お知らせです。

勤務先の美術館には、地域柄地元の陶芸家さんの作った抹茶茶碗が沢山所蔵されています。人間国宝に指定されたような作品から若手の作品まで、付属のお茶室で季節毎に入れ替えながら実際にそれを使ってお抹茶を楽しんでもらえるというのが一つのウリでもありました。季節毎のお茶室のしつらえや、掛軸なども入れ替えたりして、『使う』という体験を身近に感じてもらい、より一層陶磁器を身近に感じて欲しいというコンセプトだった、……はずでした。

お知らせの内容は、今年度からその『使う楽しみ』を体験してもらうための『お茶室』が閉鎖となるというもの。理由はただ一つ。『利用者の減少』で委託を受ける事業者がいなくなったからです。事業者がだれも運営を請け負ってくれないならば、お茶室は開館出来ないというのが館側の言い分でした。

実は当館には、以前はショップがあり、過去の展覧会図録や、絵葉書、作家さんの食器類などを販売していました。最初にそこがクローズ、続いてレストランが休業、毎日営業していたお茶室が、土日祝日のみの営業へとなりました。もちろんそこまでの業績悪化には、COVID19による外出自粛が大きく響いたことは影響していますが、それだけではないと思うのです。

陶磁器専門の美術館、という独自性と、『作って』『使って』『観賞する』という体験施設としてのスタンスを、積極的にアピールしていく姿勢があまり見られないというのが、ここまでの事態を招いてしまった要因だろうと感じるのです。展覧会の告知が掲載されているのは、いわゆる『マイナー雑誌』←(あくまでも個人の見解です(笑))………である『茶道の専門誌』や、『骨董の専門誌』。近隣の駅等や、空港にはパンフレットすら置かれない。全国的知名度もほとんど無い。地元民にすら存在を認知されない美術館。いわゆる広報活動費の削減と、助成金での運営による危機感の欠如からくる『積極性のなさ』。

平日来館者数が一桁という状況でも、特に切迫感のない所がこうしたマイナスへのスパイラルに向かってしまう要因なのでしょう。

実は私がツイッターでの発信を始めたのは、このままでは、『好きな人だけが辿りつけれはそれで構わない』という『閉じた』考えをなんとか打破したかったからというのがあったのです。もちろん公式ツイッターが一応ありますが、館職員(正規職員)の持ち回りで義務化している呟きでは、展覧会の魅力や、一般的な館内の見所等の、当館の魅力的な所を伝えきれていないと感じることが多くありました。

こんなに楽しい美術館がありますよ!…と、これからもことあるごとに呟き、当館の魅力を知って頂きたい。このままでは、レストランもショップも復活することすら難しくなってしまいます。ただでさえ、最寄りのコンビニまで車で10分かかる立地で、食べ物飲み物が一切提供できず、お土産すら、図録すら販売出来ないのは、いわゆる『観光』の訪問先として致命的な欠陥でしょう。

なんとか、踏み留まっていきたいものです。どうか、応援お願いいたします。皆様の力が必要です。😣😣

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