【おまけ】なぜパン生地には砂糖が入っているのか

砂糖の甘くない話(仮タイトル)のおまけ記事です。

元パン職人の私の見解です。


〈なぜパン生地には砂糖が入っているのか〉

パン生地にはだいたい砂糖が入っていますよね。
それは何故だか知っていますか?

甘味をつけて美味しくするため、味付けのためと思っている方が多いのですが
「パン酵母のエサにするため」という役割もあります。

実は、加える砂糖の量で発酵時間をコントロールしているってことも知ってましたか?
砂糖の量が多ければ酵母は早く発酵しますし、少なければゆっくりと発酵します。
そして、砂糖を入れなくても小麦のデンプンをエサにして発酵しますので、砂糖が無くてもちゃんと発酵します。
この砂糖の量、多い方が大量生産ではコントロールがしやすくなるので、大きな工場などでは無糖でパン生地を作ることはほぼありません。

私がパン屋を営業していた時は、パン生地はほぼ無糖で仕込んでいましたので、発酵時間は12時間以上かけていましたが、このような製法は小さな手作りのパン屋でないと難しいのです。
砂糖が入っていないと、周りの環境に大きく左右されて、毎日発酵具合が異なるからです。安定して発酵させるためにも砂糖は役に立っているのです。

パンだけでなく、加工食品の中の砂糖の役割は安定・保水・防腐など、味付け以外でも色々請け負っているために、大量生産の市販の加工食品には必ず砂糖が入っているわけですね。

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