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パチンコデビュー

パチンコデビューと言っても、1度だけ経験してみたいというだけである。パチンコ屋にすら入ったことがないので入ってみたいというだけである。

25歳になって初めてパチンコ屋に入った。音がすごくて空調が効いている。みんな静かにパチンコを楽しんでいる。スロットもあった。パチンコもスロットも打つというらしい。

とりあえずどんな台?があるか見て回ってみた。想像よりもハイテクそうな台が並ぶ。キラキラ光ったりしている。ボタンもある。

一際目を引いたリングの台に座ってみた。貞子と思われる女性の長い髪垂れ下がり、左手が台から出ていた。本当に台から手が出ていた。パープルネイルの洒落たその手はどうやら動くらしい。艶やかな長い豊かな黒髪も靡くらしい。いやもう絶対これでしょ。手を握らせて下さい。マジで。

ナンパみたいなノリで台を決めてしまった。どうしても動くところが見た過ぎる。1000円から遊べるらしい。遊び方が全く分からないが、台にQRコードがあって遊び方のリンクに飛べた。説明を読んだらなんとなく分かったので、1000円分試してみることにした。

よし、頑張るぞ。1000円を入れるとパチンコの玉が台の真ん中のお皿みたいなところにコロコロと出て来た。こういうシステムなのか〜と感心していたけれど、いざ始めてみるとなかなか難しい。画面が動かない。少しは動いてくれないと困るから頑張らないとな。

怖い感じの映像が流れる。私にとってはデート前夜の気分、早く会いたい早く会いたい。あーダメだった思わせぶりなマドンナかよ、の繰り返しが続いた。絶対これ分かってるな。出会いたい、手を握りたいという心を見透かされてるなと後半は思えて来た。

でもどうしても見たい。髪が揺れる様も手が動くところも。結局動くところは見れなかった。当たらなかった。そうそう簡単に当たるものじゃないだろうし、簡単に手は握れるものではないと再認識した日だった。

もうこれきりパチンコはやらないだろう。面白さみたいなのが分からなかったから。とりあえず家に帰ったらYouTubeで髪が動く様と手が動くところの動画を見ないとな。マドンナ待ってろよ、私がそっちに行くからな。こんな食い気味で迫って来たら貞子もそりゃ逃げ出すだろうと思うそんな夜だった。

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