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ロンドンのフラワークラス

「初心者向けのフラワークラス。経験不要」とある。
たまたま住んでいるフラットにリーフレットが入っていたのだ。
うーむ、そそられる。

イギリスに来てから、草花との距離がぐっと近づいた。
街中では、素敵な花束を片手に歩く人、大きな鉢植えを抱えてバスに乗りこむ人。
花束のプレゼントもカジュアルに行われている。

イギリスに来てより一層草花に心惹かれる人は多いのではないだろうか。自分もその一人である。
そういえばこちらに来て間もない頃、花屋の面接を兼ねて一日無給で働かせてもらったこともあった。
その日は"トゲ飛ばし妖怪"のごとく、ひたすらバラのトゲを削り飛ばした。
他にも、マーケットで花をモチーフにしたジュエリーを売る仕事をしたこともあった。
どうも自身は花と関わりたいようだが、今の仕事に花の要素はない。

ということで、このフラワークラスを受けてみることに。
もちろん第二言語で、知識のない分野についていけるか不安はある。でも今までそんなことばっかりではないか。恐れるなかれ。

クラスの初日。
フラワーアレンジメントなどで目にしたことのある、オアシス(吸水性のスポンジで花を挿す)を使うとのこと。
すると早速先生の見本がテーブルに置かれ、
「この見本の写真をとって、自分の席でこれと同じものを作るように。終わり次第、レビューをします。」とのこと。
なんと!
手取り足取り教わることを想像していた私は、急な展開に心拍数が上がる。

見本の近くに寄り見つめてはみたものの、どうなっているのかよくわからない。
がしかし、皆さんはサクサク作り始めるではないか。

静かに席へ戻り、恐る恐る花をオアシスに挿し、ハサミで長さを整え、他の葉も挿してみる。
こうして初めてみると、何だかワクワクしてきた。
ビギナーであることは大きなチャンス。上手くできなくてもいいのだ。
直感で自分がいいと思うようにやればいいのだ!

完成すると一度、先生のレビューをいただく。直した方がいいところがわかる。
その後、先生によるデモンストレーションが行われた。
最後に自分の作ったものを崩してもう一度作り直し、再びレビューをもらう。

ふーっと胸をなでおろした帰り際、生徒の一人がせっかく作った作品をレセプションのところに置いてけぼりにするではないか。。
「持って帰らないの?」と聞くも、いらないらしい笑。
そんな適当さも良きかな。

私はもちろん持って帰る。