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世界の若年失業率

世界の若年失業率

世界のほぼすべての国で、若者の失業率は一般失業率よりもはるかに高くなっています。

残念ながら、コロナ禍は問題をさらに悪化させたようです。
キャリア初期の重要な時期に、若年層は就職難に直面し、仕事の経験を積む機会が失われました。これは、長期的な収入に影響を与える可能性があります。

コロナ禍の発生から3年近く経った現在、中国など一部の国の若年成人は職探しに苦労しています。

若年者の失業率が最も高い国

トップはOECD加盟国の中で最も若年者の失業率が高いスペインです。27.4%と、若年成人のほぼ3人に1人が職を見つけることができていません。日本は4.2%ですから、なんと7倍近い失業率の高さです。

スペインの15~24歳の雇用不足の重要な理由として、教育内容と労働市場のミスマッチが挙げられています。

また、スペインは派遣社員に多くの職務を依存していることや、観光業など、季節性の高い産業が多いことも、統計上失業率が高止まりしている理由の一部のようです。

以下は、2023年第2四半期時点のOECD加盟国および中国の若年失業率です。

6月に発表された中国の若年失業率は21.3%まで上昇しており、10%を下回っていた2018年5月から急上昇しています。右肩上がりの若年失業率を受け、中国政府は年齢別の失業率データの発表を停止することとなりました。

他方、日本では若年成人の4.2%しか失業していません。主な理由は、日本の人口減少と高齢化によって労働市場が逼迫しているからとされています。
個人的には、日本の企業が長期雇用を前提とする中、計画的な採用を心がけていることもあるのではないかと思います。

若者の失業率 男女比較

ほとんどのOECD加盟国では、若年男性の失業率が若年女性より高いのが一般的です。

これは全年齢層の傾向と逆で、全年齢層での失業率は女性が6.3%、男性が6%です。

次の表は、若年層の失業率の男女格差が最も大きい国です。

若年者失業率の重要性

若年者の失業率は、その国の一般的な雇用機会を示す指標であることに加え、将来の経済見通しを表す重要な指標でもあります。

若年層の失業率の高さは、海外への移動に伴って、その国の頭脳流出にもつながります。

また世界では、失業した若者の増加は歴史的に内乱を引き起こしてきたため、各国政府にとっては政治安定性に関する重要な指標でもあるようです。



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