中国・孔鉉佑前駐日大使の離任挨拶を断り

2023年2月に帰任した中国・孔鉉佑前駐日大使の離任挨拶を断っていたことが3月末、報道されました。

岸田首相と中国・孔鉉佑前駐日大使

これに対して、元マッキンゼーでBBTの学長を務める大前研一学長は以下の通り批判しています。

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▼誰の利益にもならない愚行
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日本政府が、中国の孔鉉佑前駐日大使の離任に際して申請した岸田首相への挨拶を、断っていたことがわかりました。

日本国内の対中世論に配慮したとのことですが、歴代大使の大半は離任時に首相と面会をしており、岸田政権の対応は異例のことです。

誰も得をしない愚行だと言わざるを得ません。

日中の交流には2000年の歴史があるのだから、対中政策は米国の追従をするべきではなく、当たり前のことを当たり前にするべきです。


安倍首相の頃から、普通にしていても関係が悪くなっているのに、さらに関係性が悪化したら日本の責任になります。

中国側の反日感情が高まれば、意趣返しとして日系企業の社員をスパイ罪で
捕まえるようなことがまた起こってしまうかもしれません。

岸田首相は「聞く力」をアピールしているのに、こんないたずらに事を荒立てるようなことをするとは思いませんでした。

あくまでも儀礼通りに対処すべきだったと私は考えます。
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ウクライナのゼレンスキー大統領に「必勝しゃもじ」を届けたときもそうでしたが、岸田首相は短期的な良し悪しで対外的な対応がなされているきらいがあり、野党を中心に批判を集めています。
政治家として、特に日本の首相としては、長期的に日本国民の利益となる判断をするべきと大前学長は指摘しています。

ほぼ同じタイミングで、日本のアステラス製薬の中国法人に勤務する日本人男性がスパイ容疑で逮捕されました。離任挨拶を断ったとこへの報復でしょうか?
仮に政治的な理由だけで逮捕されたとすれば、決してあってはならないことだと思いますが、真相はどうでしょう。

4月には林外相が訪中する予定です。どのように決着するのか、見守りたいと思います。

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