本人は本編では顔も出さずセリフもないというのもよかった。派手さはないけど誠実でセンスが良い映画。ジョーダンファンはもちろん、スポーツに関心があったり、お仕事系の話が好きな人にはお勧めです。イケオジ好きにとってもパラダイス。
親友同士のマッド・デイモンとベン・アフレックが情熱を傾けて楽しみながら製作したんだろうなぁというのが伝わってくる映画だった。
あんまり言うとネタバレになってしまうけど、エアジョーダンの誕生はナイキという会社にとってはもちろん、スポーツ選手と企業との契約という点でも大きな大きな革命だったということが興味深い。マイケル・ジョーダンという規格外のスターが現れたことはもちろんだけど、成功する前から彼の成功を信じていた母親の存在が大きかったんだなぁ。わたしも母親のはしくれとして、そこは素直に感動しました。子供を信じるって、親の一番大きな仕事なのかもしれない。

好きなセリフは、ソニーがジョーダンママに門前払いをされそうになったときの「断られても諦めたくないんです。息子さんはそういう考えをする人間に支えられるべきだ」
ソニーがジョーダンとの交渉の場で語ったスピーチはもちろん必見。
ちょびっと走って疲れちゃって「これはムリ」と立ち止まっちゃう腹の出たマッド・デイモンの可愛さも異常なので、ぜひ鑑賞してみてください。

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