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pilgryNOTE

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全国各地の宗教的な場にまつわる「音」のプラットフォーム「pilgry」 https://pilgry.net からの、お知らせや活動報告を掲載します。(TMR編集室日誌より改題)
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#フィールドレコーディング

pilgryNOTE月報24.07|World Listening Day!!

TMR/音の巡礼のことWorld Listening Day 2024@神保町 試聴室 さまざまな音を景観として捉える「サウンドスケープ(音の風景)」という概念を提唱した、カナダの現代音楽作曲家マリー・シェーファー(R. Murray Schafer)。彼の誕生日である7月18日は「World Listening Day」と呼ばれ、毎年世界各地で音に関連したさまざまなイベントが行われている。 7月28日(日) 神保町にある試聴室にて、World Listening Day

pilgryNOTE月報24.05|誰でも魔法使いになれる

TMR/音の巡礼のこと5月下旬、お寺のWebサイトを制作させていただいた真宗大谷派 長善寺さんとのお仕事のため、名古屋へ。 別件で、3月に伊豆で久々に再会したお坊さんから「本堂の音響システムを見てほしい。名古屋方面に来ることがあったら、ついでにうちにも寄って」と言って頂いていたことを思い出し、一泊して翌日に中川区にある真宗大谷派 瑞因寺さんにもお参り。真宗大谷派に縁のある出張となった。 長善寺では朝から夕までミーティングだし、名古屋はCityだし、録音の機会はないかな〜、

pilgryNOTE月報24.03|雪国の本堂をあたためる音と声

TMR/音の巡礼のこと3月は久々に青森へ行くことができた。五所川原 法永寺にて、3月11日に行なわれた「東日本大震災追悼〜つむぐ日」を取材させてもらった。記事は近日中に「お寺のじかん」に掲載予定。 詳しいレポートについては記事の方をぜひ読んでいただきたい。録音してきた「音景色」については、SoundCloudにて既に公開中。この日はとにかく「声」と、3月の本堂を暖めようとしてくれているエアコンのがんばり音が素敵で印象的だった。 前日から青森入りをして住職の小山田和正さんと

pilgryNOTE月報24.01|音がつなぐ、あたらしい巡礼の旅路

TMR/音の巡礼のことかねてより制作したいと思っていたwebサイト「pilgly」が完成! Temple Morning Radioの過去エピソードや音の巡礼のお経音源などが地図(ゲストのお寺の住所ピン)から探せるようになっていて、僕がいろんなとこに書いている「お寺」「音」についての記事も集約させていく予定。 このWebサイトを見てくれた人が何かを感じて、いろんな場所にいったり、誰かに会いにいったり、声をかけあったり、またあたらしいことにつながっていったらいいな。 サイ

TMR編集室月報23.12|目ざめの音、眠りの音

TMR/音の巡礼のこと今治へ 【今治記①】取材のため、今治へ。初日は栄福寺の白川密成さんとあかねさんに会いに。初めての栄福寺は午後の陽光に眩しく照らされてとても長閑。滞在時間は2時間くらいだけど、もっと長くいた気のするような多岐に渡るお話をして、コロナ期間中に出ていただいたポッドキャスト「お坊さんとカルチャー放談」の雰囲気を思い出す。心地よい時間をありがとうございました。 夕方になって、取材先である大下島へいよいよ初上陸! 【今治記②】インタビューをさせてもらう大下島

TMR編集室月報23.11|意味よりも「音」だよね

TMR/音の巡礼のこと11月に録音できたのは、福島県・猪苗代町 真言宗智山派 壽徳寺 での松村妙仁さんの読経。もう磐梯山の上の方は雪で白くなっていて、風の強い午後、外での録音は難しそうだったので本堂内にマイクをたて、妙仁さんにもピンマイクをつけてもらった。本堂の戸を揺らすほどの風が印象的だった。 もう一つは大阪府・南河内郡 本門法華宗 法華寺 水原堂(みずもとどう)での庄司真人さんの読経を録らせていただいた。お堂自体が高い場所にあるため、周囲の木々から鳥の声が多く聞こえた

TMR編集室月報23.08|音に導かれてゆく旅路

TMR/音の巡礼のこと SoundCloud を始めた。遠藤が各地のお寺でフィールド録音した音源をアップしていく予定。 まずは佐賀の素晴らしい見晴らしのお寺で気持ちよく鳴り響いた「般若心経」と、7/30に秩父の札所寺院で行われたイベントでのギター(笹久保伸さん!)とサンポーニャと3人のお坊さんによるセッション。 どちらの音源もユニーク。ぜひフォローしてお楽しみください!! The Man Who Loved Beer 8/18に、文京シビックホールで「岡田さんと旅した世

その死との関係性のなかで生きること

2023年7月23日、小田原にある南十字という本屋さんにて、「小説『ボイジャーに伝えて』×知名オーディオ ~小説に出てくる音の世界を堪能しよう~」というオーディオリスニングイベントが開催された。 昨年、風鯨社というひとり出版社が刊行した『ボイジャーに伝えて』という本は、2012年に惜しくもこの世を去った駒沢敏器さんの小説。フィールドレコーディングの旅をしながら、音の向こうにある世界を追い求める主人公が、音を巡る旅の中で"とあるスピーカー"と出会い沖縄に導かれ、物語が展開してい

TMR編集室日誌22.9.8|録ることについて聴き、そして学ぶこと。

Podcast「Temple Morning Radio(略称TMR)」の編集・配信を担当する遠藤卓也がお届けする、仏教文化・お経のフィールド録音等に関するエッセイ 8/31に下北沢B&Bで行われたイベント津田貴司×柳沢英輔×金子智太郎「録ることについて聴き、そして語ること。」に参加した。 津田さん、柳沢さんの著書はともに読ませていただき、最近フィールド録音(のようなこと)をやり始めた自分にとっては、とても参考になる実感や質感を湛えた本で、すごくありがたく感じていた。お二

TMR編集室より|22.05.24 23:00〜FM小田原「象の小規模なラジオ」に出演します!

5/24(火)23時より FM小田原『象の小規模なラジオ』に、遠藤卓也が出演します! どの地域からでもインターネットで聴けますが、radikoでは聴けないようなので、ぜひリアルタイムでお聴きください。 今回は、6/11(土)に開催予定の「お寺の音楽会 誰そ彼 Vol.33」についてお話ししています。 ご出演の笹久保伸さんの楽曲も何曲かオンエアされます!あとは、オススメ楽曲をと言われたので、最近興味のあるフィールドレコーディングの作品を紹介していたり、、、5/24(火)23

TMR編集室より| 22.05.05 僧侶たちのフィールド・レコーディング

5/1〜2にかけて山梨へ出張していました。甲府駅で出迎えてくれたのは、Temple Morning Radioの第1回ゲストだった横山瑞法さん。 法源寺の宿坊計画 瑞法さんは、住職をつとめる南アルプス市にある法源寺から徒歩2分の空き家を活用して、宿坊をつくる計画を進めています。改修中の家屋を見学させてもらいました。 丁寧にこだわって作られた家屋だということがよくわかり、すごく大切に暮らしていらっしゃたんだなあと感じられます。 ここに若い人たちの感性で内外装などをリノベー

TMR編集室より| 22.05.02 日光山と東照宮

先日、縁あって日光へ。日光といえば東照宮。世界遺産であり、東照大権現こと徳川家康を祀る聖地・霊場でもあります。「音の巡礼」の一環として「音」を探してみました。 日光山散策 「聖地の音は朝がいい」という個人的実感のもと、6時ころから散歩開始。いたるところに流れる水の音と鳥のさえずりに耳を馴染ませながら、少し山を登ると勝道さんというご上人の像が出迎えてくれます。 勝道上人は日光山を開山した僧侶で、中禅寺湖畔にあった桂の木を彫って千手観音様をあらわし中禅寺を開創されたという方