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真女神転生3 HDリマスター版のDLCを考える

真女神転生3のHDリマスター版には、お金が簡単に稼げる「主の期待」、経験値が簡単に稼げる「坊ちゃまの情け」というDLCが配信されています。
高難易度であることが一つのアイデンティティとしてあるこのシリーズで、こうしたDLCを配信することは本末転倒なのでは...と思っていましたが、実際にプレイしてみて感想が変わりました。これらのDLCの意義について考えたいと思います。特に坊ちゃまの情けの方。

DLC概要

それぞれのDLCには専用のフィールドが用意されており、ターミナルから接続されています。フィールドに入ると通常と同じように悪魔とエンカウントしますが、御魂が敵として出現します。この御魂はHPと耐性が通常と大きくことなっており、HPは非常に少ないですが耐性も超強化(通常攻撃で一桁とか)されています。
御魂を倒すと専用のアイテムを落とし、主の期待の場合は高額で売れるアイテム、坊ちゃまの情けの方は使用すると特定のキャラに経験値を付与するアイテムが手に入ります。

坊ちゃまの情けの意義とは

通常、レベルを上げるためには敵とエンカウントを繰り返し、手に入る経験値でパーティ全体を強化します。しかし、主人公のレベルアップペースと仲魔のレベルアップペースは異なり、仲魔はレベルアップのペースが主人公より遅く設定されています。
このため、特定のレベルで習得するスキルを頼ってレベル上げを行ったとき、主人公は仲魔がそのレベルに到達するよりも先に更に上のレベルまで上がっており、結果として強力に育ったはずの仲魔が主人公とのレベル差により陳腐化する問題がありました。
せっかく頑張ってレベルを上げ、よいスキルを覚えたにも関わらず、その頃には主人公は更にレベルの高い悪魔を合体で創り出すことができ、レベルの高い悪魔は基本的にレベルの低い悪魔よりもよいパラメータ、スキルを持っているので、そちらを使用したくなってしまう...という問題です。

坊ちゃまの情けはこの問題を解決しました。坊ちゃまの情けで得られるアイテムは仲魔単体を対象とするため、特定の仲魔のレベルだけを上げることができます。つまり、主人公とのレベル格差を防ぐことができ、育てた仲魔をよいタイミングで使用できるということです。
真女神転生3はRPGゲームなので、主人公のレベルが上がれば使役できる悪魔のレベルも上がり、悪魔合体でレベルの高い悪魔に乗り換えていくのが基本の作りをしています。一方で、その時々のレベル帯に沿った仲魔をうまく使いこなすというのもゲームの流れの中で重要な要素であり、このDLCはそれを円滑にする効果があると思います。

大抵のプレイヤは、見た目がよいとか、シリーズで思い入れがあるとか、特定の宗教に肩入れしているとか、そういったなんらかの理由で仲魔には愛着を持っていきます。愛着を持った仲魔を有効活用するために、仲魔を陳腐化させないというのは重要で、このDLCはそれに一役買っていると考えています。

主の期待

お金がいっぱい稼げるので、特にハードモードでの時間短縮になります。ハードモードでマガタマを買おうと思うとかなり敵を倒さなければならないですが、この時間を短縮することが可能になります。しかし、敵とのエンカウントに常に死の可能性が付きまとうこのゲームで、単なる時間短縮効果よりも安全にお金を稼げてしまう事実は、ゲームの難易度低下といっても差し支えないかもしれません。

結論

単なる時間短縮 & 難易度低下DLCだと思っていましたが、キャラを選んでレベルを上げられる効果はゲームの楽しみ方を増やす効果があると感じました。
これは適切に使えばの話で、濫用すればゲームバランスは簡単に破綻します。破綻したバランスで敵を蹂躙するのが好きっていう人もいるので、そういう意味でも楽しみ方を増やした良DLCと言えるのではないでしょうか。

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