ユルゲン・ハーバーマス

ルーマンと論争、相互批判を繰り返しながら理論構築を進める
ハーバマス:素朴主体主義者・素朴近代主義者(生活世界を主張)
ルーマン :ヘーゲル主義者(終わり良ければ全て良し、なれども人には終わりがどこか分からない。生活世界は仮象)
論争以降のハーバーマスは一挙にルーマンを吸収

「道徳的直観主義」

「道徳的主知主義」に対比

「関心(コミットメント)」は「認識」によって正当化できない
社会存続に必要な社会成員の構えは、損得勘定の〈自発性〉では足りず、
内から湧き上がる〈内発性〉が不可欠

〈システム〉…損得勘定の〈自発性〉に覆われた領域
〈生活世界〉…情念の〈内発性〉が賞賛される領域

コミュニケーション論

ハーバーマスの社会理論は方法論的な個人主義に立脚しているが
彼のコミュニケーション論はそう単純ではない

合理的な個人の間の一種の討議によって秩序を説明するが
その談合は経験的な社会過程ではなく
超越論的な基準のようなものとして仮定

現実の社会においては、既に流通している様々な規範や制度によって秩序が維持されている
しかし、そのような規範や制度に疑義が生ずることがある

この場合、規範や制度が前提の方法では解決不可能
よって合理的な討議の領域へ
そのような、支配・抑圧のない場を論理的に想定

ここにおける個人は経験的存在ではなく、社会全体にとっての公正さを判断できるよう予め社会化された存在
合理的な討議という設定の内に個人と秩序を媒介するループが組み込まれている

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