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pilgryNOTE

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全国各地の宗教的な場にまつわる「音」のプラットフォーム「pilgry」 https://pilgry.net からの、お知らせや活動報告を掲載します。(TMR編集室日誌より改題)
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記事一覧

pilgryNOTE月報24.03|雪国の本堂をあたためる音と声

TMR/音の巡礼のこと3月は久々に青森へ行くことができた。五所川原 法永寺にて、3月11日に行なわれた「東日本大震災追悼〜つむぐ日」を取材させてもらった。記事は近日中に「お寺のじかん」に掲載予定。 詳しいレポートについては記事の方をぜひ読んでいただきたい。録音してきた「音景色」については、SoundCloudにて既に公開中。この日はとにかく「声」と、3月の本堂を暖めようとしてくれているエアコンのがんばり音が素敵で印象的だった。 前日から青森入りをして住職の小山田和正さんと

音を聴くこと 味わうこと - Sawakoさんのこと

2024年3月31日に、サウンドアーティストの Sawako さんがご病気で亡くなられました。友人のひとりとして、とても寂しく悲しい気持ちでいます。追悼の意を表すとともに、Sawakoさんが遺してくれた言葉について、書かせてもらいます。 Sawako さんと出会ったのは、2010年4月に神谷町・光明寺で開催された 12k のショウケースライブ。お寺の本堂にてhofli(津田貴司さん)とのデュオで、こんなにも美しい演奏をしてくれた。 その後、何度か音楽の現場でご一緒すること

pilgryNOTE月報24.02|見えないものに、耳をすます

TMR/音の巡礼のこと2月は短い。それでも閏年だったので、存在してくれた29日に大きな感謝をおくりたいほどに忙しなく日々が過ぎ、何かを録音したりする余裕がなかった。そんな中、二つのワークショップに参加できたことがよかった。 ひとつめは、「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」。その存在を知りながらこれまで体験したことがなかった。以下、公式サイトの説明を引用する。 視覚に障がいを持つナオキさんの案内で、まっくらやみを歩いてさまざまなことにトライした。 例えば「電車に乗る」というミ

pilgryNOTE月報24.01|音がつなぐ、あたらしい巡礼の旅路

TMR/音の巡礼のことかねてより制作したいと思っていたwebサイト「pilgly」が完成! Temple Morning Radioの過去エピソードや音の巡礼のお経音源などが地図(ゲストのお寺の住所ピン)から探せるようになっていて、僕がいろんなとこに書いている「お寺」「音」についての記事も集約させていく予定。 このWebサイトを見てくれた人が何かを感じて、いろんな場所にいったり、誰かに会いにいったり、声をかけあったり、またあたらしいことにつながっていったらいいな。 サイ

あたらしいwebサイト「pilgry」がはじまりました!

こんにちは。「テンプルモーニングラジオ」制作担当の遠藤卓也です。 いつも、テンプルモーニングラジオを応援していただき、ありがとうございます! 2/9配信のテンプルモーニングラジオにて、200週×5日目の配信ということで1,000回を迎えました。 そんな記念の日に、かねがね構想しておりましたwebサイト「pilgry」を公開しました。 TMRサポーターのご寄付の説明文の中で「目指したいこと」として掲げていたことの一つ を実現するために制作したwebサイトです。TMRや音の

TMR編集室月報23.12|目ざめの音、眠りの音

TMR/音の巡礼のこと今治へ 【今治記①】取材のため、今治へ。初日は栄福寺の白川密成さんとあかねさんに会いに。初めての栄福寺は午後の陽光に眩しく照らされてとても長閑。滞在時間は2時間くらいだけど、もっと長くいた気のするような多岐に渡るお話をして、コロナ期間中に出ていただいたポッドキャスト「お坊さんとカルチャー放談」の雰囲気を思い出す。心地よい時間をありがとうございました。 夕方になって、取材先である大下島へいよいよ初上陸! 【今治記②】インタビューをさせてもらう大下島

2023年の10曲

TMR制作担当の遠藤卓也です。 毎年、一年間に聴いたたくさんの楽曲から、特に印象深い10曲を選んでいます。 2023年の10曲 Silvia Perez Cruz - Ell no vol que el mon s'acabi Eddie Chacon - The Morning Sun ANOHNI and The Johnsons - Can't Blur - The Narcissist Yo La Tengo - Fallout MOON FACE BO

TMR編集室月報23.11|意味よりも「音」だよね

TMR/音の巡礼のこと11月に録音できたのは、福島県・猪苗代町 真言宗智山派 壽徳寺 での松村妙仁さんの読経。もう磐梯山の上の方は雪で白くなっていて、風の強い午後、外での録音は難しそうだったので本堂内にマイクをたて、妙仁さんにもピンマイクをつけてもらった。本堂の戸を揺らすほどの風が印象的だった。 もう一つは大阪府・南河内郡 本門法華宗 法華寺 水原堂(みずもとどう)での庄司真人さんの読経を録らせていただいた。お堂自体が高い場所にあるため、周囲の木々から鳥の声が多く聞こえた

PilglyDiary23.11.20|耳から入ってくる実感を集めること

11/17(金) 荻窪の書店titleで行われた中川学さんの『絵本 龍潭譚』刊行記念イベントに参加した。 2011年に200部限定、錫箔の特別仕様で泉鏡花の『龍潭譚』を絵本になさった学さん。それから12年の歳月を経て、いよいよ普及版が刊行となった。おめでとうございます。 以前、その特別仕様『龍潭譚』の制作エピソードをお聴きしていたこともあり、そして東京でお会いできる機会も嬉しく、雨のtitleへ久々にお邪魔した。 荻窪titleさんでは12月4日(月)まで「鏡花生誕150

TMR編集室月報23.10|音楽を聴くことが思い出になる

TMR/音の巡礼のこと10月の取材は、僧侶とイラストレーター二つの顔を持つ中川学さんにお誘いいただいて、京都・永観堂で行われていた夜間拝観「PureLand Lights」へ。永観堂の境内にある池の上で僧侶たちが法要を行ない、背景にはプロジェクションマッピング。幻想的なアンビエント音楽も流れていて、今まで体験したことのないような音風景だった。 詳しくは近日中にWebサイト「お寺のじかん」での連載「お寺さんの音風景」にてレポート予定。音も録音させてもらったのでお楽しみに!

TMR編集室月報23.09|Stars and Moon

TMR/音の巡礼のこと 9月の取材は兵庫と大阪にまたがる日蓮宗の妙見山へ。未来の住職塾5期で学んでいた植田観肇さんが妙見口の駅であたたかく出迎えてくれて、まずは数年来の再会を喜び合う。 植田さんは妙見山の副住職として、山内での様々な企画・事務・広報をなさりながら、ブナ林の保全活動や地域おこしまで多岐にわたるご活動。 そして最近では「循環葬」という新しい埋葬形態のプロジェクトを進めていて、妙見山のこれからのことを模索し続けておられる。 妙見山からの景観、ブナの原生林を擁す

TMR編集室月報23.08|音に導かれてゆく旅路

TMR/音の巡礼のこと SoundCloud を始めた。遠藤が各地のお寺でフィールド録音した音源をアップしていく予定。 まずは佐賀の素晴らしい見晴らしのお寺で気持ちよく鳴り響いた「般若心経」と、7/30に秩父の札所寺院で行われたイベントでのギター(笹久保伸さん!)とサンポーニャと3人のお坊さんによるセッション。 どちらの音源もユニーク。ぜひフォローしてお楽しみください!! The Man Who Loved Beer 8/18に、文京シビックホールで「岡田さんと旅した世

新Podcast「ゆるやか死生学」のご紹介

Temple Morning Radio制作担当の遠藤卓也です。 TMRをきっかけに、いくつかのポッドキャスト番組の制作を担当していますが、この度はグリーフサポートが当たり前にある社会をつくることを目指して活動する一般社団法人リヴオンの代表、てるみんこと尾角光美さんと一緒に、新しいポッドキャスト番組を立ち上げました。 その名も「ゆるやか死生学」。 「悲しみや苦しみのただ中にある人のために、やさしい学びを届けたい」という、てるみんの思いをもとに『ラジオ深夜便』のような、眠れ

TMR編集室月報23.07|お寺さんの音景色

TMR/音の巡礼のこと 7/30(日)、秩父札所32番 法性寺で行なわれたライブイベント「三十二番」に参加した。 秩父では今、令和8年の「午歳総開帳」に向けて各寺院が動き始めている様子。法性寺さんでは、山門の再建築をなさっているところで、ちょうど現在は山門が解体された状態にある。以前お参りした際にあがらせてもらったが、とても古くて立派な鐘楼門だ。 この鐘楼門が前回建てかえられたのはなんと300年前!鐘楼門のない境内の景色は、実に300年ぶりということだ。住職の荒谷哲巨さ