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コンテナ輸送コストの下落

下落するコンテナ輸送コスト

1年程前、アメリカ西海岸の港の混雑が話題になり、コンテナ輸送のコストが過去最高を記録しました。

しかし現在、輸送コストは再び下がり、一部の航路ではコロナ前の水準に近づいています。下の図でわかるように、短期間でコストが劇的に下がっています。

世界の運賃のベンチマークとして広く知られているFreightos Baltic Index(FBX)は、2021年後半のピークから80%下落しています。

下落するコンテナ輸送コスト

輸送コストが重要な理由

貿易の大半は海を経由して行われるため、輸送コストの高騰は世界経済に大きな打撃を与えます。

IMFが過去30年間に143カ国を対象に行った調査によると、輸送コストは世界中のインフレを引き起こす重要な要因であること分かります。運賃が2倍になると、インフレ率は0.7ポイント上昇するそうです。

輸送コストの上昇の影響をより強く受ける国もあります。
輸入量が多く、グローバルなサプライチェーンに組み込まれている国ほど、輸送コストの上昇によってインフレ率が上昇する可能性が高くなります。

運賃の下落は良いことでしょうか?

輸送コストの低下は、海運会社を除くすべての人にとって素晴らしいニュースです。

私たちの多くはサプライチェーンのコストが低下し、インフレ圧力が軽減されることでメリットを受けますが、海運会社はとっては2年間の好況期が終わりつつある状況です。

例えば、COSCOやHapag-Lloydなどの大手荷主は、20フィート換算単位(TEU)あたり10倍以上という驚異的な利益を上げていました。

そこで、船会社は航海を中止したり、老朽化した船を廃船にしたりして、価格の下落を防ごうとしています。
1月上旬、コンテナのスポット運賃は43週間ぶりに上昇し、コロナ禍以降続いてきた海運運賃の乱高下は終わろうとしているようです。

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