ブリしゃぶ

小学生の頃から気になっていたものがある。ぶりしゃぶ、魚でしゃぶしゃぶをするのは鰤くらいじゃないだろうか。

薄く切ったブリしゃぶセットを高いなと毎年見送って来てとうとう社会人になってしまった。社会人になったらもう買える値段になってはいたが、お買い得品のブリの柵を買って来た。明日、家族が仕事に出た後にこっそり1人でブリしゃぶをするために。こっそりやるのがいい。自分のために作る料理が1番美味しいと思う。

朝起きて大根と白菜を切りながら、出汁パックで昆布だしを取った。いい香りが部屋に広がる。ブリの柵を少しばかりズタズタにしてブリしゃぶの準備を終えた。

いよいよ念願のブリしゃぶ。ポン酢とご飯も用意した。キッチンに1人で立ってブリをしゃぶしゃぶしてみるとじわじわ白くなってホロホロと崩れそうになってきた。大根や白菜と一緒にポン酢につけて食べる。笑ってしまうくらい美味しかった。

しばらくブリしゃぶを楽しんで、最後に出汁に残った野菜とブリの切れ端、ご飯を入れて雑炊にして食べた。染み渡る美味しさ。もっと早く食べていればよかったのにと思うほど美味しかった。