日記 2/29

  今日は四年に一度の日だ。ふつうに労働なのだけど、なにかしらめでたく感じる。

 このままだらだら生きていてもしようがないなと思い、といって死に向かうほどの熱意もなく、惰性で生きている。みんなそんなものさと俯瞰してみせるのはたやすく、なにか自分以外のものがあればいいのだけど、あいにく私の生活の圏内に他者は一人もいないので、植物でも買おうかと思った。サボテンとか。そうすればずっとカーテンしめっぱなしの我が家も、サボテンを気遣って日当たり良くするようになるかもしれない。たくさんサボテンを買って、テーブルの上を庭にしよう。実際の家庭を手に入れることは難しいから、せめてものなぐさみの庭で我慢しよう。むかしはDAISOとかで観葉植物をおいていたものだけど、今はどうか。一鉢二鉢、見繕ってこよう。観葉植物の単位が鉢で合ってるかは知らない。

 明日は1日で映画がどこも安くなるので、アーガイルを観に行く予定だ。映画館にいるときは映画のことだけで頭が一杯になるから、私は劇場が好きだ。サブスクだと周囲があまりに日常過ぎてそうもいかない。余計なことなんて考えずに物語だけを味わっていたい。冷静になると、考えてしまう。不安になってしまう。このままじゃいけないという焦燥と、もうどうしようもないという諦念と、ざらついた心。スイッチをON/OFFするみたいに死んだりできたらいいのにね。

 一句。
いつまでを余生といはむ 浅き春

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