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世界で4番目に住みやすい都市に選ばれた東京

昨年末、英エコノミスト誌の姉妹組織が発表した住みやすさ指数で、東京が世界第4位にランクインしました。1位はニュージーランドのオークランド、2位は大阪! 3位はオーストラリアのアデレードです(ニュージーランドのウェリントンが同率4位)。

日本の都市だと大阪のほうが順位は上ですが、東京は、1位~同率4位の4都市合計よりも人口が多いのです。1400万人が暮らす世界最大規模の大都会でありながら住みやすいところが、世界じゅうの研究者から注目されています。

"「いかなる規模であっても住みやすい都市を作ることは可能だということを東京が証明している」と、オーストラリアのシンクタンク「コミッティー・フォー・シドニー」のガブリエル・メトカーフは述べている。"
"“It’s possible to have a liveable city at any scale—Tokyo proves that,” says Gabriel Metcalf, at Committee for Sydney, an Australian think-tank."(英エコノミスト2021年12月11日号 "Special report:Tokyo The big city "より。以下引用同じ)

東京の住みやすさは都市計画の成功の産物でもあり、また失敗の産物でもあるとあるアメリカの研究者は述べています。成功の一つは、公共交通網が発達していることです。

失敗とは、区割りや建築許可の制限がゆるいために、雑多な都市になったことです。

海外では、住宅地は住宅地、工業地帯は工業地帯というように、区割りがはっきりしているのが普通です。

日本では自分の家の隣に突然高層ビルが建って日当たりが悪くなったり、大量のゴミや騒音を伴うような施設ができたりした、なんてことがよく起こりますよね。海外では、閑静な住宅地にうるさい施設ができるようなことはまずありません。(日本でマイホームを買うのはこういう点からもリスクが大きいと感じてしまいます。)

しかし東京の場合、区割りや建築制限が緩く、オフィスビルや住宅、商業地域その他もろもろ、いろんなものが混在する雑多な街になったことで、かえって多機能型の都市になり発展していきました。

「社会資本が整い、常に人目があり、自主管理と自治が行き届き、さまざまな地位や職業の人々が公共の場で肘を突き合わせ、新しい建物と古い建物が混在している」
"Social capital, eyes on streets, self-management and self-government, people of many walks of life rubbing elbows in public spaces, a mix of old and new buildings.”

しかしそんな東京も、今後は高齢化と人口縮小の問題を抱えることになります。すでに空き家問題が多く発生していますし、未来の東京の姿はどうなるでしょうか。

エコノミストでは交通、インフラ、教育などの環境、そして今年はコロナの影響なども考慮して住みやすさの統計を取ったようですが、住みやすさの基準は人によって違いますよね。みなさんにとって住みやすい場所はどこでしょうか。

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