文系就職を考えている理系院生へ

 このnoteにたどり着いた方はきっと「理系院生 文系就職」といった形で検索した方だと推測する。なんとなく大学院まで進んだけど、自分って研究者やエンジニアになりたいのかな・・・ そんな悩みを持った就活生のためになればと思い、理系大学院を卒業して文系職種(コーポレートスタッフ)に就職した私の話をする。

~著者のプロフィール~

出身:某国立大学 理系大学院

専攻:電気電子系

内定先:研究職1社、開発職1社、コーポレートスタッフ1社

大学3年生までは、サークル!遊び!!といった形のいわゆるダメ大学生。4年生で研究室配属されてからは気持ちを切り替えて研究に没頭。学部時代には卒論優秀賞を受賞するくらいには頑張って研究をしていた。

~文系就職した理由~

 将来やりたかったことが、理系の道ではなかったから。それに尽きる。高校時代は物理の授業がすごく好きで、純粋にもっと学びたかったこと、「工学部が就職最強だよ」という、世間の風潮に流されたことが理由となり、工学部に入学した。「工学部に入学したんだから、僕は将来エンジニアになってたんまり金を稼ぐぞ!」そんなことをぼんやり考えながら、大学院まで進学した。

 研究を通して知識やスキルがつき、科学の最先端に挑戦できることは楽しい一方で、「これを仕事にするのはなんかつまらないなぁ。別に趣味で良くない?自分が研究する必要はないな。頭いい人が勝手にやってくれた方が楽じゃん。」といったことをずーっと考えていた。仕事って、社会をどうしたいか、自分の夢を実現するもの。っていう考えが僕の中にあった。だとしたら、エンジニアになるのは仕事でやりたい事じゃないな、趣味で電子工作とかしてればいいやと思った。

 では、僕が社会をどうしたいかということについて考えると、自分でルールを作ったり、いかに自分の所属する組織を楽しくするか?を考えて行動することだった。であれば、コーポレートスタッフとして会社を回す方が楽しいし、やりがいがありそうだなぁと思って、文系就職することにした。

~そもそも~

 将来何をやりたいか?について教育してくれる機会は大学であまりないように感じる。大学生は年齢的に大人であるため、自分の将来くらい自分で考えよう!っていうスタンスだからだろうか。

多くの学生はなんとなく、「理系に就職したんだから、エンジニアになろう」という概念に縛られる。就活しながら「あれ?本当にエンジニアに僕/私はなりたいのかな?」と疑念が生まれた途端、人生初めて自分の将来を緻密に考える経験をする。大学生は年齢的には大人である。しかしいくら大人であろうと、初めてのことは誰かに教えてもらわないと厳しい。一方で、大学では将来の考え方を緻密に考える手法をあまり教えてくれない。だから理系大学院から文系就職という、レールを外れる?就活に多くの学生が悩むのだと思う。(悩むことは滅茶苦茶良い経験だと個人的には思うが。(笑))

~後悔しているか?~

これは正直何とも言えない。今でも「理系の道に戻りたいなぁ」と思うことは多々ある。純粋にエンジニアはかっこいいし、給料も高い(笑)。

自分が選んだ道が楽しくなるかどうか。それは、自分が選択した道が正しかったか?という観点もあるが、「選んだ道で楽しむ努力をしているか?」にも非常に強く依存すると思う。学生時代一切勉強しなかった政治や法務について学び、社会がどう動いているかを知るのは楽しかった。経営学にも手を出し、会社がどう動くかについても学んだ。研究室に閉じこもって科学の真理を追究していた頃とは、また違った楽しみにあふれた一年だった。

  学生に伝えたいのは、後悔するかどうかは、

「入社して働き始めた、君自身の努力次第である」

~著者が思う、文系就職を進める理系大学院生~

・自分で研究しなくても、誰かが研究してくれればそれでよいと思う人

・大学は学問をする場所であり、就職予備学校ではないと考える人

・研究開発以外の手法でも、将来作りたい社会を実現できると考える人

※研究が嫌だから、理系が嫌いだからといった逃げの理由で文系就職するのはお勧めしません。負の理由で自身の道を変えると、その先も負の道を歩み続けることになります。きっかけが「嫌いだった」というのはよいと思いますが、「嫌いだった」からが文系就職する理由にはならないようにしましょう。

~最後に~

どの道を選ぶかも大切だが、「選んだ道で楽しむ努力ができるか?」も非常に大事である。その道が正しかったかどうかは、その道に進んだ君自身が決めるものだ。

 今はとにかく悩み、考えてみてほしい。妥協せず。

きっと、素晴らしい人生が待っています。頑張ってください。応援しています。


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