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【阪神タイガース】渡邉諒選手について

はじめまして。パインツリーと申します。
阪神タイガースを応援しております。
2012年の夏の甲子園での藤浪晋太郎選手の活躍を見て彼の応援を始め、そこから阪神タイガースのファンになりました。今でも一番好きな選手は藤浪選手です。
彼がメジャーに移籍してから一年、阪神のどの選手を応援しようかと迷っていたのですが、ちょうどこれを書いている今日2023年ドラフトで指名された選手のお披露目があり、ドラフト1位の下村海翔選手が背番号19をつけることが発表されたので、これからは彼を応援していきたいと思います。
他にはサンディエゴパドレスを応援しており、首都圏や東北の大学野球にも興味を抱いています。今後は阪神のことに加えてこれらのテーマについても少しずつ書いていけたらなと考えています。
めちゃくちゃ固い入り方になってしまいましたが、よろしくお願いします。

ということで自己紹介はここら辺にして早速記事の方に入っていきたいと思います。
今回は初めての記事ということで(??)、2023年シーズン前に阪神に加入した、りょーおという間延びした応援が印象的な渡邉諒選手の今シーズンの成績と来シーズンについてお話しさせていただければと思います。

※この記事で引用している指標はサイトによって数値が変わってくる可能性があります。それぞれ引用元を示しますが多少のズレは許していただけると幸いです。また、試合数やシーズン打率などスポナビに載っているレベルの基本的な数値に関しては引用元の表記を省略させていただきます。こちらもご了承ください。


①渡邉諒選手について

 とりあえず渡邉諒選手についての基本情報をおさらいしておきます。そんなん知ってるわって方も多いと思うので、そういう方はさらっと流していただいて大丈夫です。

 渡邉諒選手は東海大甲府高校から2013年ドラフト会議で日本ハムから1位指名を受けました。阪神でいうと岩貞選手や加治屋選手、2022年まで在籍した鈴木翔太選手なんかがドラ1の同期ですね。
 2018年終盤にセカンドのレギュラーをつかむと、2019年に初の規定打席到達、2020年には短縮シーズンながら117試合に出場しキャリアハイとなる打率0.283・OPS0.725を記録しました。しかしその後成績を落とし83試合→21試合と出場数を減らし、2023年シーズン前に、髙濱祐仁選手と共に阪神にトレードされました。
 
 選手としての特徴は打撃型といえるでしょう。直球破壊王子という異名も持ち、実際ストレートに対しては2019年には62/197の打率0.315で6本塁打、2020年にも50/166の打率0.301で6本塁打を記録しています。(データで楽しむプロ野球(https://baseballdata.jp)より)

 一方で守備は察するものがあります。UZRはキャリアハイといえる2019年には-5.4、2020年には-13.7(いずれもDELTA社One Point Zero Two(One Point Zero Two|1.02)より)を記録しています。簡単に言うとセカンドでは糸原選手レベルです。
 また阪神での初戦でのデビュー戦、2023年春季キャンプでの横浜DeNAとの練習試合でセカンドの守備に就きいきなり後逸を見せたことを覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
 まあ守備に関してはUZRがすべてではないですし、失策数なんて内野の状態によって大きく変わるのでそこまで参考になるものではないですが、少なくとも守備がうまいといえる選手ではないでしょう。
 とりあえず基本情報はこの辺で。

② 2023年の渡邉諒選手

 それでは2023年シーズンの成績はどうだったのでしょうか。ここも阪神ファンなら知ってる方がほとんどだと思うので、さらっと流していただいても大丈夫です。

 59試合に出場し85打席に立ち打率0.177、14安打2本塁打10打点、出塁率長打率OPSは順に0.224,0.304,0.527でした。
起用法はスタメンが10試合、代打が48試合、代走が1試合でした。スタメンの内訳はサードが8試合、DHが2試合でした。上記の通り圧倒的()な守備の実力を見せつけたこと、セカンドにコンバートされた中野選手が見事フルイニング出場を果たしたことからセカンドでの起用はありませんでした。
 
 まあ要するに代打起用がメインだったということですね。そこで代打成績を見てみると、45打数6安打、打率にして0.133。うーんグロい。
他の選手の代打成績はというと、糸原選手が58打席で0.204、原口選手が54打席で0.180、ミエセス選手が28打席で0.200となっております。まあ五十歩百歩なんですが、その中でも渡邉諒選手の成績の悪さは際立ってますね。(ちなみにみんな大好き小野寺暖選手は11打席で0.333となっております。もっと起用してやれよ)
 阪神の弱点である代打を強化することを目的に獲得した(と思われる)ことを考えると、おおよそ期待通りの成績とは言えないでしょう。

何が成績低下の要因なのか

おまたせしました。ここからが本番です。それでは渡邉諒選手のこの成績は何が原因なのでしょうか。ここでは出場数が増え始めた2017年以降の各年において各種指標を分析することを通じて、渡邉選手の成績低下の要因を探っていきたいと思います。なお以下のデータはすべてデータで楽しむプロ野球(https://baseballdata.jp)からの引用です。先に示しておきます。

1.直球への対応力の低下

まずは代名詞である直球に対する打率から見ていきたいと思います。

年度別4シーム打率

2019年、2020年には三割を超えていた直球打率が2023年には2割ちょっとと大きく成績を落としています。
また以下は各年のシーズン打率とファストボール系(4シーム+カットボール・2シームなどを含む)打率です。

ファストボール系とシーズン打率の散布図

これを見るとシーズン打率とファストボール系打率の間に大きな正の相関がある、つまりファストボール系に対する対応力が落ちていることがシーズン成績の低下に直結していることが分かります。
またこれは打率だけでなくOPSにおいても同様の傾向が見られます。

2.ブレーキングボールへの対応

二つ目はブレーキングボールへの対応です。
以下の図はブレーキングボール、つまりファストボール系以外の変化球に対する打率とシーズン打率の相関を示しています。
相関係数としては約0.68とそこそこ強めの正の相関があるくらいのかんじなのですが、渡邉選手のキャリアハイといえる2019,2020年の両年に他と比較してとびぬけたブレーキングボール打率を記録していることから、ある程度関係があると言ってもいいと思います。

ブレーキングボール打率とシーズン打率の散布図

また、ブレーキングボールに対するBB%、つまりブレーキングボールを見送って四球を選んだ率をみると、これとシーズン打率には大きく相関があることが分かります。相関係数は約0.91です

ブレーキングボールのBB%とシーズン打率の散布図

 今回2017年に関しては16打席でブレーキングボールを選んだ四球は0でした。
しかし外れ値ともいえるこの結果を除いても相関係数は約0.81であり、非常に強い正の相関があると言えます。
 このことから、今シーズンの成績低下の一因としてこの選球能力の低下があることは十分に考えられると思います。

3.スイング率

 3つ目はスイング率です。
皆さんご存じの通り岡田大監督は打撃陣に対して昨年までの早打ちを修正しじっくりとボールを見るように指示を行い、その結果今シーズンの阪神の四球数は激増しました。
しかしそんな中で渡邉諒選手は大きく成績を落としています。以下の図をご覧ください。

スイング率とシーズン打率の散布図

この図は渡邉選手個人のシーズン打率とスイング率を示した散布図です。これを見ると打率とスイング率に強い正の相関があることがわかります。
一般にはスイング率の打撃アプローチの間には負の相関がある、つまりスイング率が低いほど打撃アプローチが良いということが言われていますが、この結果を見る限りは、渡邉選手には当てはまっていないように感じられます。
一方で、成績を落とし始めた2021年と22年に関してもキャリアハイの2019年よりわずかではありますがスイング率が高く、2020年ともほとんど差がないことから、この相関が偶然である可能性は否定できません。
ただ、選手のタイプとして渡邉選手が、岡田監督の指示したスイングを控えボールを見るという方針に合わなかった可能性も考えられると思います。

④まとめ

 ここまで渡邉選手の成績低下の要因に三つの観点から迫ってきました。
こうしてみるとファストボール系への打撃成績とブレーキングボールへの選球眼の低下が主な要因であるというのは打撃能力の衰えとしてド定番の結果であるようにも思えます。
しかしファストボール系におけるK%を見ると0.14と2020年と変わらない成績を残していることから、ファストボールに対応できずに三振を喫しているという状態ではないように思えます。(もちろんK%自体も低下しているので、岡田大監督の指示でスイングを控えた影響もあるのかなとかも考えられるのですが)
まあ要するに打撃能力自体はそこまで衰えていない可能性も十分考えられるということです。


 それでは最後に2024年シーズンに渡邉選手が求められる立場について考えていきたいと思います。
 まず初めに、内野守備に就くことはもうないでしょう。
これは唯一可能性のあるサードにおいても、佐藤選手を完全にスタメンとして固定するであろうこと、万が一佐藤選手が離脱したとしても本職の糸原選手やサードの練習をしていた小野寺選手などが優先的に起用されると考えられるからです。
 基本は代打、そしてスタメンで出るとしたらほぼ唯一レギュラーが不在であると言えるレフト、交流戦でのDHでしょう。
まずレフトで考えると、今シーズンレフトのレギュラーとして出場していた大偉人シェルドンノイジ―選手、はしゃぎ方に見合った成績が期待されるミエセス選手の両外国人、岡田監督からの期待もかなり高い小野寺選手、二軍やウィンターリーグで活躍を見せ支配下登録を勝ち取った野口選手などが対抗になると考えられます。
そしてこの中からレフトのレギュラーを逃した選手たちに糸原選手や原口選手、二軍で結果を残した若手選手たちを加えたメンツで代打枠、DH枠を争うことになると考えられます。

こうしてみると非常に厳しい立ち位置にいると言わざるを得ません。またトレードで来た選手ということで他の生え抜き選手に比べても立場として弱いことは否定できません。
それでもまだ28歳と老け込む年齢ではなく、かつて直球破壊王子という異名を取ったことからも、あの当時の姿を取り戻し、阪神の代打の切り札として活躍することを期待したいと思います。

今回の記事は以上となります。
自分自身ここまで自由に長文を書いたことも初めてであり、まとまりがないんじゃないか、伝わらないんじゃないかなんて心配している部分もあります。
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私ももっと良質な内容を提供できるように努力したいと思います。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました!今後ともどうぞよろしくお願いします!
それでは!

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