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TMR編集室日誌22.9.24|あがた森魚50周年記念コンサート@渋谷公会堂

渋谷公会堂で あがた森魚50周年記念コンサートを観た。

あがたさんは 2004年のクリスマスに開催した「お寺の音楽会 誰そ彼」にご出演をお願いしたのがご縁で、その後も他のお寺イベントに出ていただいたり、フジロックや九段会館などで何度もライブを体験している。
今回は初めての渋谷公会堂、そして50周年記念ということで最新ベスト盤や解禁されたばかりのサブスクなどで、演奏されそうな曲をなんとなくイメージしながら会場へ。

しかしライブが始まってみればそんな予想などどうでもよくなるくらいに、あがたさんはいつものあがたさんで、セットリストはもちろん歌も演奏も舞台美術も照明も「最新が最高!」としか言いようのない美しい光景が広がっていた。僕は静かに感動した。

MEZCAL(はじめに歌ありて)」であたたかい演奏が流れ出すと、「ああ、あがたさんのライブに来ているんだ」という安心感に目頭が熱くなる。
あがたさんと歌は一体になっていて、それが歌か言葉か、ただの音か。ただ身を委ねる。

ピアノを弾き語る「いとしの第六惑星」は一層リリカルに響く。冒頭から既にクライマックスの連続。

そしてバンドネオンの小松亮太さんはじめアルゼンチンタンゴの奏者たちを招き入れて「小さな喫茶店」〜「誰が悲しみのバンドネオン」までのパートは特に印象的で、あがたさんの50年間の音楽旅行のハイライトにつきあわせていただいているような感覚になる。

バンドメンバーが戻ってきて「春の嵐の夜の手品師」「俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け」で何度目かの落涙。白い街のような舞台美術に、曲にあわせて表情を変える照明があたり、楽曲の情景をより豊かに描き出す。

50周年の旅の終点が見え始めると、70年代のムードが漂い始める。しかし「君はハートのクィーンだよ」も「赤色エレジー」も決してノスタルジーではない、最新のあがたさんが最高のバンドメンバーと一緒に演奏している。「大寒町」では、なんだかボブ・ディランとザ・バンドのことを思いだしていた。

二度のアンコールは2014年の楽曲「浦島64」で締め括られた。

帰ってきたんだ(おかえりなさい)
少し遠かった(待っていたんだよ)
のぼせて夢見て(おかえりなさい)
海を巡って(おかえりなさい)

お久しぶりだね(覚えているかい)
会いたかったんだ(誰もいないよ)
のぼせて夢見て(覚えているかい)
港であそんだ(誰もいないよ)

この曲を終幕に用意したということは50周年記念ライブは、あくまでも旅の途中経過報告で、これからもあがたさんは港であそび、のぼせて夢見て、音楽の海を旅していくということだ。

細野さんもこうおっしゃっている。

「今でも一番元気なのはあがた森魚だ」

常に「最新が最高!」を更新し続けているあがたさんの音楽に触れ続けていきたいと再確認した一夜だった!

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あがた森魚さんの50周年を祝おう!リンク集

50周年ライブの映像が、10/6(木)までアーカイブ配信中です。

徐々にサブスクにタイトルが増えていっています。人に薦めやすくなるので嬉しい!

自選ベストのアナログ盤!ジャケの写真は高田渡さんの撮影によるもの。裏ジャケの写真もよくて会場で思わず購入・笑

インタビューによる自叙伝も!


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