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どんでん返しの作り方 D②

どんでん返しから作ることで、物語は構成しやすくなる。また、そのサプライズは物語の面白さを担保してくれる。そんなどんでん返しは〈Aだと思ったらBだった〉というシンプルな型にまとめられる。

どんでん返しとは囮で騙す技術


ブンコ「ぴこ蔵師匠、【どんでん返し】をどう作るのか? というのがテーマなわけだよね?」

ぴこ蔵「そういうことじゃ。それではさっそく質問じゃ。【どんでん返し】を最も簡単に言い表すと何じゃと思う?」

ブンコ「ん……? さっぱりわかりましぇん」

ぴこ蔵「よいかな、耳の穴かっぽじって聞きなさい。どんでん返しとは……〈Aと見せかけて、本当はBである〉ということじゃ!」

ブンコ「Aと見せかけて、本当はB……?」

ぴこ蔵「これがどんでん返しの基本形なんじゃよ」

ブンコ「たったこれだけ?」

ぴこ蔵「さよう! あとはいかに読者にAと思い込ませるかだけのことじゃな」

ブンコ「今度は単純すぎてわかんない」

ぴこ蔵「それではもう一度。〈Aだと思っていたらBだった〉これがどんでん返しの構造じゃ」

ブンコ「つまり、予想や思い込みをひっくり返されるってこと?」

ぴこ蔵「さよう。ポイントは〈思っていたら〉の部分じゃ。誰が〈思っていた〉のかというと読者なのじゃ。つまり作者側からいうと〈Aだと思いこませておいてBを出す〉という、読者にミスリーディングさせる技なのじゃ。どうじゃ、思いっきり簡単じゃろ? 」

ブンコ「シンプルだねー」

ぴこ蔵【目的】を追う主人公がそれを邪魔する【敵】と戦う。これが読者を物語に引き込むためのベーシックな構成である。そして読者を満足させるためになくてはならないのが【どんでん返し】なのじゃ。〈Aと思ったらBだった〉がその基本構造である。この【どんでん返し】を構成の中心にすえて肉付けをすれば、面白いストーリーが完成するのじゃ!」

ブンコ「で、その肝心の【どんでん返し】はどう作るのさ?」

ぴこ蔵「手っ取り早く言うとじゃな、どんでん返しには明確なパターンが存在する。最初はとにかくその中から選択すればよいのじゃ」

ブンコ「マ、マジで? それってチョー楽勝じゃん!」

ぴこ蔵「では、どんなパターンがあるのか???  ズバリ言おう! わしは【どんでん返し】を全部で10タイプと見ておる!」

ブンコ「ええっ!? どんでん返しって、たった10タイプ?!」

ぴこ蔵「いわば最大公約数じゃな。細かく分けていけば50、100とどんどん分けられる。しかし、それでは【どんでん返し】を作ろうとするたびに分厚い事典が必要になってしまうじゃろう?」

ブンコ「たしかに……」

ぴこ蔵「いつでもどこでもどんでん返しを考えるためには、常に頭の中にその構造を思い浮かべる必要がある。10タイプというのは、これ以上少ないと分ける意味がなくなってしまうし、多いと全体像を把握できなくなるギリギリの数なのじゃ」

ブンコ「ふ~ん。じゃあ、その10タイプを覚えるとどんないいことがあるのさ?」

ぴこ蔵「この10タイプさえ知っていれば、もうどんでん返しのネタに困ることはない。映画や小説など、さまざまな物語の【どんでん返し】が簡単に分析・理解できて、あっという間に、次々に、作れてしまうのじゃ!」

ブンコ「ではさっそくぴこ蔵老師! 10タイプのどんでん返しとやらについて説明してちょーだい!」

ぴこ蔵「おっと、その前に、前提となる条件を言っておこう! 面白い物語の基本的なパターンとは、何度も言うが、【目的】を追う主人公が、邪魔する【敵】と戦う話じゃ。実はじゃな、どんでん返しはこの二大要素である【目的】あるいは【敵】に仕掛けるのじゃ」

ブンコ「目的のどんでん返しと敵のどんでん返しがあるの?」

ぴこ蔵「うむ。そういうことじゃ。【目的】と【敵】のどちらにも仕掛けることができる。そして、そのうち【目的】のどんでん返しには2タイプある。まずはそちらから説明しようかの」


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