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PilglyDiary23.11.20|耳から入ってくる実感を集めること

11/17(金) 荻窪の書店titleで行われた中川学さんの『絵本 龍潭譚』刊行記念イベントに参加した。

2011年に200部限定、錫箔の特別仕様で泉鏡花の『龍潭譚』を絵本になさった学さん。それから12年の歳月を経て、いよいよ普及版が刊行となった。おめでとうございます。
以前、その特別仕様『龍潭譚』の制作エピソードをお聴きしていたこともあり、そして東京でお会いできる機会も嬉しく、雨のtitleへ久々にお邪魔した。

普及版カバーの手触りが好き

荻窪titleさんでは12月4日(月)まで「鏡花生誕150年『絵本 龍潭譚』刊行記念原画展」を開催中で、初日に学さんご本人が在廊し展示会場(2階)にてイベントが行われた。これが、本の序盤を学さんの朗読と解説付きで聞けるという会で、すごくよかった!
本自体は既に何回か読んではいたけれど、やはり文語体だとわかったようなわからないような感じに…。読んだ!というよりは絵を見ながら文をなんとなくなぞったという程度。
しかし現代語訳までされている学さんに読んでもらうと「そういうことか」と、文章が立体的に浮かび上がってくる。解説も加えてもらうことでさらに理解がすすむ。
『龍潭譚』の読書への入り口を作っていただけたような感じで、参加してよかった。

サインではいつも書いてくれるイラストがうれしい

五所川原 法永寺の小山田和正さんによる「ぎきょくがよまさる」というオンラインの会でベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』を4人の仲間で素読みしている。もう二周目も半分まで進んだが、二周目になるとようやくなんかわかったような気持ちになってくる(それでもまだまだだとは思うけれど)
"素読みの効用" めいたものを、感想として共有しあうごとに発見がある感じだ。

学さんと、イベント前に荻窪の喫茶店でお茶させてもらった時に、節談説教や妙好人の話題になって「やっぱり、音の響きなんですよねえ」と仰っていたことを思い出す。意味がわからなくても、ただ音が耳に入ってくること。それを繰り返すこと。そのことでわかってくる実感が必ずあると思う。お経も法話も戯曲も異国の音楽も、古い言葉も。

龍潭譚に出てくるハンミョウの蒔絵!

「音の巡礼」という活動で探究しているのは、そういう「耳から入ってくる実感」を多様に集めることなのかもしれない。特に、宗教という分野で。
今日もこれから大阪のお寺でお経を録音させてもらう予定でうれしい。


中川学さんの原画展は、2023年12月4日(月)まで荻窪titleにて開催中!titleさんも素敵な書店なのでぜひ!手ぶらでは帰れない本屋さんです(僕は詩集を一冊買って帰りました・笑)


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