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「ウルトラマンタロウ」が見る抗うつ剤というおはなし

2023/12/08 更新分

どうやら最近全国の映画館で「円谷映画祭2023」と称し、今月14日まで「ウルトラマンタロウ」のセレクション上映会を行なっているそうでして。
それを記念して昨日庵野秀明監督が池袋でトークショーをしていたらしい。

え、どうして誰も教えてくれなかったの?
めちゃくちゃ観に行きたいんだが??

なんかひどく悔しい気持ちになったのと今年生誕50周年なのでせっかくの機会だし今回は「ウルトラマンタロウ」について話すことにする。
14日までに絶対観に行ってやる…!!


僕は「ウルトラマンタロウ」がめちゃくちゃ大好きで、
クソガキの頃、保育所の帰りに母に毎日のようにレンタルビデオ店に連れて行ってもらってはウルトラマンのVHSを借りる日々を過ごしていた。

当時リアルタイムで放送していたのは「ウルトラマンティガ」とか「ウルトラマンガイア」。僕はいわゆる「TDG世代」の人間で
基本はそれに近い時期のを借りていた。「ダイナ」とか、あと「ゼアス」。

逆に昔の、昭和ウルトラマンは
ビデオが始まる時に最初に挟まる円谷のロゴが怖くてその時点で辛かった。

特に「ウルトラセブン」は本当にダメで、セブンの顔と掛け声が怖くてビデオを観た時思わず泣いた。
それをみた母が何を思いついたかセブンのクソデカフィギュアを買ってきて、僕が言うことを聞かない時にそれを使って脅かしたりした。本当に勘弁してほしい。
僕は今でもセブンがトラウマで、姿を見ると体が少し強張る。

なんだけれど唯一の例外がタロウで、末恐ろしい円谷のロゴのところをお布団かぶって耳を塞いで我慢しながら観ていた。
それくらい当時の僕にはタロウは魅力的だった。

まずOPが本当にカッコいい。

基地の中をいろいろなメカがなんかわちゃわちゃ動いて発進する内容で、映像の中にタロウが一瞬たりとも登場しない。清々しいほどの特撮映像だ。
その今から50年前に作られたとは到底思えないほど精巧なミニチュア撮影に心の底からワクワクした。なんか映ってるメカの半分くらい本編に全く出てきてない気がするが多分気のせいだろう。
歌もわかりやすい歌詞と軽快なメロディなのも良い。

本編も一部暗い話があるが、基本的には「家族愛」をテーマにした温かい話や童話をモチーフにしたコミカルな回が多く全体的にとても明るい作風だ。

そして何より登場人物がおバカでパワフルだ。

ZAT(ウルトラ警備隊的なやつ)は怪獣たちを対峙するために真面目な顔をしながら敵にコショウをぶっかけたり、鏡で相手を誘導して埋立地に嵌めてみたりとなんかトンチキな作戦仕掛けるし、

一般人も蝉の怪獣が街中に現れた時は「鳴き声がうるせえ」と松明に火をつけながら大挙して押し寄せるし、学校に怪獣が現れた時は剣道部の少年が刀一つで特攻を仕掛けたりする。
普通だったら無惨に怪獣に殺されるところだけれど、どれも大体致命傷を与えて本人たちはピンピンしてるのだからすごい。
モブがブルーアーカイブの生徒くらい丈夫で強え。

映像もド派手で、放送当時バブルで景気が良かったからか建物はガシャンガシャン壊れるし爆発の量もめっちゃ多い。
タロウのファイトスタイルも良くて、思いっきり連続腹パンをお見舞いしつつ、ピョンピョンはねて、盛大に蹴り飛ばす。
そしてトドメに
思いっきり溜めて「ストリウム光線」の掛け声とともにド派手なエフェクトの光線を放つ。ちゃんと喋ってくれるのがいい。
そして怪獣が派手に気持ちよく爆発してくれる。最高だ。

そんな感じで「ウルトラマンタロウ」を構成する多くの要素が元気に溢れてて、クソガキの僕はその明るさと快活さが大好きで何度も観た。

その思い出が強く脳に焼き付いてるので気分が落ち込んだ時、特に身内に不幸があった時は心を無にして「ウルトラマンタロウ」全53話一気見してほんの少しだけ元気をもらって、そして最終回の光太郎のように日常に戻る。

もしマズいことがあった時にタロウが観れなかったら僕は本当にダメになってただろうと思う。それくらい僕はこの作品に助けられている。

そんな見るだけでめちゃ元気のもらえる「ウルトラマンタロウ」。みんなでみよう!!



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