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pilgryNOTE月報24.05|誰でも魔法使いになれる

全国各地の宗教的な場にまつわる「音」のプラットフォーム「pilgry」を企画・運営する遠藤卓也による活動月報(「TMR編集室月報」より改題)

TMR/音の巡礼のこと

5月下旬、お寺のWebサイトを制作させていただいた真宗大谷派 長善寺さんとのお仕事のため、名古屋へ。

別件で、3月に伊豆で久々に再会したお坊さんから「本堂の音響システムを見てほしい。名古屋方面に来ることがあったら、ついでにうちにも寄って」と言って頂いていたことを思い出し、一泊して翌日に中川区にある真宗大谷派 瑞因寺さんにもお参り。真宗大谷派に縁のある出張となった。

瑞因寺

長善寺では朝から夕までミーティングだし、名古屋はCityだし、録音の機会はないかな〜、、、と思いつつも、もしかしたらなんかワンチャンあるかもとポケットに忍ばせていた ZOOM H1 essential。マイク一体型の軽量コンパクトなレコーダーながら、32bitフロート録音ができる優れもの。

すると飯田正範住職より「瑞因寺についたらお勤めをするので録音してくださいね♪」という嬉しいお言葉をいただき、H1 essentialで「伽陀」「三誓偈」をレコーディングさせてもらう。

録音の前に、大きく心が動くような連絡があり、思わず飯田さんに動揺を伝えたところ「これも一つの法要になりますから」と、心のこもったお勤めをしてくださった。僕も「三誓偈」以降は一緒に声を出した。
こういう時、お坊さんが近くにいてくれると、本当に心強い。

飯田さん、いい時間をありがとう!

音のこと

名古屋に出発する前夜、清澄白河 gift_labさんでsawakoさんのお別れ会があった。

僕は選曲担当として音楽をかけながら、プロジェクターで映し出されるsawakoさんの写真を見ながら、集った人たちがわいわいとお喋りしているのを聞きながら、たまに自分もsawakoさんとのご縁について誰かに話す。gift_labさんのあたたかい空気感もよかった。ご家族とも話せた。

途中で光明寺でのライブ映像も流れて、懐かしさと寂しさが交じわるなんともいえない気持ちになりながら、眺め続けた。

sawako+hofli@神谷町光明寺

亡き友人を想って選曲する経験ははじめてのこと。ご本人が音楽をつくる人であり、またその周りにも音楽をつくるご友人がたがおり、2時間では到底おさまりきらないほどにかけたい音楽がたくさんあった。素敵な音に恵まれた方なのだなあと、曲を選びながらしみじみと実感する。

突然のお別れだったから、こういう場があってみんなうれしかったと思います。ありがとうございました!


誰そ彼関係のフライヤーやフリーペーパーをまとめたファイルを整理していたら、友人の shioriちゃんがおそらく十代?の頃に作ってたフリーマガジン「apetope Vol.2」が出てきて、sawakoさんの2010年のインタビューを久々に読み返した。

年下のshioriちゃんから、憧れのsawakoさんへのインタビュー、という空気感が伝わってくる内容で、とてもいい。

shiori わたしはsawakoさんの音楽を聴いていると、何となく何気ないものや景色が一瞬とてもすてきなものに見える魔法にでもかかったかのような気分になるんです。sawakoさんは、「私だけかもしれないけど、これがすてきだと思う」っていうもの、ありますか?
sawako わあ、すてきなことばと質問ありがとう。いつも音楽をつくるときは、日々の暮らしの中でふとしたときにみつけた宝物(音だけじゃなくて匂いとか空気とか思い出とか)をぎっしりつめこんでいるから、それが伝わってる!とうれしくなりました。
ときどき、音楽って魔法だなって思うときがあって、だったら音楽をつくってる人って魔法使いか錬金術師なのかなと思ったりもするの。
「私だけかもしれないけど〜」っていうのも、何だか言葉にならないようなものが多い気がします。
shiori た、確かに、、、!
sawako 日常の中で、いつもと同じ街角のはずなのに、なんだかちょっとだけ違ってキラキラして感じるときがあります。それで、そういうキラキラしている空気の中で、そっと耳をそばだてて、音を通じてその世界とつながっているのを感じたとき、なんだか素敵な私だけの秘密を見つけたような気分になります。

インタビューの最後にsawakoさんは、

あ、あとね、誰でも魔法使いになれるよ、っていうことを音を通して伝えたいんだと思います。音楽や物をつくることだけじゃなくて、日々の何気ないふるまいを通して魔法をかけることができると思う。

というメッセージを残していて、自分も近年の交流の中で「誰でも魔法使いになれるよ」ってことを、教えてもらっていたのだなあと気付いた。そうやって周りの人たちのことを応援している人だったなあ。


5月によく聴いたレコード。なつかしい音楽ばかり。


ライブは、5/8 NHKホール「小沢健二 Monochromatique」へ。

友人のmikaさんがゲットしてくれたチケット、なかなか観やすくて良い席だった(感謝!)

2階席2列目

名古屋・大阪のみしか出演がアナウンスされていなかったスチャダラパーの3人が登場して、小沢バンドがThe Rootsみたいな感じで生演奏した「サマージャム'95」「ライツカメラアクション」「今夜はブギーバック」がとてもカッコよかった!(「オザケン」は「スチャダラ」が横に居てくれると安定するなあ。)

スチャダラパーは、最近STUTSPUNPEEと一緒にやってるこの曲もよくって、何度も聴いてる。散りばめられたセルフオマージュの数々にグッときたり。


Podcast Updates

5月も、制作を担当するPodcastたちを更新。


お寺のこと

5/26、兵庫県の黄檗宗第13教区のお寺さんむけにオンライン講演をさせてもらった。
活動的なお寺の事例をいくつか紹介したが、質疑応答では「ご供養以外の活動を続けた先に何があるのか?」という(よくある)ご質問をいただいた。
例えば「坐禅会に通っておられる方が檀家になることはあるのか?」それについては、その方がお寺に対して求めていることが違うので、そうなる可能性は低い。しかし、そういった活動を続けているという実績が、菩提寺を探している誰かの目に入れば大きな安心感として映る。
特にインターネットで探したお寺にコンタクトをとってこられた方が「アクティブなお寺に見えたから」という理由を挙げることは少なくないと感じる。むしろ、動いているのか動いていないかよく見えないところに連絡は取りにくいもの。
人に集まってもらうための告知も必要だけど、それよりも報告の積み重ねがだいじ。そして、一人でも続けられるサイズ感で始められると良い。


5/31、自分がホストをつとめる自主勉強会「未来の住職塾 塾生しゃべり場 Vol.2」を開催。ゲストの冨田香澄さん、神崎修生さん、シークレットゲストの渡邉元浄さんのおかげで、とても良き学びの場になった。企画した自分を自画自賛したい(笑)

重荷のようにみえる墓地整備計画を「これは墓参・合掌の原点回帰事業なんだ!」と捉え直した冨田さんが素晴らしい。視点を変えるだけで本質に近づきやすくなるし、自分もウキウキしてくる。周囲の共感も得やすくなる。

そしてやはり参拝者の便利さだけではなく、神仏の居場所や手合わせへの導線・環境整備を両輪で検討していくことの大事さを思った。

例えば、石屋さんから提案してもらった墓地計画や図面をお寺としてどのように判断するか?その判断軸は?
現在、その軸を定めるべく墓地見学を重ねている冨田さんの実感と、自身のスケッチ1枚から「ガーデニング樹木葬」を造園屋さんと一緒に作り上げた渡邉元浄さんの経験を、あわせて聞けたことも良かった。

アーカイブ配信無しの一期一会の場だからこそ喋れる内容だけど、もっと多くの方に聞いていただきたかったなあ、、、と。月一くらいのペースで開催予定なので、工夫を重ねていこう。


お寺のWeb制作のお仕事について。北海道は夕張市に本院があり、江別市に支院のある萬行寺さんのホームページを作らせてもらった。今回も素敵なデザインは、内山真菜美さん(感謝!)

お寺の歴史をまとめるにあたり、炭鉱で開けた街において、いかにして宗教が必要とされていったか?という経緯を興味深く読んだ。
現在は夕張は人が少なくなり、新たな縁を求めて江別に支院を開いたという経緯だが、夕張に縁のあった方々や自然豊かな地に墓地を求める方がいるのではないかという仮説のもと、本院の存在を大切に萬行寺の事業をすすめておられる住職夫妻を応援したい。
このWebサイトも、お二人のご活動の一助となれば嬉しいなあ。


味の巡礼

  • 正味亭 尾和(新橋)

  • ぱすた屋REB(伊豆長岡)

  • 炭焼きレストランさわやか(函南)

  • 洋食 西洋軒(蟹江町)


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