エレアのゼノン

パルメニデスの養子になり哲学を教わる
師であり親であるパルニメデスの考え
『ト・エオン(ただあるもの)』について更に論理的に掘り下げる

そんな論理展開の中で利用
『背理法』『パラドクス』『弁証法』など

アリストテレス
「弁証法を初めて発明したのはゼノン」

これらの論理展開を利用、
パルメニデス以前の哲学者が説いた考えが
いかに間違っているかを提示

『存在の多数性論駁』
パルメニデス「存在はただあるものがあるのみ」
存在は1

それまでの哲学者は存在は多数に分かれていて
それらが変化することで世界が形作られていると考えた

ゼノンは背理法でもって『ただあるもの』を証明

背理法

命題の正反対の命題を真と仮定、
そこに矛盾を見つけることで元の命題を真と証明

証明したいのは存在が1である。(分割できない)ということ

まずは存在が複数ある。という命題を真として
その論理を破綻させようと思考

仮に存在が多から成るとする

第一に存在はある時点において有限の数であると考えられる
存在が無限にあるということはありえない

その上で存在同士の関係を考える

存在が複数あるということは、
両者の間に存在同士を分け隔てる何かがあるはず
仮にその分け隔てるものが非存在であれば
両者の間には何もないことになり、
それらの存在は分け隔てられてはおらず、ひと続きに

つまり存在が2つあれば必ずその間には最低1つの存在がある
するとおかしなことが起こります。
2つの存在とそれを分け隔てる1つの存在
合計3つの存在の間には何があるのか
当然非存在ではなく存在がある
つまり、3つの存在の間にはそれぞれ1つの存在が必要で
合計で5つの存在があることが確定します。

このように考えていくと、存在は無限に分割される

ある時点では有限の数なはずなのに、
論理的に考えると無限だということになる
有限かつ無限という矛盾が発生するので
『存在は多』という考えが破綻
→逆の命題である『存在は一』が証明される

『アキレスと亀』のパラドクス

更にゼノンは変化と運動についてもパルメニデスの考えの証明を試みる
パルメニデス「存在は変化も運動もしない」
ゼノンはこれをパラドクスを使って証明しようと試みる

パラドクス…
事実に反するはずの結論が、論理的に推論することで正しく見えてしまうことによって常識的な理解を覆す

俊足の英雄であるアキレスと鈍足の亀がかけっこ
亀は遅いのでハンデとしてアキレスの少し前からスタート

アキレスが現在の亀がいる地点を目標に走っていくと
その位置に到達したとき、アキレスよりも亀はほんの少し前にいる
この作業が無限に続く
→アキレスは亀に追いつくことができない

しかしこれは有限の中の無限を取り扱っているため
厳密には正しい論理ではない
当たり前だがアキレスは普通に亀に追いつく

ゼノンはこのように、様々な論理的解釈を発表、
『ただあるもの』を肯定しようとした

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